律令制における内蔵寮とは? わかりやすく解説

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律令制における内蔵寮

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/05 05:23 UTC 版)

内蔵寮」の記事における「律令制における内蔵寮」の解説

内蔵寮起源律令制以前三蔵大蔵おおくら)・内蔵うちくら)・斎蔵いみくら)の一つである内蔵さかのぼる。内蔵履中天皇時代遡るとも言われ皇室財宝管理する倉庫律令施行後中務省の一機関として存続した。 内蔵寮職掌大蔵省より毎年宮廷運営のために送付され金・銀・絹などをはじめとする皇室財産管理宝物保管官人への下賜調達など皇室関係出納事務である。また、諸蕃貢献物すなわち対外貿易による調達品も管理しており、勅旨による交易勅旨交易)およびそれで獲得した物品交易雑物)も管理していたとみられている。更に自らも官営工房として装飾品などを製造していた。国家出納事務を行う大蔵省官営工房中核である内匠寮重複する部分多く官制は度々変化したまた、官司倉庫にある公の金品支出原則として太政官符発給などの手続を必要としたが、その歴史経緯から天皇が必要と認めた場合には 内侍蔵人を介して直接に対して金品調達あるいは支出命じ勅旨を出すことができた。また、鍵の管理も他の官司とは異なっており、監物介さず主鑰廃止後は属)が直接内裏申請して開閉を行うことが出来た(ただし、蔵人所管理下に入ってからは、それまで内蔵寮官人のみで行っていたの鍵の開閉蔵人立ち合いを必要とすることになった)。 そのため、非常に重用され律令制機能しなくなって以後蔵人所管轄下で一定の存在意義をもって活動していた。特に節会などの饗宴において天皇から諸王殿上人下賜する御物内蔵寮から出された物が用いられた。こうした事から、従来内膳職大膳職担当していた饗宴における食事饗饌)も代わって内蔵寮調達する事例みられるうになるまた、神祇官諸陵寮扱っていた諸社山陵への奉幣とは別に天皇独自に行う奉幣にも内蔵寮物資用いられた。こうした措置律令制変化とともに国家とは別に天皇個人皇親貴族自身につながる祖先神々との関係を再構築するために行った考えられている。 だが、内蔵寮役割拡大とともに大蔵省からの送付臨時的行われる内外との交易での調達品だけでは支出賄うことができなくなった。特に大蔵省からの送付には米などの食料品含まれていないことも支出支障来した。そのため、『延喜式においては大蔵省以外の官司織部司図書寮内匠寮兵庫寮など)から送付される諸司年料供進」、諸国品目分量指定して送付させる「諸国年料供進」などが制度化されて、収入部分拡張図られた。 律令制衰退によって朝廷自体皇室家政機関としての色彩強めてくると、内蔵頭には蔵人頭弁官近衛中将少将歴任した四位殿上人就任するのが慣例となり、内蔵頭蔵人頭兼帯した頭頭(とうのとう)も存在した。更に院政期には財力有する有力な受領移り室町時代初期には山科家当主御厨子所別当兼務して就任するうになると、以後同家事実上世襲となった。 なお、赤穂事件有名な大石良雄通称百官名)である内蔵助この内寮の次官ということである。前記のように内蔵寮浅野長矩長官任じられ内匠寮とは職務上関連が深かった

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