オーストラリアン・シルキー・テリア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2010/05/31 18:42 UTC 版)
オーストラリアン・シルキー・テリア(英:Australian Sillky Terrier)とは、オーストラリア原産の愛玩用のテリア犬種である。美しい容姿を持ちながらも飼育がやや難しいため、ヨークシャー・テリアの人気を抜けない、隠れた名犬種である。
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歴史
19世紀末に愛玩用に作出された。原産地では作業犬として人気のあるオーストラリアン・テリアにヨークシャー・テリア、絶滅してしまったクライズデール・テリアをかけ合わせてコートの美しさを最大限に引き立てた犬種である。本種は既出の通り作業犬でなくペットとして開発されたが、しばしば番犬やネズミ狩り用としても使われた。
20世紀になると諸外国にも輸出され、人気を得てFCIにも公認犬種として登録された。ところが、もとからエキサイトしやすい性格の犬種であるため凶暴で扱いにくい犬というレッテルを貼られて人気が下落し、作出に使われた2犬種(クライズデールは現在絶滅しているため除く)に人気を奪い返されてしまった。これにより困ったシルキー・テリアの犬種クラブのメンバーは性格や健康面での改良を徹底して行い、現在は以前に比べて攻撃的な気性が抑えられ、分別のつく性格に改良された。
日本にも輸入されている犬種で、国内登録頭数順位は2004年度には143位中118位、2007年度には144位中111位、2009年度は未登録であった。しかしながら国内にブリーダーが存在し、1頭20~30万円で販売も行われている。
特徴
ロングコートは絹のようにつややかでやわらかく、美しい。毛色はゴールド・アンド・シルバー。立ち耳で垂れ尾だが、尾は短く断尾することがある。胴は長く、脚はやや短い。体高22.5~23.5cm、体重4~5kgの小型犬で、性格は好奇心旺盛で活発だが、興奮しやすく攻撃的な面もあるためしっかりとしたしつけが必要である。遺伝的にかかりやすい病気は気管虚脱や水頭症、糖尿病などがある。
参考
- 『犬のカタログ2004』(学研)中島眞理 監督・写真
- 『日本と世界の愛犬図鑑2007』(辰巳出版)佐草一優監修
- 『デズモンド・モリスの犬種事典』(誠文堂新光社)デズモンド・モリス著書、福山英也、大木卓訳 誠文堂新光社、2007年
- 『日本と世界の愛犬図鑑2009』(辰巳出版)藤原尚太郎編・著
関連項目
外部リンク
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