機体の調整
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/17 07:04 UTC 版)
風が弱くて広い場所(公園の広場など)で行う。 機体の全体のバランスを見る。見方は利き手に機体を持ち、片目で機首側から見る。まず、胴体の曲がりを見て、曲がっているのであれば真っ直ぐになるように直す。次に水平尾翼の曲がりを水平になるよう修正し、垂直尾翼も真っ直ぐになるよう修正する。また、主翼の左右のバランスも見ておく必要がある。ねじれている場合や、キャンバーの大きさが左右の翼で違う場合は、上昇時に機体が回転したり、滑空時にスパイラル降下になったりとうまく飛ばないので修正しなければならない。特に主翼の左右の揚力差は気づきにくく、やりがちなミスなので注意すること。 風上に向かい、目の高さに機体を持ち、前へ押し出すように投げ出す。 滑空時、右か左に旋回するようであれば、再度、主翼、垂直尾翼、水平尾翼のねじれを確認する。機首を下げて降下する場合は、水平尾翼が下側に反れていないか確認する。それでも直らないなら、重り(鉛板やクリップ等)の量を減らしてみる。この2つの操作を行っても駄目なら、水平尾翼の後ろへり(特に端の部分)を機首の下がり具合に応じて上げる。逆に機首が上がる場合は水平尾翼が上側に反れていないか確認する。それでも直らないなら、機首に重りを加える。この2つの操作を行っても駄目なら、水平尾翼の後ろへり(特に端の部分)を機首の上がり具合に応じて下げる。 これらの操作を行って、機体がストレートボールのように滑空すれば、これで滑空の調整は終了である。 最後に、水平尾翼を傾けておく。これはスタブティルトと言い、機体を旋回させるために必要な操作である。左旋回をさせたい場合、右下がりに傾ける(傾きを大きくするとより旋回半径が小さくなる)。右旋回の場合は逆の操作を行う。旋回のためにエルロン、ラダー、エレベーターを使うのは極力控える方が良い。なぜなら、機体のバランスを大きく崩してしまう可能性があるからである。 次に上昇の調整を行う。まず、カタパルト場合は機体を6割ぐらいの力で水平に射出する。手投げの場合は6割の力で水平より少し上に投げる(地面に叩きつけることを防ぐため)。機体が上昇している時に宙返り気味、もしくは宙返りしてしまう場合は、水平尾翼の後ろへり(特に中心部分)を機首の上がり具合に応じて下げる。機体が緩く上昇して、滑空に移るようであれば調整は完了である。あとは7、8、9割...と力を強めて、その都度宙返りの修正を行う。もし、カタパルト機で垂直上昇させたい場合は、最後に機体を地面に対し90度に向けて10割の力で射出し、まっすぐ上空に上昇するよう調整する。上昇後、機体が急降下するなら、水平尾翼の後ろへり(特に端の部分)を機首の下がり具合に応じて上げる。機体が真っ直ぐ上昇した後、滑らかに滑空姿勢へ移行すれば調整は完了である。
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