深谷通信隊とは? わかりやすく解説

深谷通信隊

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 16:48 UTC 版)

汲沢」の記事における「深谷通信隊」の解説

現在、泉区戸塚区区界泉区側にある深谷通信隊跡地は、広さが773747m2の円形国有地であるが、その4時方向、すなわち住宅バス停頂点とする北東から南にかけての一角は、基地開設以前、旧大正村大字汲沢小字畑ヶ田の一部であったという事情もあり、 汲沢もこの基地歴史共有していることになる。 戦前から戦後にかけての深谷通信隊の歴史概説する論文があるが、その論文では、戦前日本海軍により建設されたこの施設東京海軍通信戸塚分遣隊正式名称としたといい、船橋蟹ヶ谷通信拠点置いていた東京海軍通信隊が昭和16年1941年)、通信強化を図るとの方針のもと、送信業務を担う戸塚分遣隊新たに建設したとの経緯述べられている。 基地開設準備として、同年9月から昭和18年1943年7月まで敷地買収整地が行われたが、用地提供した深谷地主関係者によって書かれ書籍中には「軍に対す国民の義務として、軍用地の提供を余儀なくされた。土地提供者には後にわずかな地代送られてきた」との記述があり、またその地代一坪あたり一円だったとの証言紹介されている。 上述論文は、施設規模関し船橋送信施設直径800mだったのに対して深谷1kmとされたことから「戸塚分遣隊を「東洋一」の通信隊にするという強い意気込み窺われる」と評している。昭和18年1943年)に定められ通信系統図が同論文には掲載されており、トラックサイパンパラオアンボンスラバヤダバオシンガポールマニラ高雄、須海、呉、大阪舞鶴ほか2か所に置かれ各通信隊とのネットワーク形成されていたことがわかる。昭和19年1944年3月15日戸塚分遣隊は開隊にいたるが、当初の計画にあったコンクリート製建造物建設物資不足などの事情からすべてを間に合わせることができず、一部木造となり、開隊時には依然として多く建設工事であったという当時旧海軍置かれ苦境とともに、原敏英隊長以下終戦当時兵員数220名という人員規模紹介され、さらに敵機空襲備えた地下通信所設置されたが、中央部フェンス内および県道東側に数基みられるコンクリート製構築物がそれにあたるのではないかとの推察加えられている。 昭和19年1944年)末時点での東京通信隊の設備状況一覧表掲載されており、戸塚分遣隊送信設備は、短波送信機が15kw12機、2kw8機、1kw7機、中波送信機250w2機、50電話1機という構成であった読み取れる海軍東京通信隊は西太平洋「全海域における作戦通信中枢とされ、また連合艦隊指揮下に加えられ連合艦隊通信中枢とされていた」ことを背景に、戸塚分遣隊位置づけについて、船橋送信施設との分担状況不明としつつも、「無線設備整備状況海軍総隊指令部の送信戸塚日吉直接行う計画があったことなどから、送信業務のかなり重要な部分担当していたのではないか想定される」と述べられている。 同論文ではさらに、終戦後歴史を語る中で、昭和20年1945年9月20日米軍進駐とともに旧海軍施設としての終焉迎えたこと、同年10月中旬戦艦ミズーリ艦長ウィリアム・キャラバンと想定される人物来訪し通信施設としての機能維持および米軍への協力要請したこと、同年11月逓信院東京無線電気工事戸塚分局設置され米軍との契約解除される昭和32年1957年)まで存続したこと、同分従業員向け宿舎50戸、独身寮1棟が昭和44年1969年)に解体されたが、住宅前というバス停名にその記憶とどめられていることが挙げられるとともに上瀬谷の旧海軍施設通信基地とされたのは米軍による接収後である点が指摘されている。 在日米軍管理においては、「西太平洋からインド洋にわたる地域展開する米軍艦船および航空機等に対す送信業務行ってい」た一方中央部フェンス外側区域は、昭和45年1970年12月耕作地として使用許可され、「深谷基地ニュース」によると、平成17年2005年時点野球グラウンド13面、市民菜園1100所を数えたという。 日米政府間で返還方針についての合意平成16年2004年)に成立したのを受け、平成26年2014年6月日本側へ返還されたが、返還後の跡地利用に関しては、「災害時広域的な防災拠点として利用できる防災機能充実を図るとともに豊かな自然環境創出し市民活動拠点となる広場多様な市民ニーズ応えるスポーツ施設等を備えた魅力的な公園の整備目指」すとの目標のもと、深谷通信所跡地利用基本計画横浜市により平成30年2018年)に策定されている。

※この「深谷通信隊」の解説は、「汲沢」の解説の一部です。
「深谷通信隊」を含む「汲沢」の記事については、「汲沢」の概要を参照ください。

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