市町村長に対して
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1959年2月20日、公印不正使用や不渡手形の乱発などで書類送検された山口市の長井秋穂市長を市議会が不信任。翌22日に逮捕・収監された長井は27日に市議会を解散したが、市長に対するリコール運動の盛り上がりから5月22日に辞職した。 1964年9月10日、滋賀県能登川町の中村甚試町長が、町議会多数派との対立から不信任。中村は町議会を解散したものの、改選後の町議会で再度不信任、12月11日に行われた出直し町長選に立候補して再度当選した。 1967年4月1日、埼玉県加須市の中田重蔵市長による議会軽視に対し不信任決議が可決。中田は市議会を解散したものの、改選後の市議会でも再度不信任され、出直し市長選に立候補したが落選した。 1969年12月22日、長野県更埴市の坂口登市長による独善的な市政運営に対し不信任決議が可決。坂口は市議会を解散したものの、改選後の市議会でも再度不信任され、出直し市長選に立候補したが落選した。 1972年10月7日、浪速医科大学不正事件で逮捕された堺市の土師半六市長に対し不信任決議が可決。土師は11日に辞意を表明した。 1973年12月20日、収賄容疑で逮捕された茨城県岩井市(現:坂東市)の富山光男市長に対し不信任決議が可決。富山は即日市議会を解散したものの、改選後の市議会で再度不信任決議が可決されて失職。翌年4月28日に行われた出直し市長選に立候補するが、落選した。 1974年6月21日、補正予算の専決処分をめぐって大阪府松原市議会が、長谷川正彦市長への不信任決議を可決。長谷川は28日に市議会を解散したものの、改選後の市議会で再度不信任決議が可決されて失職した。 1981年2月17日、公務出張の際に私的に親しい女性を同伴させていたとして、東京都小金井市の星野平壽市長に対する不信任決議が可決。星野は27日に市議会を解散させるが、改選後の市議会でも再度不信任されることが確実になったことから4月15日に辞任を表明した。 1991年4月2日、1月に当選したばかりの香川県観音寺市の今津礼二郎市長を、反市長派が多数を占める市議会が不信任。今津は直ちに市議会を解散させるが、改選後の市議会でも反市長派が多数を占め再度不信任。市長を失職したものの、7月1日に行われた出直し市長選では再選を果たした 1996年8月4日、前日に就任した島根県益田市の田中八洲男市長に対し、私立大学誘致を巡る対立から市議会が不信任。12日に田中は市議会を解散したものの、市議会議員の任期が25日までしかなかったことから市長と同時に改選された新しい市議の任期が13日からに繰り上がる珍しい事態となった。 2005年6月23日、奈良市議会において、公職選挙法違反容疑で書類送検された鍵田忠兵衛市長に対する不信任決議が可決された例がある。可決後、鍵田は市議会を解散した上で自らも市長を辞職したが、落選した。 2006年4月25日、愛知県大治町において、伊藤義範町長が大雨洪水警報発表中に私用でゴルフに出ていた件や議場で暴言を吐いたことで、議会で不信任決議が可決された。5月1日辞職。 2006年6月28日、静岡県新居町において、市町村合併の路線対立から、浜松市との合併推進派の古橋武司町長に対する不信任決議が可決された。古橋は議会を解散すると共に自らも辞職し、町長選に立候補するも落選し、湖西市との合併を志向する中嶋正夫が当選した。 2006年8月18日、宮城県七ヶ宿町において、町有林問題で混乱を招いたとして、高橋国雄町長に対する不信任決議が可決された。8月28日、高橋は議会を解散し自らも辞職したのち、選挙に立候補するも落選した。 2007年1月9日、愛媛県松野町において、市町村合併の路線対立から町長派と反町長派の対立が激化し、岡武男町長に対する不信任決議が可決された。岡は議会解散を選択し、選挙の結果、町長派が多数派となった。 2007年3月29日、兵庫県加西市において、職員採用及び市長の公用車の単独使用について不正があったとして中川暢三市長に対する不信任決議が可決された。中川は2007年4月5日に議会を解散したが、市議選後の5月13日に不信任決議が再可決され、自動失職。出直し市長選挙として行われた2007年6月17日執行の加西市長選に立候補し、再度当選した。 2007年9月3日、大阪府東大阪市において、自民・公明・一部のリベラル派により、長尾淳三市長の不信任決議案が賛成38、反対10で可決された。長尾は議会の任期満了が近かったためもあり、失職を選択。10月28日に執行された出直し市長選挙に市民の信任を再び問うたが長尾は落選し、野田義和が当選した。 