有名なスケッチ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 07:42 UTC 版)
「空飛ぶモンティ・パイソン」の記事における「有名なスケッチ」の解説
殺人ジョーク(英: Killer joke) 第1シリーズの第1話に登場する、初の大当たりスケッチ。第二次世界大戦中に「世界一面白いジョーク」が作成された。これを聞いた者はみな笑い死にしてしまう。このジョークをイギリス陸軍はドイツ語に(翻訳者が死亡する危険があるため一人あたり一語までと制限した上で)翻訳。ナチスドイツ軍に対して使用し、ついにはイギリスを戦勝国へと導く。 本スケッチにおける「ドイツ語版殺人ジョーク」とは、デタラメにドイツ語を並べただけのものである。 ナッジ・ナッジ(英: nudge nudge) 第1シリーズ第3話。アイドル演じる労働者階級の男(Mr.ナッジ)が、パブで隣に座っていた中流階級の男(ジョーンズ)を肘で「ちょんちょん(nudge nudge)」とつっつきながら卑猥な話題を振ってくるスケッチ。このMr.ナッジは、その後も度々番組に登場している。 「nudge nudge」の意味は、「注意を引くために肘で突っつくこと」であり、「ちょんちょん」というその的を射た訳は、日本語に吹き替えた際の広川太一郎の名アドリブとして知られている。 自転車修理マン 第1シリーズ第3話。スーパーマンだらけのイギリスで活躍する自転車修理マンになれるF・G・スーパーマン(ペイリン)の活躍を描いたスケッチ。わざとらしいアメリカ英語や大げさなリアクション、アメリカ人の過剰とも言える反共思想、超人的な能力を持ちながらも自転車修理はできない(知識はあるが生活力がない)アメリカ人をおもしろおかしく風刺している。 死んだオウム(英: Dead Parrot) 第1シリーズ第8話。死んだオウムをペット屋で交換してもらう話。オウムが死んでいることをなかなか認めない店員(マイケル・ペイリン)に客(ジョン・クリーズ)がこのオウムが既に死亡している事を長々と説明する場面が有名。 ジョン・クリーズが、このスケッチを創作したグレアム・チャップマンの葬儀の際にこの場面を引用。 ペイリンが実際に会った、自分の非を認めない中古車ディーラーの実話を元に作られた。 ランバージャック(英: Lumberjack Song) 第1シリーズ第9話。前のスケッチの後に、愚痴りながら「本当は木こりになりたかった」というセリフから衣服を脱いですでに下着としてスタンバイしていた木こり(ランバージャック)の衣装に着替え、赤松などの樹木の名前の羅列、木こりの仕事の素晴らしさを歌詞にして歌い出す。背景と共にカナダ森林警備隊の服を着たコーラス隊が現れ、短いフレーズに区切られた歌にコーラスを付ける。最後には木こりから「女装が趣味で他の男を漁る」「ママみたいなきれいな女性になるのが夢」等という歌詞にコーラス隊が呆れ、木こりに抱かれる恋人が泣きながら去る。 ヒトラーのいる民宿 第1シリーズ第12話。サマセット州マインヘッドの民宿に交通事情オタクの男(アイドル)とその妻がやって来る。2人を歓迎した女主人(ジョーンズ)は他の宿泊客を紹介するが、その中にスターリングラードの地図を広げ作戦を練る3人、イギリス人ヒルターと名乗るアドルフ・ヒトラー(クリーズ)と腹心の2人ロン・ヴィッペンドロップことフォン・リッベントロップ(チャップマン)、レジナルド・ビムラーことヒムラー(ペイリン)がいた。ヒトラーはサマセットの選挙区に立候補しており、イギリスの国会議員になろうとしていた。 バカ歩き省(英: Ministry of Silly Walk) 第2シリーズ第1話。余りにも奇怪で大げさで無茶な歩き方「バカ歩き」をすることを推進する「バカ歩き省」という架空の省庁のネタ。バカな歩き方をする大臣をジョン・クリーズが演じた。 