民主党代表辞任後
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小沢のISAF構想や国連中心主義には賛同しつつも、「日本外交の基本は日米同盟」であり「国連至上主義」になってはいけないと説明。同年9月に小沢一郎が民主党代表に再選された際には、党副代表就任を要請されたが、これを固辞した。最終的に、前原グループから新たに執行部入りする議員が出ることは無かった(ただし、本人は新たに常任幹事となり、党常任幹事会にも参加している)。 2007年(平成19年)、秋の臨時国会を前にした8月31日の民主党改造人事で、岡田克也、石井一、髙木義明、川端達夫ら主要幹部とともに党副代表に就任した。 2008年(平成20年)6月、前原は、『中央公論』7月号での自民党の与謝野馨との対談で、農家への戸別所得補償や子ども手当などを始めとする2007年(平成19年)7月の参院選マニフェストについて、これらの公約の必要経費を18兆円と試算したうえで「行革だけでは財源を捻出するのは絶対無理」「私は、(民主党は)『君子豹変』しないかぎり、まともな政権運営はできないと思いますよ」と持論を展開した。財源論についても、党内の政策責任者の間で疑問が強かったにもかかわらず、最後は小沢の「エイヤ!」の決断で押し切られたことを明らかにした。これに対し、民主党「次の内閣」の現・前・元の農林水産大臣である筒井信隆・篠原孝・山田正彦らは、この前原の主張は、前原自身が代表時代に提出した民主党の食料の国内生産及び安全性の確保等のための農政等の改革に関する基本法案を自ら不可能なばら撒きとして否定したことになるとして抗議と説明の電子メールを党所属国会議員全員に向けて一斉送信した。 このメールでは週刊文春に掲載された"前原氏が菓子パンをごみ箱に投げ捨てた"とする記事に触れ、「生命の維持に欠くことのできない食料を粗末にするような人間に食料・農業について論ずる資格はなく、議員としての資質ばかりか、その人間性に重大な問題があると言わざるを得ない」と非難しているが、週刊誌ネタを理由にした指弾には疑問の声も多く、連名で加わった篠原孝自身も、後に「菓子パンについての記述は削除するように進言したが聞き入れられなかった」「配信直前に穏便に事態を収拾しようとしたが都合がつかなかった」「菓子パンの記述が(この文書の)品格を下げたという人が大半だった」と釈明している。 2008年(平成20年)9月に実施された民主党代表選に関して、「小沢執行部は及第点」と評価しているがマニフェストを進化させるために無投票を避けるべきだと主張した。これについて鳩山由紀夫から、前原が小沢代表に採点を下すのは「おこがましい話だ」と批判され、以後前原は沈黙した。 2009年(平成21年)2月4日、衆議院予算委員会の質疑において、道路特定財源の一般財源化に伴い新設された「地域活力基盤創造交付金」の使途が主に公共工事にあてられることを強調し、「首相は“やるやる”詐欺の常習犯だ。選挙をやるといってやらない。一般財源化もやるといってやっていない」と批判した。これに「無礼な言論をしてはいけない」と注意した衛藤征士郎委員長に対して前原は「事実を言ったまで。委員長が文句を言うのはおかしい」と反論。続いて答弁に立った麻生は「詐欺というのは犯罪。これは犯罪ですか」と反論した。また公益法人の在り方について麻生が「事前通告がない」と答えると、前原は「事前通告はしている。そんな答弁するなら家で寝ていた方がましだ。一国の総理として恥ずかしくないのか。税金泥棒だ」と述べた。 2009年(平成21年)3月、小沢代表の資金管理団体をめぐる違法献金事件について「あれだけの献金を(西松建設から)もらうと、『それが合法であったっていいのか』という問題がある。私からすると考えられない数字」と疑問を呈した。また、民主党のマニフェストから「公共事業受注企業からの献金全面禁止」の文言が小沢就任以降消えていることに対し、「復活させてしっかり書き込む。国民に疑念を持たれないようにするのが大事」との認識を示した。 前原と、同じく民主党副代表(当時)の岡田克也がアメリカのワシントンを個別に訪れた際に、アメリカ側に「今の日本は拉致解決に固執しすぎて北朝鮮の核放棄への障害となっている」と発言した、と報じられた。 2009年(平成21年)5月、財団法人日本漢字能力検定協会の関連会社などから受けていた政治献金を返還すると発表。この関連会社には同協会からの資産が流出したと報道された。前原は報道各社に対し、「公益法人のあり方が問題になっていることにかんがみ、けじめをつける。」などとする書面を送付し、支部長を務める政党支部で受けた献金を返す意向を示した。 2009年(平成21年)5月の党代表選挙では事前に有力候補と見られていたが、出馬を見送り、政策的に近い野田佳彦広報委員長とともに自身のグループをまとめて岡田克也を支持した。
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