片倉家とは? わかりやすく解説

片倉氏

(片倉家 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/25 03:40 UTC 版)

片倉氏
九曜
本姓 藤原氏?[1]
諏訪大神大祝後裔?[1]
家祖 片倉辺命
加藤景廉
片倉景継
種別 武家
士族
華族男爵
出身地 信濃国伊奈
主な根拠地 陸奥国刈田郡白石[1]
宮城県
著名な人物 片倉景綱
片倉重長
凡例 / Category:日本の氏族

片倉氏(かたくらうじ、かたくらし)は、武家士族華族だった日本氏族戦国時代から江戸時代まで伊達氏に重臣として仕え、維新後士族を経て華族の男爵家に列する[2]

歴史

片倉氏は信濃国伊那郡片倉村に住していたが大崎氏に従い奥州に下ったと伝えられている[3]

戦国時代から江戸時代初期の片倉景綱(小十郎、備中)は、伊達政宗に側近として仕えた。政宗の軍略には常に伊達成実と景綱が関与したと言われる[4]

その子孫は江戸時代仙台藩にあって1万3000石[3](幕末には1万7200石[5])を領した。一国一城の例外的措置で残されていた白石城に住した[3]。藩内での家格は「一家格」であり、しばしば奉行職などの重職に任じられた[3]。小十郎を世襲名とした[3]

幕末維新期の当主片倉景範は、仙台藩が戊辰戦争で官軍に敗れて減封となった後に知行を没収され、息子の景光とともに北海道開拓に従事した[5]。旧臣の一部も磐城国から北海道に移住し、石狩国札幌郡内に位置する札幌本府の東郊外に「白石村」を開拓した[6]

『叙爵内規』の前案である『華族令』案や『叙爵規則』案(『爵位発行順序』所収。前者は明治11年か明治12年頃、後者は明治12年以降16年頃までの作成と見られる)では「世襲男爵を授くべき者」として万石以上陪臣が挙げられており、片倉家も男爵候補として名前が挙げられているが、結局明治17年(1884年)の『叙爵内規』では万石以上陪臣は叙爵対象とならなかったため片倉家は士族のままだった[5]

片倉景光は叙爵運動を起こし、明治31年(1898年)5月17日には北海道庁長官安場保和からも「片倉景光ヲ華族ニ列セラレ度上奏ノ儀上請」が内閣総理大臣伊藤博文に提出された[5]宮内省で審議が行われ、明治31年6月17日付けの宮内省当局の書類「授爵之件」によれば、景光の祖父片倉邦憲は維新時に仙台藩が方向を誤らんとするにあたって藩主に官軍への恭順を進言した功績があること、また伊達邦成男爵にはやや劣るものの片倉家も北海道開拓に功があるとされ(それによれば片倉家の北海道開拓は開拓地3352町、移民1076人、投資額2万3600余円)、片倉家を男爵に叙すべきであると結論されたという。7月10日に明治天皇の裁可を受け、7月20日付けで景光は男爵に叙された[7]

片倉健吉男爵の代の昭和前期に片倉男爵家の邸宅は宮城県刈田郡白石町字白石にあった[8]

歴代当主

  1. 片倉景綱
  2. 片倉重長
  3. 片倉景長
  4. 片倉村長
  5. 片倉村休
  6. 片倉村信
  7. 片倉村定
  8. 片倉村廉
  9. 片倉村典
  10. 片倉景貞
  11. 片倉宗景
  12. 片倉邦憲
  13. 片倉景範
  14. 片倉景光
  15. 片倉健吉
  16. 片倉信光
  17. 片倉重信 

系譜

脚注

  1. ^ a b c 太田 1934, p. 1516.
  2. ^ 小田部雄次 2006, p. 351.
  3. ^ a b c d e 世界大百科事典 第2版『片倉小十郎』 - コトバンク
  4. ^ 朝日日本歴史人物事典『片倉景綱』 - コトバンク
  5. ^ a b c d 松田敬之 2015, p. 206.
  6. ^ 明治4年に始まる歴史”. 札幌市白石区. 2019年4月22日閲覧。
  7. ^ 松田敬之 2015, p. 207.
  8. ^ 華族大鑑刊行会 1990, p. 498.

