機織り教室
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「はたおり教室」は1990年(平成2年)から続く土浦市立博物館の講座であり、一般的な機織りサークルなどとは異なり、「地域に伝わる知恵と技法を受け継ぐ」という精神で開講している。これは茨城県の農村で古文書を調査していた2人の女性が調査の過程で織機や糸車と出会い、その技術を習ったことをきっかけとして教室が始まったという経緯によるものである。このため1999年(平成11年)度までは機織りにまつわる知識や経験を持つ高齢者への聞き取り調査も同時に行い、これを基に農家で織られてきた絣(かすり)を再現する活動も行われた。土浦は織物産地でも綿の名産地でもなく、機織りは自家用の生活技術として伝承してきたものである。 受講希望者は多いものの、機織り機の数や技術の正確な伝承を進めるために毎年6人程度の受講者を受け入れていた。教室の活動は月2回の定例会と自主活動、活動記録『むいむい』の作成、博物館を訪れる小学生や公民館での機織り指導のボランティアがある。はたおり教室のこだわりは強く、茨城県で使われてきたアジア綿系の綿の入手が困難になるにつれ、自ら畑を耕し綿栽培まで行っている。2017年(平成29年)度は、1回限り90分の「はたおり体験教室」と全15回の「はたごしらえ講座」の2種類の教室が開講された。 講座の卒業生による「糸紡ぎの会」という組織があり、月に一度の定例会以外は自主的な活動を行う。また卒業生による機織り伝承グループ「綿の実」という組織もある。 2001年(平成13年)3月24日から5月13日には「暮らしにいきづくはたおり―はたおり教室10周年記念特別展―」を開催し、織機や布、布の完成までに利用する道具や生産工程で生じる布として利用しない部分(「オリダシ」)などを展示したほか、はたおり教室の受講生や糸紡ぎの会の会員が交代で機織りの指導や観覧者の質問対応を行った。2017年(平成29年)2月には、はたおり教室の受講生と機織り伝承グループ「綿の実」が制作した作品を集めた展覧会が行われた。
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