犬種の歴史・概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/26 21:17 UTC 版)
「シベリアン・ハスキー」の記事における「犬種の歴史・概要」の解説
シベリアからカナダ北極圏にかけてのツンドラ地帯を原産地とする、社会性に富んだ性格の大型犬種。進化系統上の祖先はスピッツのそれと同系とされている。 極東北極圏を中心にトナカイ遊牧や狩猟を行う「チュクチ族」(「チェコート族」ともいう・俗に「エスキモー」と総称される中の1民族)に、古くから犬ぞりなどの牽引による人荷の運搬・狩猟補助などを行う用務犬として重用されてきた。 シベリア地帯やアラスカ半島を訪れた探険家や毛皮交易を行う北米商人らがチュクチ族を含めてエスキモーのことを「ハスキー」と呼称していたことから、その用務犬として用いられていた当犬種もハスキーと呼ばれるようになった。 アムンセン探検隊などの極地探検犬にも活用されたほか、北極圏地域で盛んになったドッグレースや犬ぞりレースで優秀な成績を挙げる犬種としても知られる。 また1925年、アラスカのノーム市でジフテリアが大流行した際に、ハスキー犬チームが氷点下50度にもなる酷寒の中544 kmもの距離をリレーしながら血清輸送して多くの人命を救い、その名誉犬バルト像がニューヨーク市のセントラル・パークに建立されるなどして、大いに認知されるに至った。 バランスの取れた体躯、滑らかに伸びた毛皮のイメージをもつ美しい上毛と柔らかい下毛、狼を想わせる精悍な顔貌、人間に対する融和性などから人気を呼び、1930年以降のソビエト連邦政府によるシベリア国境貿易封鎖にともなう当犬種の輸出規制にもかかわらず、単なる極寒地での用務犬にとどまることなく北米経由で改良が加えられて全世界に広まり、現在では鑑賞犬あるいはペットとして極地系犬種の中では特に抜きん出た人気を持つ。 平均的な寿命は約12〜14年で、およそ5〜6歳までが人間でいう成長期・青年期にあたるといわれている。成犬では、体高約50〜60cm、体重約16〜28kgほどになる。 上毛は黒青色または茶褐色であり顔部・腹部は白毛で隈取模様であることが多いが、全身単色毛の個体も存在する。瞳は青色・青灰色・濃褐色がほとんどであるが、しばしばその遺伝的特性から左右の瞳虹彩に異なる色をもつ個体が存在する。 一般的に当犬種のドッグショーにおける出陳基準としては、左右虹彩の色違いはすべての個体が容認され、毛色は顔部・腹部に白色毛が混じっている個体であれば可とされる。 精悍な顔付と屈強な体躯からくる印象とは異なり、基本的に人間に対して友好的であり適正に育成された個体は用務犬としてもペットとしても非常に適している。適度な警戒心はあるものの一見の他人にも友好性を示すことがあり番犬としては必ずしも適当とはいえない。一般的には積極的に吼えることのない犬種だが、その社会性のある特性から孤立した状態に長時間置かれると、狼などと同様に仲間に呼びかけようと遠吠えする傾向がある。 日本においては、佐々木倫子作の漫画『動物のお医者さん』(雑誌「花とゆめ」連載)の大ヒットで知名度が一気に上がり、バブル景気の世相を追い風に飼育者が激増し、「ハスキー犬ブーム」として社会現象を引き起こした。しかし数年後に飼いきれなくなって動物保護センターに持ち込んだり捨てたりする飼い主が多く出た。後年のTVドラマ化の際にはハスキー犬が安易に飼育できる犬でない旨のテロップが毎週流された。 特徴的なオッド・アイ 美しく均整の取れた体 仔犬 犬ぞりを引くハスキー
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犬種の歴史・概要
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「ヨークシャー・テリア」の記事における「犬種の歴史・概要」の解説
19世紀中ごろ、イギリスのヨークシャー地方で作出された。現代では愛玩犬として知られるが、元々は工業地帯の労働者の間で、家屋を荒らすネズミを捕まえるための間接狩猟犬として飼われていた。1862年に「ブロークン・ヘアード・スコッチ・オア・ヨークシャー・テリア」と命名されたが、長すぎたことからヨークシャー・テリアと呼ばれるようになった。1886年にイギリスのケネルクラブで公認され、比較的その歴史が短いという意味で新しい犬種である。1800年代後半にアメリカ初上陸する。かつてはオーストラリアン・テリアやオーストラリアン・シルキー・テリアと混同され、1932年にこれら3犬種の交配が禁止されるまで統一されたスタンダード種は確立されなかった。 ジャパンケネルクラブ (JKC) が公認する犬種の中ではチワワに次ぐ小型な犬種であり、成長しても2 - 3キログラム程度にしかならない個体が多い。ただし、作出にあたりマンチェスター・テリア、スカイ・テリア、絶滅種であるクライズデール・テリア(ペイズリーテリア)、マルチーズなど様々な犬種を交配改良したことや、犬種の歴史が浅く血統が不安定といった種々の要因で、しばしば7キログラム程度の大きな個体もみられる。FCIで2kg未満と3.1kg以上は認可されない。平均身長28センチメートル (cm)。尾は長いものの、多くは生後間もなく3cm程度に断尾されるため、尾の長い個体はあまり見掛けない。 性格面ではテリア種らしい勇敢さや気の強さ、独立心、賢さがあると評価される。その一方で寂しがりな面もあり、飼い主には甘える傾向も強いとされる。 幼い頃の体毛はブラック・タンだが、成長するにつれスチールブルーやゴールド、シルバーなど毛色が7回ほど変化すること、その美しい絹のような毛質から「動く宝石」とも称される。毛質が一様なシングルコートで抜け毛は少ない。被毛が地面まで届く長さで整えるフルコートがスタンダードとされ、被毛の擦り切れを防止するために毛先を紙で包んでまとめるラッピングも多用される。ショーへの出場などを意識しない家庭犬では、手入れの容易さや汚れの付きにくさもあって、短く刈り込んだサマーカットで通年過ごさせる場合も多い。 耳は立っているものが多いが、垂れたものも居る。 JKCによる日本国内の登録件数調査では、1位になったことはないものの1970年代から3 - 6位程度を維持する、流行の影響が少ない人気犬種である。
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