参考文献


片倉家

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/11 17:49 UTC 版)

独眼竜政宗の登場人物」の記事における「片倉家」の解説

片倉小十郎(かたくら こじゅうろう) (片倉小十郎片倉景綱) 演:西郷輝彦少年時代江川芳文政宗守役。のち白石城主。時として身を挺して諫言する家臣の手本とも言うべき忠臣反面後述のとおり周囲の目を気にして伊達家出奔思案するなど、思いつめやすいところがある。喜多異父弟で、喜多異母弟にあたる茂庭綱元とは兄弟分。笛の名手で、政宗には太鼓教えている。虎哉より梵天丸の師を断られ意気消沈しながら遠藤基信と共に帰城する道中の輝宗に、その笛の音色を愛でられ召し抱えられる。 その才能見出され梵天丸守役となるが、周囲妬みを買い、武田家もしくは北条家への出奔考えたものの姉・喜多必死説得より取りやめ、主君のために更に尽くした甲斐あって知略優れた参謀となる。 戦場逆上した政宗叱りつけた際に、どっかと座って一喝する場面小田原参陣の是非を論じ評定の場で参陣の必要性絶叫する場面圧巻また、関白より大名取立て誘い受けたものの、辞退したことで政宗感激させ、主従の絆を更に深めた嫡子左門家督譲った後は備中守を名乗る最後は「昔の守役立ち返り遺言とも言うべき助言遺す。その中には松平忠輝は見放せ」という辛いものもあった。 喜多(きた) 演:竹下景子 左月娘。小十郎異父姉で、綱元異母姉。小十郎と共に政宗守役務める。妻子ある輝宗に片思いをしていた。弟・小十郎武勇天下鳴り響くようにとの願い込め釣鐘馬印作ったとされている。 政宗当主になってからは愛姫侍女として彼女を支え、母の義姫追放してからは政宗の母親役を自認するが、京の伊達屋敷太閤より愛姫を「払い祈祷」を口実要求された時、愛姫を救う為には都から遠く離れた岩出山にいる政宗指示仰いでいては間に合わないと、手打ち覚悟独断藤姫代わりに差し出した後で事の次第知った政宗は当然激怒するが、愛姫助命懇願したため手打ち免れ蟄居命じられた。 その後死去したことがナレーション語られるのみで、回想シーン以外では登場しない(つた) 演:音無美紀子 片倉小十郎の妻。なかなか子ができない政宗気遣った夫の小十郎の命(建前は「輝宗や基信の死など凶事続いている中、自分だけが幸せ浸っていられないから」)により、彼との間にできた子供左門殺せと言われ嘆き悲しむも、愛姫からの書状でそれを知った政宗がそれを禁じたため、それを喜多伝え行きすんでのところで左門命拾いし、事態円満に収拾した。 また、小田原参陣を迷う政宗対し自分の死を以って陣するべき旨を伝えよう考えていた小十郎から、子供をつれて里に帰るよう離縁申し渡されそうになったことも。愛姫人質として京や江戸伊達屋敷で暮らすようになってからは彼女の身の回り世話などをしていたこともあった。 片倉小十郎重綱(かたくら こじゅうろう しげつな) (片倉左門片倉小十郎) 演:髙嶋政宏少年時代阿久津龍) 幼名は「左門」。長じて 父同様「小十郎」と通称され、大坂の陣での獅子奮迅働きから「鬼の小十郎」とも称される。 忠輝のいる越後へ城普請赴く折に、老衰政宗同行できなくなった父・小十郎景綱代わり政宗同行する知恵者として政宗前に紹介されるその際成実から彼の父、実元が政宗祖父・稙宗から授かったという短刀・肌小袖譲り受ける大坂の陣での働き振りが父・景綱逆鱗触れ勘当されかかるが、政宗とりなし許される。父の跡を継ぎ政宗側近として仕え続ける。妻は(後妻らしいが)真田幸村息女で、大坂落城の際、幸村遺言伊達家庇護求めてきた彼女に惚れ込み政宗許可得て妻とした。 お梅(おうめ) 演:瀬岡裕子 片倉左門の妻。真田幸村娘。

※この「片倉家」の解説は、「独眼竜政宗の登場人物」の解説の一部です。
「片倉家」を含む「独眼竜政宗の登場人物」の記事については、「独眼竜政宗の登場人物」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「片倉家」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「片倉家」の関連用語

片倉家のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



片倉家のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの片倉氏 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの独眼竜政宗の登場人物 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS