機体の詳細
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/04 15:27 UTC 版)
デルタIIは1度しか使用されない使い捨てロケットである。デルタIIロケットの構成は以下の通りである。 1段目: ロケットダインのRS-27液体燃料ロケットエンジン1基を装備、推進剤としてRP-1と液体酸素を用いている。1段目の容積の大部分は、この推進剤・酸化剤タンクである。 固体燃料補助ロケット: 離床初期の2分間の推力増強用に用いられる。中重量以上の打上げ構成の際のデルタIIは、これを9基(6基は地上で点火、3基は飛行中に点火)備えている。軽重量機種の打上げ構成の際は3基又は4基用いる。 中間段: 1段目と2段目の間にスペーサーがある。これの製造には、1999年から摩擦攪拌接合法が使用されている。 2段目: 自己着火性推進剤である四酸化二窒素/エアロジン-50を酸化剤/推進剤として用いている。エアロジェット製のAJ10-118Kロケットエンジンが用いられており、低軌道へ投入する為に1回もしく数回燃焼する。この推進剤は腐食性が強い為、1度燃料タンク内に注入した場合、約37日以内で打ち上げる必要あり、打ち上げられなかった場合は再整備または交換を行なう必要がある。この段には飛行制御の為に機体の"頭脳"である慣性誘導装置が搭載されている。 3段目: 地球周回軌道から脱出して火星等の他天体を目指す場合は、オプションとしてATK-チオコール製の固体燃料ロケットモーターを3段目に用いる。通常構成のデルタIIは、2段式で運用され、地球周回軌道への衛星投入に使用される。3段目は燃焼終了後に、宇宙機と切り離される。2段目までに誘導制御が行われるため、3段目は能動的な誘導制御機構を有せず、スピン安定のみを用いている。多くの宇宙機は、3段目の安定に必要とされたほどの高回転数による安定を必要としていないため、宇宙機を分離する前にヨーヨーデスピン機構により回転速度を減らされる。 ペイロード・フェアリング:薄い金属または複合材によるペイロードフェアリングにより、打ち上げ時に地球大気から宇宙機を保護する。 命名規定 デルタIIシリーズは4桁で仕様を表記される。 1桁目は6または7のどちらかで、6000-または7000-シリーズのデルタロケットを示す。1段目に延長型タンクとRS-27エンジンとセントール上段ロケットとIVA固体燃料補助ロケットを備えた6000-シリーズは1992年に最終機が打ち上げられた。後継の7000-シリーズはRS-27Aを備え、長いノズルと高膨張比で高高度における性能が向上し、GEM(グラファイト・エポキシ・モータ)を備える。GEMは大型の複合材製の容器に収められ、鋼鉄製の容器のキャスターよりも軽量化された。さらに2基のLR101-NA-11バーニアエンジンによって1段目の誘導を行う。 2桁目は固体燃料ロケットの数を示し、通常9基の固体燃料ロケットを使用する。場合によっては6基あるいは最小3基のロケットが打ち上げに使用される。3基または4基の補助ロケット使用時は、離床時に全て点火される。 3桁目は2段目にAJ10エンジン使用する場合、2を用いる。このエンジンは複雑な任務のために再着火可能である。デルタ6000シリーズのみ異なるTR-201エンジンを使用した。 4桁目は3段目を示す。0の場合、3段目は無い。5の場合ペイロード・アシスト・モジュール (PAM) としてStar 48B固体燃料モーターが使用され、6の場合はStar 37FMモーターが使用される。 一例としてデルタ7925は延長型の1段目と9基のGEM補助ロケットと3段目にPAMを備える。デルタ7320は2段式で3基の補助ロケットを備える。 デルタ II-ヘビーは大型のGEM-46補助ロケットを備え、元々はデルタ IIIとして設計された。これらは79xxHと表記される。 3種類のペイロードフェアリングが使用可能である。基本型はアルミ製のフェアリングで直径が9.5フィートである。10フィートのフェアリングは複合材製で前と後ろが著しくすぼまっている。10フィートのフェアリングは大型のペイロードにのみ使用される。
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機体の詳細
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/01 02:07 UTC 版)
HOTOLは全長63m、全高12.8m、直径7mで全幅28.3mの予定だった。 無人の機体で7から8トンのペイロードを高度300 kmの軌道に投入する能力を有する予定だった。離陸は滑走路から大型の補助ロケットでラムジェットエンジンが駆動する速度まで加速する構造だった。高度26–32 kmでジェット推進から純粋なロケット推進に切り替え、その時点で速度はマッハ5から7に達する。軌道に到達後、HOTOLは大気圏に再突入して滑空して既存の(最短、約1500m規模の)滑走路に着陸する。HOTOLは完全自動無人飛行するように設計されたが、後にパイロットが搭乗する案が復活した。内蔵された降着装置完全に燃料を搭載した状態での機体を保持する為には小さすぎたので緊急着陸時には燃料を投棄する必要があった。
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