晩年・突然の死
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 08:34 UTC 版)
「三波伸介 (初代)」の記事における「晩年・突然の死」の解説
『三波伸介の凸凹大学校』収録翌日の1982年12月8日15時過ぎ、明かりが落ちた自宅の居間で倒れているのを、外出から戻って来た妻の和子と付き人の波連太郎が発見、救急車で病院へ運ばれたが既に呼吸・心停止の意識不明状態で、解離性大動脈瘤破裂により、意識は戻らないまま急逝した。52歳没。 肥満体であったことと、多忙のため多い日でも3〜5時間しか睡眠を取れず、タバコは一日最低でも3箱を吸っていた。亡くなる2ヵ月前にあった名古屋の中日劇場での座長公演の際には、朝食は食べず昼食は味噌煮込みうどん、夕食はホテルで300グラムのビーフステーキという生活を、1ヵ月の公演中毎日続けたという。これについて三波のマネージャーは「健康のために嫌いなものを食べるのもひとつの生き方。でも、好きなものを毎日食べてあの世に行くのもひとつの生き方」と述べている。その一方、酒は下戸で一滴も飲まなかった。ビートたけしは三波の早世について、若い頃ヒロポンを注射していたためではないかと指摘している。 多くのレギュラー番組を抱え、名司会者として順風満帆の芸能生活を送っていた矢先の死だった。突然の訃報を受け駆けつけた盟友の伊東は、対面で開口一番「こりゃあウソだろう。寝てるんだろう!」と発し、記者会見の場で、「(三波の亡骸を触ったときに)体がまだ温かいんですよ。温かいものだから死んだ気がしなくて……。寄らば大樹の陰で、私などは彼のおかげでここまで来れた。(てんぷくトリオは)もう一人になってしまったんだなぁ……」と言いながら涙した。三波の亡骸が棺に納められる際には、妻の和子、長男の伸一と伊東によって、黒の紋付き袴が着せられた。 テレビとそのお茶の間で人気者の訃報にマスコミの取材活動は過熱したが、関係者が取り成し遺族への接触を遮断、和子は一度だけ全てのマスコミ記者インタビューに応じて立ち、「パパ(三波)はよく死んだふりをして家族をからかうことがあったため、このときもしばらく『死んだふりをしているのだろう』と思っていたところ、様子がおかしいのに気付いて救急車を呼んだ(大意)。」と語り、その様子がワイドショー番組やニュースで繰り返し放送された。 後年(時期不明)、「すぐ救急車を呼んでいたら三波を死なせずに済んだかもしれない」と悔やんでいたという。コメディアンや演芸人には、仲間や自身の生涯を締めくくる儀式で、悲しみを和らげる為に不謹慎な言動やわざわざ手段を遺言で残すなど不文律の慣習傾向が一部にみられ、三波とはフランス座時代の「同僚」で、一線を退き家庭に入るまで長い芸歴とその交遊関係を築き(後述)、深い繋がりからこの発言は事前に考えて内容を用意した節があり、発言のなかで「三波はよく死んだふりをして家族をからかうこと」は家族が喜ぶイタズラ(サプライズの贈り物など)をよく仕掛けていたとされる三波の信条に反し、真偽は定かでない。 葬儀・告別式は12月11日、東京都中野区の宝仙寺で営まれ、葬儀委員長は伊東が務めた。葬儀には芸能・放送関係者やファンら約1,600人が参列し、三波の突然の死を悼んだ。弔辞は「お笑いオンステージ」のチーフプロデューサーを務めた増子正利らが読み、仕事の都合で参列出来なかった中村メイコは事前に対面し、弔い棺に「てんぷく笑劇場」の配役用に製作した指輪を納め、式には肉声テープが式場内で流された。「参列できずごめんなさい。でも、泣きのメイコがにっこり笑って舞台を務めます。(中略)大衆に結びついた喜劇をまっしぐらに追ったあなた。日本中に大きな笑いを振りまいたあなたに拍手を送ります。さようならは言いません。お疲れ様でした。」と泣きながら三波へ最後のメッセージを語り続けた。出棺後、遺体は東京都新宿区の落合斎場で荼毘に付された。 戒名は「施明院太伸三省居士」。三波の墓は埼玉県所沢市の「所沢聖地霊園」に所在する。墓石には、三波の座右の銘であった「喜劇とは笑わすだけにあらず 三波伸介」と刻まれている。 人気絶頂期の1982年12月に急死したため、事前収録され、翌年放送予定であった正月番組では「この番組は○月○日に収録したものです」とのテロップが流れた。正月に放送予定だったドラマ『ザ・サスペンス 刑事ガモさん - さらば愛しきテニス妻よ』は、予定を変更して年末の12月11日に繰り上げて放送された。 遺産は不動産のみであり、初代伸介の死後に預金通帳を遺族が確認した処、全く残っていなかった。
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