2009年2月6日、鹿児島県阿久根市において、ブログでの言動が刑事告発に発展した問題や、議会を無視した人事があったとして、竹原信一市長に対する不信任決議が可決された。竹原は市議会解散を選択し、2月22日の市議選では市長派議員を当選させたが、4月17日に不信任決議が再可決され、自動失職。出直し市長選挙として行われた2009年5月31日執行の阿久根市長選に立候補し、再度当選した。 2009年3月24日、愛知県西尾市において、受託収賄罪で逮捕された中村晃毅市長に対する不信任決議が可決された。中村は拘置中のまま市議会解散を選択したが、5月3日執行の市議選で選出された議員は、5月20日に全会一致で不信任決議を再可決したため、中村は自動失職。出直し市長選挙への出馬を断念した。出直し市長選挙は、6月28日の告示日に、榊原康正が無投票当選を決めた。 2009年4月20日、三重県尾鷲市において、税理士法違反で罰金刑を受けた奥田尚佳市長に対する不信任決議が可決された。奥田は市議会解散を選択したが、不信任に賛成した議員は全員再選され、市議選後の6月19日に不信任決議が再可決され、自動失職。出直し市長選挙として行われた2009年7月26日執行の尾鷲市長選に立候補したが、落選した。 2010年9月2日、埼玉県草加市において、収賄罪で有罪判決を受けた元助役を擁護する個人的見解の表明に定例記者会見、広報紙、議会報告など公の場を利用した木下博信市長に対する不信任決議が可決された。木下は市議会解散を選択したが、市議選後の10月27日に不信任決議が再可決され、自動失職。出直し市長選挙として行われた2010年12月12日執行の草加市長選に立候補したが、落選した。 2012年12月20日、福島県双葉町において、東京電力福島第一原発事故で生じた汚染土壌を搬入する放射性廃棄物中間貯蔵施設についての福島県と双葉郡8町村の会議に欠席した井戸川克隆町長に対する不信任決議が可決された。井戸川は町議会解散を選択したが、その後町長辞職を表明し退任した。 2013年1月9日、愛媛県西条市において、選挙で新市役所庁舎の建設見直しを訴えて当選したがその後工事続行を決め、その対応が公約違反だとして青野勝市長に対する不信任決議が可決された。青野は市議会解散を選択し、選挙後も混乱は続いたが不信任決議の再可決は行われなかった。 2013年6月10日、兵庫県上郡町の工藤崇町長に対し、反町長派が多数を占める町議会との対立から不信任決議が可決された。工藤は町議会解散を選択したが、同日体調不良を理由に町長を辞職した。 2015年3月16日、宮城県大衡村において、村の50代の女性職員に性的関係を強要したり、1300通ものメールを送りつけたりするパワハラ、セクハラ行為を行ったとして損害賠償を求める訴訟を起こされている跡部昌洋村長に対する不信任決議が可決された。跡部は村議会解散を選択したが、その2日後に村長を辞職した。 2015年8月3日、北海道福島町において、選挙で当選して町長に就任したら便宜を図るよう、IT関連会社の元取締役の男から依頼され、100万円を受け取ったとして事前収賄罪に問われている佐藤卓也町長に対する不信任決議が可決された。佐藤は辞職と町議会解散のいずれも選択せず、地方自治法の規定に基づき失職した。 2017年10月27日、福岡県太宰府市において、選挙公約の撤回や副市長の解職など「市政の混乱や停滞を招くなどリーダーとしての資質を欠いている」として芦刈茂市長に対する不信任決議が全会一致で可決された。芦刈は市議会解散を選択したが、市議選後の12月12日に召集された市議会にて不信任決議が再可決され失職した。 2018年7月27日、群馬県利根郡みなかみ町において、同町内の団体女性職員に対するセクシャルハラスメント行為を行った疑惑を持たれた前田善成町長に対し、『(町長の疑惑により)観光地としてのイメージの失墜、行楽シーズンを控えて観光に携わる人々からの不安の声が高まっている』などとして、臨時の町議会において不信任決議案が可決された。前田は不信任決議に対抗し町議会を解散したが、町議選にて支持勢力が大敗し、その責任を取るとして9月10日に辞職願を提出したが、9月18日に召集された町議会では前田の辞職願に同意せず、『一連のセクハラ問題で町政を混乱させた責任を取るべきだ』として二度目となる不信任決議案が提出され、全会一致で再可決されたことから前田は失職した。 2020年3月24日、奈良県宇陀市において、保養施設の指定管理者を専決処分で決めたことなどを巡って議会と対立していた高見省次市長に対する不信任決議が可決された。高見は議会解散を選択したが、市議選後の5月15日に開かれた臨時市議会にて不信任決議が再可決され失職した。
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