温室効果ガス
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英: greenhouse gas、GHG)とは、大気圏にあって、地表から放射された赤外線の一部を吸収することにより、温室効果をもたらす気体のことである[3]。水蒸気、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンなどが温室効果ガスに該当する[3][4][5]。近年、大気中の濃度を増しているものもあり、地球温暖化の主な原因とされている。
(おんしつこうかガス、注釈
- ^ 字義的には「地球温暖化(潜在)能力」を意味する。
出典
- ^ “Annual Greenhouse Gas Index (AGGI)”. Global Monitoring Laboratory. 2021年10月23日閲覧。
- ^ “海洋の温室効果ガス”. 気象庁. 2021年10月23日閲覧。
- ^ a b 小倉 2016, p. 119.
- ^ 小倉 2016, p. 279.
- ^ “温室効果ガスの種類”. 気象庁. 2019年12月11日閲覧。
- ^ https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/chishiki_ondanka/p04.html 気象庁
- ^ http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2015/11/26-22673.html 化学工業日報
- ^ “温暖化の科学 Q9 水蒸気の温室効果 - ココが知りたい地球温暖化”. 地球環境研究センター (2014年4月9日). 2023年11月13日閲覧。
- ^ a b “地球温暖化対策の推進に関する法律施行令(平成十一年政令第百四十三号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局 (2016年5月27日). 2020年1月25日閲覧。 “2016年5月27日施行分”
- ^ オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書の改正 新旧対照 外務省(2019年2月27日) (PDF)
- ^ “地球温暖化対策の推進に関する法律施行令の一部を改正する政令(案)に対する意見の募集(パブリックコメント)の実施結果について”. 環境省 (2015年3月27日). 2023年11月13日閲覧。
- ^ Warwick, Nicola; Griffiths, Paul; Keeble, James; Archibald, Alexander; John, Pile (8 April 2022). Atmospheric implications of increased hydrogen use (Report). UK Department for Business, Energy & Industrial Strategy (BEIS).
- ^ “水素が地球温暖化を加速する可能性”. 国際環境経済研究所 (2022年7月4日). 2022年10月17日閲覧。
- ^ “UK government study estimates global warming potential of hydrogen”. dieselnet (2022年4月29日). 2022年10月17日閲覧。
- ^ “Climate Watch”. Climate Watch. 2022年11月13日閲覧。
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- ^ 我が国の温室効果ガス排出量 (環境省)
- ^ 東日本大震災による電力危機
- ^ “環境省_温室効果ガス排出・吸収量算定結果”. www.env.go.jp. 2022年6月2日閲覧。
- ^ “日本のメタンの発生源はなにか。世界との違いは?”. すぐ活かせる環境情報. 2022年6月2日閲覧。
- 1 温室効果ガスとは
- 2 温室効果ガスの概要
- 3 脚注
温室効果気体
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大気中に含まれる温室効果を促す原因物質を温室効果気体(温室効果ガス)と呼ぶ。主として水蒸気 (H2O)が挙げられるが、ほかにも二酸化炭素 (CO2) 、六フッ化硫黄(SF6)、対流圏オゾン、オゾン層破壊で知られるフロン類 (CFCs)、それらの代わりとして一時期用いられた代替フロン類、一酸化二窒素 (N2O)、メタン (CH4)、一酸化炭素 (CO) など、大気に微量に含まれ、分子の伸縮や折れ曲がりによって非対称な電荷分布を取りうる分子にも、同様の効果をもたらす性質がある。これらの気体の中で、現在の気候を維持している温室効果への寄与度がもっとも大きいのは水蒸気であり、また、同体積あたりの温室効果に寄与する度合い(温室効果係数)が二酸化炭素に比べて非常に大きいものも多い。牛のげっぷに含まれるメタンの増加による温室効果が話題となったこともある。 大気による放射の吸収効率は、紫外域、赤外域ではほぼ100%の効率で吸収され、可視域では0%(透明)に近い。しかし、地球放射が最大となる波長8 - 13µmの付近に吸収効率が低い窓領域(大気の窓)がある。ここでは、オゾン (O3) の9.6µmの吸収以外の効果は少ないため、この付近に吸収構造を持つ温室効果気体の増加は、気温の上昇に大きく寄与する。逆に、2.8µm,4.3µm,15µm付近の二酸化炭素、6µm付近および18µm以長の水蒸気などは、多くが吸収されており、二酸化炭素や水蒸気が増加したとしてもこれ以上吸収されにくい。ただし、何らかの原因で気温が上昇すれば、放射量が増えて余裕ができ、さらに吸収できるようになると考えられる。 現在の気候を維持している温室効果への寄与度を気体別に見ると、水(水蒸気・雲)が66 - 85%、二酸化炭素が9 - 26%、そのほかオゾンなどが7 - 8%とする計算結果がある。 単位量あたりの電磁波吸収率(温室効果係数)で考えたとき、水蒸気は二酸化炭素やメタンに比べても高く、大気中の濃度を考えれば非常に大きな温室効果があり、一見二酸化炭素の影響は取るに足らないものだとされがちだが、水蒸気は二酸化炭素やメタンに比べ非常に短い周期で循環しているため、大気中に存在する平均期間(寿命)が10日と短いうえに、温室効果により得た熱を状態変化によって蓄え込んだり、対流によって宇宙への廃熱を促進したりといった冷却の効果が強く、総合的に見た水蒸気の温室効果の強さは小さなものとなる。それでも、現気候の温室効果における水蒸気の寄与度は6割 - 9割と高い。 水蒸気については、仮に大量に増やしたり減らしたりしても、蒸発や降水といった自然の働きによってすぐに元に戻るため、人為的にかつ大量に直接増加させることは不可能である。それに加えて、他の温室効果ガスの増減で気温が上下すると水蒸気の量はほぼそれに合わせて増減する(ただし、あまりに気温の上下が大きい場合には、逆に気温の変化を抑制する働きをする場合もあるが、基本的には前述のとおりである)。こういった科学的事実から、「放射強制力に対するフィードバック機構としてのみ働く」という考え方がなされ、人為的な温室効果ガス排出や、「地球温暖化対策の推進に関する法律施行令」などで規定される温室効果ガスからは除かれている。また、IPCCの報告書中の将来予想においても、水蒸気の増加の影響は人為的なものとしては取り扱われていない。人為的に増減させることができる温室効果気体のみを考えると、温室効果は、二酸化炭素が最も大きく、次いでメタン、一酸化二窒素の順となっている。
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