機種決定後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 04:00 UTC 版)
「F-X (航空自衛隊)」の記事における「機種決定後」の解説
防衛省は2011年12月12日次期戦闘機をF-35に決定する方針を固めたが、現在F-35は、米国防総省が開発調達計画を2年延長する見通しであることが報じられたほか、各国の機体開発の遅れに関する懸念は強まっており、開発参加国であるオーストラリアやイタリアでは計画の見直しが検討されているほか、2012年には導入までの不透明さからカナダは導入を検討中であるとしており、軌道に乗った時点で発注するとしているが、当然リスクを恐れずに早くから発注を行っていた国々から先に、完成した機体が納入される事となる。最も早いアメリカ国外への納入は、2014年から本格化し、まずはF-35A型オーストラリア空軍向け初号機とイタリア空軍向け初号機が納入されており、各国が連携する形でパイロットの養成過程が開始されている他、実際に実戦任務に投入可能とされるまでには各種試験をクリアする必要があり、これら一連の紆余曲折を経た後、F-35B型が世界初の初期作戦能力獲得(IOC)を宣言され、正式にアメリカ海兵隊の各部隊に配備されたのは2015年7月であった。今後は共同開発に参加した国はもちろんの事、確定発注した同盟国空軍に対して、量産機の納入が進む事となる。また、日本政府は導入契約を結んだが、開発の遅れから配備スケジュールは大幅に伸びる懸念があったが、2015年現在では、日本に納入される機体については既に組み立てが開始された。 2011年12月13日、産経新聞は関係者の話として米国防総省が開発中の機体から多数の亀裂が発見されたことを受けて、運用開始時期を現行の2017年から2年延長する見通しであることを報じたが、その後、2014年頃から各種試験が順調に進んだ事もあり、野田政権下の2012年の予算で発注済のF-35A型4機が、日本に引き渡される受領開始時期は2017年となる模様だ。とロッキード・マーティン側から正式発表があった。計42機の調達を予定しているが、B型を含めた最終的な発注数は明らかになっていない。が、一川保夫防衛相は2011年12月20日午前の記者会見で「米側から16年度の納入について確約を得ている」事を明らかにしている。 2011年12月16日、産経新聞は米国防総省内部資料を出所とした「ステルス性能に疑問」という記事を報じ、また具体的問題点として、攻撃能力、被弾や事故時の生存可能性、旋回や上昇など飛行性能、空対空ミサイルの発射、電子戦能力がテストパイロットより運用上深刻な、または特別な懸念として挙げられている、としている。 2012年2月22日、日本政府も「価格の高騰が続けば、導入計画の中止も否定できない」とアメリカに伝えていることが明らかになった。 2012年2月23日、防衛省はアメリカ国防総省に対し、予算削減および開発の遅れで機体価格が上昇しないよう書簡を送る。価格が高騰した場合、調達中止の可能性もあることを示唆した。 2012年2月29日、衆議院の予算委員会で田中直紀防衛相は、正式契約の時期になっても提案内容が実現できない場合、契約の取りやめ、機種の再選定も視野に入っていると発言している。 機種選定時、日本とアメリカの両政府は、アメリカ側が提案した納期や価格などを順守できなければ、取得を取りやめることもあるとの文書を取り交わしている。 防衛省は2012年6月の契約を行えるよう調整しており、政府はそれまでに最終判断をする予定である。 2012年3月20日、米政府監査院は開発試験の遅れや生産ペースの低下などから、総開発費は4,000億ドルに近づきつつあるとの見通しを発表した。また、ソフトウエア最終型の「ブロック3」の完成は17年になるとの見通しを示し。日本が16年に導入する最初の4機は、ソフトウエアが未完成な状態で納入されることが濃厚となってきている(この場合の機体の改修には、対外有償軍事援助の為追加費用を払わなければならない)。 2012年3月31日、米国防総省は、量産時期を2017年から2年延長し、2019年以降に量産を開始する方針を明記した報告書をまとめたことを国防総省筋が明らかにした。日本政府は導入にさいし価格維持と2017年3月納期の厳守を求めてきたが、この決定により調達計画の破綻が決定的となる可能性が大きくなった。。 2012年5月3日、米国防総省は議会に対し、日本が導入を予定している42機の売却額が計100億ドル(約8千億円、1機あたり190億円。整備費用、ソフトウェアのバージョンアップ費用やパイロット訓練費用などが含まれたパッケージ価格)に上るとの見通しを報告。5月30日には、最初に納入される予定の4機の1機当たりの予定価格を、当初の99億円から102億円(予備部品などを含む)となる見通しを明らかにした。 2012年6月29日、日本政府は、米国防総省と2016年度に導入する4機について、正式契約を交わした。1機当たりの価格は約96億円(交換部品を含め約102億円)で、2012年度予算に計上した価格は89億円(同99億円)のため約7億円(同3億円)の上昇となった。 2012年9月4日、製造に習熟していない作業員が製造に関わっているためコストが上昇し、一機当たりの価格が当初の1.5倍の150億円に達するとする報道が出た。 2013年1月27日、米国防総省の年次報告書により、日本に引き渡されるF35Aの最初の4機は、短射程空対空ミサイルも運用能力を持たない「ブロック3I」レベルの訓練用ソフトウェアを搭載したバージョンであることが報道された。 2013年3月1日、安倍内閣はF-35について、武器輸出三原則の例外とすることを発表した。これにより、部品製造などに日本企業が参加することが可能となった。 2013年3月19日、三菱重工業が愛知県豊山町の小牧南工場に専用の生産ラインを新設することが判明した。小牧南工場は、F-2の製造にも携わり、F-2生産終了後も修理を受け持っている工場の一つである。
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