律令制と軍団の設立とは? わかりやすく解説

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律令制と軍団の設立

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 05:15 UTC 版)

日本の軍事史」の記事における「律令制と軍団の設立」の解説

白村江の戦い敗北以降国家兵力増強方針となった大規模な歩兵集団戦も可能とする目的で、豪族支配からなる私兵であった国造軍代わり国家全人民を支配し兵士徴兵し(国民皆兵)、民政機構から分独立した軍団組織始まり各国駐屯することとなった7世紀後半には律令制本格的に導入される軍事制度整備され軍防令)、中央官制兵部省設置され徴兵可能にする戸籍整備進んだ正丁成年男子)3人に1人兵士として徴発される規定であった)。徴兵され兵士各地設置され軍団配属された。原則として現地勤務であるが、一部兵士宮中警備を担う衛士九州防衛を担う防人となった一個軍団兵員数二百人から千人の間であるが、千人超える例も存在した考えられている。軍団は3~4郡ごとに設置されており、九州では各国に2~4個軍団1600~4000人)が置かれていたことが記録残っている。軍団兵士の数は20万人達したとの見方もある。但し、軍団兵士交代勤務しており、通常の兵力定数数分の一であった。 この軍団兵力は外征可能なものであった759年藤原仲麻呂新羅征伐準備をさせている。軍船394隻、兵士4700人を動員する本格的な遠征計画であった。しかし、孝謙上皇と仲麻呂との不和により実行されずに終わっている。 なお蝦夷対峙する陸奥国には、軍団とは別に鎮守府属す鎮兵呼ばれる固有の兵力常設配備されていた。鎮守府始め多賀城現宮城県多賀城市)におかれ、後に胆沢城現岩手県奥州市)に移された。多賀城防御のために周囲長大な柵で囲まれていたが、この内部に陸奥国府がおかれていた。この他にも蝦夷対す備えとして、軍事・行政機能有する多数城柵築かれた。 古墳時代以来地方首長層に出自する郡司の子弟は、指揮軍毅)および騎兵の役についた弓馬得意なもの騎兵とすることとなっていた。騎兵は、基本的に弓射騎兵であるが、を扱う突撃騎兵存在した推定される一般軍団兵士の大多数歩兵であった考えられる軍団兵士は、自弁弓矢大刀小刀等を用意する必要があった。その他の官給武器として矛や弩があり、弩に関して体格腕力優れた者が隊(50名)ごとに各2名ずつ選ばれ射手教育受けた。弩は朝鮮経由して日本へは古くから導入されたが、威力上の改良が行われた。 奈良時代・平安時代前半8世紀-10世紀)の甲冑については、聖武天皇崩御77回忌にあたる天平勝宝8年6月21日756年7月22日)に、光明皇太后が亡帝の遺品東大寺献納した際の目録東大寺献物帳』に「短甲挂甲」の名が見える。延長5年927年成立の『延喜式』にも見えることから、10世紀代までは存在していた甲冑形式考えられている。実際にどのような姿であったのかは遺物小札残欠程度しか残っておらず明確ではなかったが、今日研究では「短甲」は「胴丸挂甲」(どうまるしきけいこう)、「挂甲」は「裲襠挂甲」(りょうとうしきけいこう)と呼ばれる形態だったと推定されている。また、鉄製以外のものでは「綿襖甲」・「綿襖冑」や「革製甲」が使用されていた。 遠征軍組織される場合は、兵一万人以上(一軍)なら将軍一人三軍ごとに大将軍一人を置くこととなっていた。実際に三軍からなる遠征軍編成されることはなかったが、大規模な軍や三位上のものが軍を指揮する場合には、大将軍呼称用いられた。著名な例としては、8世紀終わりから9世紀始めにかけての陸奥国での蝦夷対す戦争征夷大将軍に任ぜられた、坂上田村麻呂がある。 なおこの頃中国から兵法伝わっている。『続日本紀』によると、大宰府にあった吉備真備のもとへ、760年に『孫子の兵法』を学ぶために下級武官派遣されたことが記されている。真備764年起きた藤原仲麻呂の乱では孫子の兵法実戦活用したとされている。

※この「律令制と軍団の設立」の解説は、「日本の軍事史」の解説の一部です。
「律令制と軍団の設立」を含む「日本の軍事史」の記事については、「日本の軍事史」の概要を参照ください。

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