教化団体の例
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教化団体の例を以下に挙げる。会員数、支部数、役職者名は、特に断らないかぎり、中央教化団体連合会1929年発行『全国教化団体名鑑』編纂時点のものである。 日本弘道会は1876年3月に西村茂樹の興した東京修身学社に始まる。邦人の道徳を高め国家の基礎を強固にすることを目的とする。儒教・洋学・宗教の一方に偏らず諸教の長所を採り、教育勅語を遵奉し、社会の病弊を降し、道徳振興・国運伸長を図り、もって聖旨に副い奉るという。東京市所在の社団法人であり、会員数5,372、支部数64、伯爵徳川達孝を会長とする。2020年現在も公益社団法人として存続する。 斯文会は1880年に右大臣岩倉具視の推進により斯文学会として設立された。儒教を主として東亜の学術を闡明し、教育勅語の主旨を翼賛し、我が国体の精華を発揮することを目的とする。東京市湯島聖堂内所在の財団法人であり、会員数1,438、公爵徳川家達を会長とし、子爵渋沢栄一と男爵阪谷芳郎を副会長とする。2020年現在も公益財団法人として存続する。 国柱会は1880年に蓮華会として創立された。田中智学の創立にかかるという。日蓮の指導に根拠し日本国体の精要を発揮し、道義で宇内を統一するという我が建国の主張を遵奉して、これを国民的思想・信念・事業とすることを目的とする。東京市所在の会員組織(非法人)であり、会員数は海外を含め7千を超えるという。2020年現在も宗教法人として存続する。 東京基督教青年会は1880年に小崎弘道らにより創立された。青少年の全人格を徳育・知育・体育により向上させ、国民としても国際人としても有為な人物たらしめることを目的とする。雑誌「六合雑誌」を発行する。東京市所在の財団法人であり、会員数1,820である2020年現在も公益財団法人東京YMCAとして存続する。 皇典講究所は1882年に有栖川宮幟仁親王を総裁として創設された。皇国の国体を講明し道義を発揚し典故文献を研究し、これに必要な教育を施すことを目的とする。事業として、国学院大学の経営、神職任用資格の授与、内務省委託による神職養成、各種教化事業、思想善導を行う。東京市所在の財団法人であり、久邇宮邦彦王を総裁とし、江木千之を所長、上田萬年を大学長とする。戦後は神社本庁の母体の一つとなる。 全国神職会は1892年に憂国の神職有志の運動の結果として創立された。国体を闡明し、神社の隆盛、神職の向上を図ることを目的とする。事業として、神社に関する必要事項の調査、敬神思想の涵養に必要な施策、雑誌・図書の刊行などを行う。所在地を皇典講究所と同じ住所とし、会長も皇典講究所長の兼務である。会員数14,751の財団法人である。のち大日本神祇会に改称し、戦後は神社本庁の母体の一つとなる。 神宮奉斎会は、もともと1872年に伊勢神官が大教宣布のため設立した神宮教院に始まり、1884年に神官教導職兼務廃止に伴い神宮教となり、1899年に神宮教を解散して財団法人神宮奉斎会として組織された。神宮の尊厳を欽仰し、皇祖の懿徳、皇上の聖勅を奉戴し、国典を考究し、国体を講明し、国礼を修行することを目的とする。会員数は12万を超えるという。東京市所在の財団法人であり、今泉定助を会長とする。戦後、神社本庁の母体の一つとなる。 大東文化協会は帝国議会両院の漢学振興建議にもとづき1923年に設立され、政府補助金を受けて運営される。東亜固有の文化を振興することを目的とする。皇道に遵い国体に醇化した儒教により国民道義の扶植を図り、東洋文化を中心とする専門学校・大東文化学院を経営する。東京市所在の財団法人であり、小川平吉を会長とする。2020年現在も学校法人大東文化学園として存続し、大東文化大学などを経営する。 大日本報徳社は二宮尊徳に師事した岡田良一郎とその同志によって1875年に遠江国報徳社として創立された。1924年に定款を改正し、全国各地の報徳社を大合同し、その指揮監督も行うことになる。二宮尊徳の遺教により報徳の事業を行うことを目的とする。静岡県掛川町所在の社団法人であり、本社の社員数は4,438、所属社数561、所属社の社員数27,275、合計32,274である。創始者の子にして元文部大臣の岡田良平を社長とし、その弟にして教化団体連合会初代会長・一木喜徳郎を顧問とする。2020年現在も公益社団法人として存続する。
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