ATSBによる最終報告書
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「カンタス航空30便機体破損事故」の記事における「ATSBによる最終報告書」の解説
事件から2年が経過した2010年11月22日、最終報告書が公表された。ATSBの発表内容の要約は次の通り。 「2008年7月25日、369人の乗客乗員を乗せたボーイング747-438は、貨物室前方にある緊急用酸素ボンベの1つが破裂を起こし、急減圧を引き起こした。事故機は香港からメルボルンへ向かう55分のフライトの途中で、高度29,000フィートを巡航中であった。」 「10,000フィートまで緊急降下を行った後、クルーは航空機をフィリピンのマニラにあるニノイアキノ国際空港へと着陸させた。乗客と乗員に負傷者は出なかった。」 「オーストラリア輸送安全局(ATSB)主導のもと、米国国家交通安全委員会(NTSB)、米国連邦航空局(FAA)、ボーイング社、フィリピン民間航空局(AAP)のメンバーで構成された自己調査団はマニラにて事故機体の調査を行った。その結果、酸素シリンダー(前方貨物室右側にある4番のタンク)が上向きに破裂して、隣接する胴体部に穴を開けたことが明らかになった。破裂したシリンダーは客室の床に穴をあけ、右側2番ドアのフレームとハンドル、オーバーパネルに衝突した。破損したシリンダーの部品はバルブアセンブリ以外回収されず、残りは減圧が起こったときに機外へ吸い出されたと推定される。」 「ATSBはシリンダーに関する精密調査を実施した。考えられるすべての故障のシナリオのレビューや、同じロットで製造された一般的なシリンダーの技術評価などを行った。シリンダーが故障して破裂したことは明白であり、加圧されていた内容物が解放されると、シリンダーは垂直かつ上向きに飛び出した。シリンダーに欠陥があったか、故障の原因となる損傷が生じていた可能性があると推定されたが、それを裏付ける証拠は見つからなかった。また、同じ生産ロットで作られたシリンダー、或いは一般的なタイプのシリンダーが、機器の寿命よりも早く故障を起こす要因も見つからなかった。」
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