機体破損
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 16:13 UTC 版)
2009年7月13日、テネシー州ナッシュビル発メリーランド州ボルティモア行WN2294便(ボーイング737-300、機体記号N387SW)が高度1万メートルを飛行中、突如、機体後部中央上方にフットボール大の穴が開くアクシデントが発生。同機はウェストバージニア州チャールストンのイェーガー空港に緊急着陸した。キャビンの気圧が低下し、酸素マスクが自動降下する騒ぎとなった。幸い、このアクシデントによる死者は出なかった。なお、この事故の発生1時間後には、サウスウエスト航空ではTwitterにより、事故の情報を発信している。 2011年4月1日、フェニックス・スカイハーバー空港発カリフォルニア州サクラメント行のWN812便(ボーイング737-300)が、離陸してまもなく天井に幅30センチ、長さ1.5メートルほどの穴が開き、アリゾナ州ユマのユマ海兵隊航空基地に緊急着陸した。客室乗務員1名が軽傷、乗客は全員無事。事故を受け、サウスウエスト航空ではB737-300型機のうち、初期に製造された79機を緊急点検した 結果、さらに数機について亀裂が発生していることが判明した。NTSB(アメリカ国家運輸安全委員会)の調査の結果ではサウスウエスト航空の検査体制には問題はなかった。これを受け、連邦航空局 (FAA) では全世界の同型機に対して検査命令を出した。同型機は全世界で175機あるという。また、航空機製造会社のボーイングでは、亀裂の発生の可能性については認識しており、それまでは飛行回数が6万回を超えた時点で詳細な検査をすることとしていたが、この事故の後にボーイング側で技術的な過失があったと認め、今後は飛行回数が3万回を超えた時点で詳細な検査をするように基準を改めた。今回のアクシデントに対するサウスウエスト航空とボーイングのやりとりは、FAA当局を感嘆させるほどスムーズかつ迅速であり、今後は他社でも同様のプロセスを実行するとも予想されている。 2013年7月23日、ナッシュビル発ニューヨーク・ラガーディア空港行きの345便(ボーイング737-700、機体記号N753SW)が、ラガーディア空港着陸接地時に首脚が破損しそのまま胴体着陸を行った。乗客乗員149名中負傷者10名、そのうち6名が地元の病院へ搬送された。死者は無し。着陸前に破損に関する警報などは無かったとされ、原因は調査中である。 2018年4月17日、ニューヨーク市ラガーディア空港発テキサス州ダラス・ラブフィールド空港行きの1380便(ボーイング737-700型機)が飛行中に第1エンジン(左側)が破損するトラブルが発生し、その余波で窓を破損し機内で急減圧が起きた。その際に破損した窓側の座席に座っていた乗客1名が吸い出されそうになり、周囲の乗客が身体を押さえたため機外に吸い出されることはなかったもののその後死亡が確認された。その後機体はフィラデルフィア国際空港に緊急着陸した。この事故によりサウスウエスト航空で初の死亡事故となった。エンジン破損等の原因は現在NTSBが調査中であるが初期の調査で24枚のファンブレードのうちの1枚が欠落し、取り付け部に金属疲労の痕跡が確認された。
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