機体の調査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/07 15:55 UTC 版)
「イースト・アフリカン航空720便オーバーラン事故」の記事における「機体の調査」の解説
離陸前に、パイロットが算出した機体の離陸重量が誤っていたことが判明した。しかし、実際の離陸重量は最大離陸重量の135,800kgは下回っていた。加えて、実際の重量との差が軽微だったことからこの事は事故に寄与しなかったと判断された。 計算によれば、720便は滑走路内で停止することが可能だった。エンジンは4基とも正常に動作しており、逆噴射装置も作動していた。そのため、調査官はブレーキに注目した。 8個のブレーキのうち、最大制動力の4,200万lbを出していたのは5つだけで、残りの3つははるかに低い制動力しか出していなかった。そのため、8つのブレーキ全体の制動力は最大制動力の70%ほどしか出ていなかった。最大制動力を発揮しなかった3つのブレーキのうちの1つの、前輪ブレーキは2,900万lbしか制動力が働かなかった。これは、ブレーキシステムの組み立てが不適切だったために発生した。一方、残り2つの後輪ブレーキは1,900万lb未満の制動力しか働かなかった。 調査官は1972年4月5日に左後輪ブレーキで油圧オイル漏れが起きていたことを発見した。そのため、事故機のアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)の油圧オイルが交換されていた。ところが、交換の2日後にこのタイヤのホイールが破裂した。整備士はABSホイールの問題と考え、交換を行っていた。調査官が後輪ブレーキを調べたところ、サーボバルブが前後反対に取り付けられていたことが判明した。また、ゴム製のリングの取り付けも不適切に行われていた。
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