新型救命救急センターとは? わかりやすく解説

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救命救急センター

(新型救命救急センター から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/17 14:08 UTC 版)

救命救急センター(きゅうめいきゅうきゅうセンター、英文名称:Emergency and critical care center)とは、心筋梗塞脳出血多発外傷などの重篤な救急患者へ高度な医療の提供を行う三次救急医療機関である[1]

当初は人口100万人あたり一か所を目標に設置され、現在では人口42万人あたり一か所設置されている。2025年4月1日現在、全国312か所[2]

要件

救命救急センターは、都道府県知事の要請を受けた病院が整備・運営するものである[3]脳卒中心筋梗塞頭部損傷など生命にかかわる重篤な患者に高度な救急医療を提供することが目的とされている[4]。このため、高度な救命医療に対応できる医師看護師等を確保しておくことや集中治療室(ICU)を整備していることなどが必要とされている[5]

救命救急センターの要件[3]

  • 専用病床(おおむね20床以上)を有し、24時間体制で、重症および複数の診療科領域にわたるすべての重篤な救急患者に対する高度な診療機能を有すること。
  • 24時間診療体制を確保するため、専門的な三次救急医療に精通しているとの客観的評価を受けている専任の医師(救急科専門医等)を適当数有すること、および他科の医師を必要に応じ適時確保できる体制を有すること。

さらに救命救急センターのうち、最寄りの救命救急センターへのアクセスにおおむね60分以上を要する地域においては、専用病床20床未満の地域救命救急センターに指定される[6]。特に高度な診療機能を有し、広範囲熱傷四肢切断、急性中毒等の特殊疾病患者を受け入れる施設は高度救命救急センターに指定される。また、小児科救急患者を受け入れる施設のうち、小児集中治療室(PICU)を6床以上を有し、重篤な小児救急患者に対して24時間診療が可能な機能を有するものは小児救命救急センターに指定される。

歴史

救命救急センター設置のきっかけとなったのが、1967年(昭和42年)8月に大阪大学医学部附属病院が設置した「特殊救急部」である。特殊救急部は救急医療を行う診療部門ではあったが、外傷外科や災害外科と呼ばれ、腹部外傷や広範囲熱傷といった、重症の外科系救急医療を手術・入院も含め、診療を自己完結して実施していた。

この特殊救急部も、2000年(平成12年)に救命救急センターに改組されて、翌年には高度救命救急センターの認可を受けている。なお、日本で初めて救命救急センターの認可を受けたのは、1977年(昭和52年)1月に認可の日本医科大学付属病院である。

救命救急センターの一覧

太字は高度救命救急センターを表す

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かつて指定されていた救命救急センター

高度救命救急センターの一覧

小児救命救急センターの一覧

脚注

  1. ^ 用語解説”. 大分県. 2024年4月9日閲覧。
  2. ^ “救命救急センター設置状況一覧”.厚生労働省.
  3. ^ a b “救急医療対策事業実施要綱”.厚生労働省.
  4. ^ “県内11か所目の救命救急センターを指定”. 埼玉県. 2025年4月10日閲覧。
  5. ^ 徳洲会の救命救急センター”. 徳洲会グループ. 2019年3月6日閲覧。
  6. ^ 地域救命救急センターの指定を受けました”. 中津市立中津市民病院. 2025年4月10日閲覧。

外部リンク




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