スペイン宗教裁判(英: Spanish Inquisition) 第2シリーズ第2話。真っ赤な服に身を包み理不尽な尋問をくりかえす宗教裁判官の3人の男たち(ペイリン、ジョーンズ、ギリアム)。番組内で「スペイン宗教裁判」というセリフが出てくるたびに登場、行き当たりばったりな言動でスケッチの流れを止めてしまい、共演者に呆れられてしまう。「我々の武器は驚愕、恐怖、つまり2つ。驚愕、恐怖、冷酷…つまり3つ!」などといったセリフが延々と続くくだりが有名である。最後のスタッフロールまでもがネタの一部として使われている。 スパム(『スパムの多い大衆食堂』とも) 第2シリーズ第12話。老夫婦がロンドン南部のブロムリーの大衆食堂で朝食を注文をしようとするが、全てのメニュー項目に大量のスパム(ソーセージ)が含まれていて(「卵とスパム」「スパムとスパム」…)、結果としてスパムを連呼して言うはめになるといった内容。なぜか客はヴァイキングだらけで、果てには意味もなくスパムをたたえる歌を歌いだす始末。 「スパムメール」の語源の一つとされる。 フィッシュ・スラッピング・ダンス(魚のハリセン・ダンス) (The Fish-Slapping Dance) 第3シリーズ第2話。二人の男が運河のわきで向かい合い、軽快なBGMに合わせて片方の男(ペイリン)が小魚でもう片方をピシャピシャ叩くと、もう一方の男(クリーズ)は持っている大きな魚で、小魚を持っている男を思いっきり殴り、男は運河の中に落ちてしまう。30秒ほどしかない短いスケッチだが、絶大なビジュアルを持っており、第3シリーズの中でもトップの人気を誇っている。運河に落ちる男を演じたペイリンの一番のお気に入りスケッチ。 チーズ・ショップ 第3シリーズ第7話。クリーズ演じる男がチーズショップに入り、チーズを買おうとするが、店主(ペイリン)にどんなチーズの名前を言っても「ない」という。結局「この店にはチーズが全くない」ということがわかり、男は店主を撃ち殺す、という内容のスケッチ。第3シリーズの時点でやめることを考えていたクリーズのスケッチだが、このスケッチをメンバーの前で読んだところみんな爆笑した、という話が彼のこの番組についての一番の思い出になっているという。ちなみにこのスケッチも『死んだオウム』のようにメンバーの実体験がもとになっている。魚のハリセン・ダンスと並び第3シリーズを代表するスケッチ。 サイクル野郎危機一髪(英: Cycling Tour) 第3シリーズ第8話。北コーンウォール地方をサイクリング旅行していたピザー氏(マイケル)、彼の欠点はサイクリング中にフレームアウトするとズボンの裾(履いているのは短パン)が歯車に引っかかって転倒してしまうこと。そんな彼が「緊急時脱出機能付き食品」を開発していたガリバー氏(ジョーンズ)と旅先で知り合ったことをきっかけに、様々なトラブルに巻き込まれていつの間にかモスクワでKGBに追い回され命からがら逃げのびるまでを描いた長編スケッチ。この回は終始このスケッチだけという構成であった。 デニス・ムーア 第3シリーズ第11話。義賊ロビン・フッドのパロディー。義賊デニス・ムーア(クリーズ)はなぜか金目のものではなくルピナスの花を強奪して貧しき者に与えていたが、「何の役にもたたないルピナスを持ってくるなら、もっといいものを盗ってこい!」とキレられ、まともに富める者から金目のものを盗み、貧しき者に与えるようになる。しかし、それを続けるうちに二者の貧富が逆転。挿入歌のコーラスから「貧しき者から奪い、富める者に与える、単なるバカ」と歌われた彼は、「富の再分配とは難しいものだ…」とつぶやく。 デニス・ムーアが愛馬コンコルドに乗って疾走する場面で繰り返し挿入される曲は、イギリスの民放ITVの番組『ロビン・フッドの冒険』のテーマソングの替え歌。
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