温室効果ガス濃度・気温の変化のさまざまな要因
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 08:54 UTC 版)
「温室効果」の記事における「温室効果ガス濃度・気温の変化のさまざまな要因」の解説
ピナトゥボ山噴火と1991年 - 1992年のCO2濃度上昇幅縮小 1991年のピナトゥボ山噴火は、エアロゾル濃度の世界的な増加をもたらし、気温を低下させた。そのちょうど同じ時期に、世界各地の大気中CO2濃度の上昇幅が縮小したことが観測された。これは、気温の低下によって土壌中の生物の活動が鈍り二酸化炭素の放出が減少したためだと見られていた。しかし、この場合見られるはずの、気温と濃度の変化の時間差が短かったため、もう1つの要因として、エアロゾル濃度が増加したために、直達日射に代わって散乱日射が増えたことにより、光合成の効率が上昇し、二酸化炭素の吸収が増えたことが考えられている。 大規模森林火災と2003年のCO2濃度上昇幅拡大 2003年に北半球の中高緯度地域で発生した森林火災によって、燃焼により二酸化炭素が大量に放出され、マウナ・ロアの大気中CO2濃度上昇幅拡大に関与していた可能性があると見られている。また、森林火災によって土壌の環境が変化し、鎮火後数年もの間土壌からの炭素の放出が増えるとの指摘もある。 海水中の塩分濃度と植物プランクトンの活動度 海水中に鉄分が不足している海域では、鉄分濃度が増えることで、植物プランクトンの活動が活発になり、光合成による二酸化炭素の吸収が増えると考えられている。
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