機体設計と搭載機器とは? わかりやすく解説

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機体設計と搭載機器

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 06:58 UTC 版)

B-2 (航空機)」の記事における「機体設計と搭載機器」の解説

F-117同じくステルス性最重要視した形となっているが、F-117直線的な多角形によって構成され機体デザインだったのに対してB-2曲線的なシルエットとなっている。これはF-117数学的幾何学的なアプローチ設計されたのに対し、元ヒューズ社のレーダー技術者であるジョン・キャッセンの経験により、乱反射低減主目的にし機体凹凸鋭角作らないことを根幹として、粘土使った模型による実験により開発されステルス技術用いたことによるまた、F-117開発当時コンピュータ計算能力低く曲面シミュレーション難しかったためにデザイン極端に簡素化されたのに対してB-2開発時にはクレイ社のスーパーコンピュータ使用可能であったためである。「空飛ぶ翼」(flying wing)の概念大きく踏襲し垂直尾翼および水平尾翼有していないため、コンピューター制御無しでは飛行困難な形状となっており、操縦系統には4重のフライ・バイ・ワイヤ組まれている。また、ヨー方向安定とその制御のための垂直尾翼ラダー存在しないため両翼端にドラッグ・ラダー(スプリット・ラダー)を装備しており、通常飛行時は常に両端わずかに開いて空気抵抗発生させヨー安定確保している。高いステルス性必要な任務遂行時はレーダー反射抑えるためドラッグラダーを完全に閉じ左右エンジン出力増減によりヨー方向制御行っている。機体下部設けられたタキシングライト(航空標識灯)は、通常時は翼の表面から突出した態となっているが、任務遂行時はその突出部分ステルス性妨げるため、機体格納して平滑な状態にする機能設けられている。 尾翼が無いことはレーダー反射断面積減少の面で有利となっており、B-2機体表面レーダー波を吸収してそのエネルギーを熱に変換するグラファイト/エポキシ複合剤(RAMRadar Absorbent Material)で覆われているほか、内部構造には非公表ながらレーダー波を吸収するハニカム構造大量に採用されているとされる機体表面環境変化などから保護するために表面には無数の小さな孔があけられており、本体内で発生した水蒸気などを外部逃して変形を防ぐ設計なされている。 4基搭載された米ゼネラル・エレクトリック製F118-GE-110 ターボファンエンジンは、レーダー波を反射するエンジンファンが機体正面から露出しないよう大きく曲げられダクトを介して機体内部深く埋め込まれている。吸気通常のエンジンへのエアインテークへ、そのやや前部刻まれジグザグ状の切れ目2つ分けられエアインテークから取り入れられるまた、排出口赤外線による下方からの探知避けるために機体上面開口している。さらに排気温度下げるため、排出前の排気には冷気混合され温度下げられ長く作られ排出口以降の翼上部には熱吸収材でできたタイル並べられている。他にコントレイル飛行機雲)の発生による目視での探知回避するために塩化フッ化スルホン酸(Chloro-fluorosulphonic acid)をエンジン排気混入させる装置取り付けられている。 また、B-2は、前脚両側ベイに2基の攻撃目標探索航法用の米レイセオンヒューズ・エアクラフト)社製AN/APQ-181Ku-バンドフェーズドアレイレーダーを装備しており、ステルス性阻害しないよう自機放つレーダー電波の周波数のみを通す選択透過性の高いカバー覆われている。アクティブ・レーダー使用時にはステルス性失われる危険があるため、レーダー波の照射爆撃直前地上標的近辺のみを対象限って行なわれるようになっているKuバンドによる目標精密画像データは、搭載GPS援用目標照準システム(GPS aided targetting system; GATS)によるJDAM爆弾投下精度向上させる。このレーダー開発時はC-135搭載されテストが行われていた。 自衛用にAN/ALQ-161電子妨害システムとAN/APR-50レーダー分析警報装置搭載している。AN/ALQ-161電子妨害システム多数の敵ミサイル敵航空機地上からの捜索レーダー波を尾部警戒含めて360度警戒行い複数探知に対して直ち適切な複数妨害電波送信できるコックピットには4台の多機能カラーディスプレイ設置されパイロット左側コパイロット兼ね兵装担当士官(Weapon System Officer; WSO)は右側マクドネル・ダグラス社製ACES-II上方射出シートに座る。これら通常の搭乗員2名のほかに3人目搭乗スペース設けられているほか、WSO座席真後ろには長時間航行想定して簡易トイレおよびギャレー、さらにコクピット後方には仮眠スペース用意されている。操縦は4重のフライ・バイ・ワイヤコンピュータによってアシストされている。兵器管理システムにはIBMフェデラルシステムズのAN/APR-50(ZSR-63)およびZSR-62ディフェンス補助システム搭載予定されている。 機体任務性格上、当然ながら空中給油受油能力があり、コクピット後方機体上面フライングブーム方式給油口リセプタクル)が装備されているが、ステルス機という性格上、リセプタクル隠匿となっており、使用時には給油口部分外板が180度回転し裏側にあるリセプタクル露出するようになっている

※この「機体設計と搭載機器」の解説は、「B-2 (航空機)」の解説の一部です。
「機体設計と搭載機器」を含む「B-2 (航空機)」の記事については、「B-2 (航空機)」の概要を参照ください。

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