多忙化要因とは? わかりやすく解説

多忙化要因

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 15:37 UTC 版)

学校における働き方改革」の記事における「多忙化要因」の解説

中教審教員養成部会2019年11月教員免許更新制教員負担軽減策を検討したが、教育新聞読者投票では77%が更新制度見直し望んでいる。多く時間費やし費用自己負担であることで不満が募り、また現職失効者がでる問題もある。このほか、日常的には、対象教員全員受講しなければならない悉皆研修教員多忙化に拍車をかける場合があり、研修回数を減らす、開催時期アンケート意見を聞くなどの努力をする取り組みをする市教育委員会もある。また業務時間前の立哨指導については、退職した小学校長は業務時間外に行うほどの教育効果得られたか自戒を込めて反省している。現職教員からは就業時間前の7時半に校門開き教員早出勤を強いられる状況を「スタッフ出勤前に開いているレストラン」になぞらえている。他方で、合理的運営行っている小学校では校務システム利用したスケジュール共有による職員朝会議の時間開催出欠確認後の体調不良者のみの健康観察保健室集約職員会議は年4回限定99%の保護者メール周知学校現場で働き方改革学校単位成し遂げた校長もいる。ただし、研究授業については良さ認めつつ、時間がかかりすぎることから方向性改善提案している。保護者配布物デジタル化職員会議やらされ行事廃止残業時間削減成功した学校もある。 ところで教育多忙要因は、平成26年11月文部科学省調査では「国や教育委員会からの調査等への対応」を筆頭に、「研修会教育研究レポート作成」、「児童・生徒保護者アンケート実施集計」、「保護者地域からの要望苦情等への対応」に多く時間費やされ多忙感を増大させているとの結果となっている。またその対策としては、財務省の見解では教員ではなく例え精神科医臨床心理士資格を持つカウンセラー社会福祉士などのソーシャルワーカー外国語教えることができる人材ICT専門家不登校児等を専門に扱うNPOフリースクール部活動指導ができるコーチ事務作業経験者などの学校周りにいる専門家専門機関、あるいはシルバー人材や元教員等地域ボランティアなど多様な協力者参画促すべきと示している。東京都教育庁学習指導部活動指導などの学校教育活動支援する者の情報を、東京都公立学校提供する人材バンク事業行っている。 2015年電通女性社員(24)が過労自殺したが、死亡前に130時間超える残業行っていた。文部科学省教員勤務実態調査」(2016年実施)の分析により、月120時間以上残業(週65時間以上勤務持ち帰り残業考慮)という、過労死ラインはるかに超えて働く教員小学校17.1%、中学校40.7%にも上るため、多く教員前述女性社員匹敵またはより長時間就労従事していると指摘されている。 このほか、学校現場では、いじめの重大事態や児童虐待相談対応件数過去最多2019年4月現在)、障害のある児童生徒不登校児童生徒外国人児童生徒等の増加といった複数課題への対応が日々迫られている。 学校でのICT機器活用は、「アクティブ・ラーニング」や「個別最適化された教材」という効率的な学習子供与えと共に教員業務効率化にもつながる。大阪市では校務支援システム」で年間170時間業務時間削減できた。評価困難なアクティブラーニンググループ学習では、児童生徒発言を“可視化”するためのソリューションとしての協働学習支援サービス活用し教員指導評価援助する仕組み始まっている。学習タブレット学習ログ学力テスト結果児童生徒から取ったアンケート結果などを統合的分析し児童生徒個別最適化した指導方法策定教員児童生徒保護者対すフィードバック可能な未来教育 京都モデル実証事業」が京都市京都大学共同行われている。新型コロナウイルスによる臨時休校といった事態対処するため、国、教科書出版社端末メーカーやソフトウェアベンダーなどが小中学校へのICT導入推進されている。 学校における働き方改革関係し長期休業中の世話病気時の費用負担子供アレルギー問題への対応などから、学校内のうさぎニワトリなどの飼育動物減少しているという余波起こっている。 教育新聞調査では、公立学校教員の96.6%が少人数学級実現求めていた。教員多忙問題抜本的な解決向けた基本的な対応として、学級規模見直し迅速に進めることが求められているとの意見がある。

※この「多忙化要因」の解説は、「学校における働き方改革」の解説の一部です。
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