機体構造の問題点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/28 15:33 UTC 版)
「ビッカース ヴァリアント」の記事における「機体構造の問題点」の解説
1960年のU-2撃墜事件を受け、地対空ミサイルの脅威度が引き上げられた。これにより3Vボマーは核爆撃の任務から外され、対空ミサイルのレーダー索敵網を潜り抜けて爆撃する低高度侵攻の役割を与えられ、従来の核爆発時の閃光からの防護用白色塗装から低空侵入用のグレーと緑の迷彩に塗り替えられることとなった。 しかしながら、ヴァリアントの低高度での運用は多くの問題を露呈する形となった。ゲイドン市から作戦転換部隊 所属の飛行中尉 "Taffy" 隊長が操縦していたWP217内の翼桁後部に問題が発生した。片方の翼の後部にダメージが発生した為、ゲイドンに引き返しフラップを使わずに着陸した。その後検査した結果、右舷内側面の胴体下外板が座屈し、リベットが飛び出していた。それからエンジンドアが割れて、リベットが抜けて二つのエンジン間の主翼上面板がめくれていた。 全機点検によって、低空での乱流が原因で35~75%の機体が安全寿命を超えている事が明らかになった。この検査の後、ヴァリアントは次の3つのカテゴリに分けられた。カテゴリAは飛行続行、カテゴリBは修理できる基地に飛行、カテゴリCは再び飛ぶのに修理が必要とされ、カテゴリAの多くは高空での活動で問題ない給油機であった。しかしながら、1965年1月に、国防大臣 デニス・ヒーリーとウィルソン政権は修理費用を予算化しない見通しで、1965年1月26日以降、部隊を恒久的に飛ばさないことを決めた。 1964年12月9日に、最後の任務として、ヴァリアント給油機は北海上でライトニング戦闘機への給油任務を行った。同日、ヴァリアント爆撃機XD818の最後の任務も行われた。
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