きしゅせんてい 機種選定 model selection
機種選定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 04:00 UTC 版)
「F-X (航空自衛隊)」の記事における「機種選定」の解説
周辺諸国にSu-27などのF-15と同水準の第4世代機が拡散しつつある防衛環境にあって、現在FI(邀撃、要撃)任務についているF-4EJ改を代替する機体であるから、要撃任務の能力が高いことが第一の要求であるが、当然時代の趨勢といえるマルチロール化(任務の多様性)もある程度要求されている。 防衛省はアメリカのF-22A、F/A-18E/F、F-15FX、F-35、フランスのラファール、欧州のタイフーンの6機種をF-Xの候補として挙げ、調査を行っているとされていたが、日本政府が2008年(平成20年)12月末に候補機からF-22を除外し、F-35、タイフーン、F-15FXの3機から選定する旨の発表がなされた。これにより徐々に次期F-Xの候補が絞られた形となったが、各候補機については、その設計技術や機能・性能という機体本来の違いだけでなく、多くの中小国では1個飛行隊クラスの購入にとどまるのに対し、歴史上から見ても、戦闘機の大規模な購入実績がある日本のF-Xに売り込むことによって、莫大な利益が見込まれる事等から、政治的・経済的要因から発生する各種問題が交錯しており、選定作業が難航していた。(このため2010年(平成22年)7月には防衛省がつなぎとしてF-2約20機の追加発注を検討していることも報じられていた。 航空自衛隊は、次期戦闘機(F-X)の調査対象機種に関する海外調査を行うため欧州とアメリカに調査団を派遣した。これまで調査された機種はタイフーン、F-15FX、F/A-18E/F、F-35である。製造工場などを訪れ性能や特性に関し調査を行い、今後の検討に必要な情報を収集した。販売側では、2009年6月に開催されたパリ航空ショーにおいて、F-35を開発するロッキード・マーティンと、タイフーンを開発したユーロファイター社(実質4カ国連合)双方が性能をアピールするなど、日本への売り込みが活発になっていた。2010年6月、F/A-18E/F、F-35、タイフーンの3機種のなかから選定する事が報道された。 2011年(平成23年)4月13日、防衛省は関係各国政府に対する説明会を実施し、米、英の政府からF/A-18E/F、F-35、タイフーンの申し込みを受け付けた。2011年9月26日、防衛省に提出する機体の性能や価格に関する提案書の申し込みが締め切られ、以上の3機種から選定されることが正式に決定した。 2011年12月20日、日本政府は安全保障会議と閣議で、正式にF-35Aを採用すると決定した。選定では、加点方式で採点した。選定理由は、以下の通りである。 項目配点最高点を獲得した機体事由性能50 F-35 空対地攻撃能力などすべてにおいてバランスが良い。 経費22.5 F-35 機体はF/A-18、燃料費はタイフーンがそれぞれ高得点であったが、F-35はそれぞれ次点であり、全体では最高点を獲得。 国内企業参画22.5 タイフーン 参画の程度や技術開示の程度が高い。 後方支援5 F-35 全機体でほぼ拮抗。故障部位を特定する機能などの要因からF-35が選ばれた。 総合得点合計 F-35 評価点を合計した結果、F-35が最高点となった。
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