地域衛星通信ネットワーク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 18:50 UTC 版)
「衛星電話」の記事における「地域衛星通信ネットワーク」の解説
地方自治体では、地域衛星通信ネットワーク(LASCOMネット)の「個別通信サービス」の電話機能も、衛星電話と呼ばれている。 静止衛星SUPERBIRD Bシリーズを用いた自治体専用の衛星通信回線で、音声通話の他に一斉指令・FAX・映像伝送・データ通信なども可能。電話番号も独自体系であり、一般の電話回線に直接接続することはできない。通話・FAX・デジタル映像伝送などの通話料が無料なのが特徴で、出先機関や消防車・救急車に搭載して日常的に使用している自治体もある。災害で電話回線・有線通信回線が途絶した場合は、これが唯一の通信手段となることが多い。 「自治体衛星通信機構」を参照
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地域衛星通信ネットワーク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/25 09:44 UTC 版)
「自治体衛星通信機構」の記事における「地域衛星通信ネットワーク」の解説
通信衛星SUPERBIRD B3のKuバンド(12GHz帯)を使い、日本国内の地方自治体向けに映像伝送・音声通信(電話・FAX・一斉指令)・データ通信サービスなどを行っている。1991年(平成3年)12月に運用開始。 都道府県防災行政無線・消防防災無線の衛星通信系として、総務省・消防庁や、全国の地方自治体・消防機関・防災関係機関を独自の衛星電話網で相互に結んでいる。消防防災ヘリコプターによる、ヘリサットでの映像伝送にも使われる。災害で電話回線・有線通信回線が途絶した場合は、この衛星電話が唯一の非常通信手段となることが多く、東日本大震災でも有効性が報告されている。停電時でも使えるように配慮した冊子状の電話帳「衛星電話番号簿」も毎年発行され、また災害発生時の混乱で電話帳が行方不明になった場合に備えてウェブサイトでも公開されている。 また総合行政ネットワーク(LGWAN)・住民基本台帳ネットワークの衛星通信系としても使用されており、特に総合行政ネットワークで全国瞬時警報システム(J-ALERT)を伝送する際の伝送回線としても使用されている。 ディジタル映像伝送用のチャンネルは5つあり、通常は平日の10時から17時30分まで第1チャンネルで情報番組を配信している。また全国知事会・全国市長会議・全国都道府県○○課長会議や、防災訓練・全国消防救助技術大会、内閣府・総務省・消防庁が開催する自治体向けの説明会、国会の地方自治・消防関係の委員会の中継も行われる。受信には専用のチューナーが必要だが、関係者向けの番組や災害発生時に第1チャンネルが現場中継で使われる際は、関係者以外は視聴できなくなることがある。一部の番組は再送信が可能になっており、ケーブルテレビの行政チャンネルや、機構ホームページにおけるストリーミング映像配信を通じて一般の世帯・企業でも視聴することができる。 人工衛星局 スカパーJSATのSUPERBIRD B3の中継器を3本借り上げている。なお状況に応じて帯域の割り当てを変更することができる仕組みになっており、東日本大震災ではディジタル準動画伝送・干渉波調査の帯域を、個別通信の帯域として割り当て、個別通信(電話・FAX)の急増に対応した。 過去の使用衛星としては、SUPERBIRD B1を2000年秋頃まで、SUPERBIRD B2を2016年12月まで使用。SUPERBIRD B3の打ち上げが延期されたことから一時的に予備衛星であるJCSAT-16(2016年8月打上げ)の使用を経て、2018年7月からSUPERBIRD B3に移行した。 衛星地球局 第1・2世代システム東京局:東京都千代田区平河町2-6-3 都道府県会館15階 山口管制局(主管制局):山口県山口市宮野上1612-1 美唄管制局(副管制局):北海道美唄市茶志内町3区 美唄ハイテクセンター1階 第3世代システム集約局 主局:神奈川県横浜市緑区三保町229-1 スカパーJSAT横浜衛星管制センター 集約局 副局:山口県山口市荻町3-1 スカパーJSATスーパーバード山口ネットワーク管制センター なお「管制局」は、通信衛星を管理する場所ではなく、防災通報網の拠点・送信所(VSATシステムの地球局)のことである。 このほか、政府・地方自治体ほか防災関連機関の施設にも2006年時点で約5,500の地球局(陸上局・移動局)を設置しており、地上通信回線網の故障時も緊急通報ができる体制を取っている。さらに一部の官公庁や災害対策基本法指定機関となっている民間事業所においては、地球局を設置せず、ディジタル映像伝送のチャンネルの視聴用の設備のみを設置している場合もある。 提供サービス種類内容個別通信地域衛星通信ネットワーク内の2地球局間において、音声・FAX・データの通信を行う 直通通信あらかじめ登録した地球局からの要求により、当該局と他の地球局間に直通の回線を設定する 一斉指令個別通信回線とは別に各都道府県及び消防庁に固定に割付けされる回線を利用して音声、FAX又はデータによる一斉指令を行う 委託同報山口管制局に依頼して個別通信回線とは別に固定割付けされる一斉指令回線により、都道府県庁局及び政令指定都市局にあててFAXにより同報する ディジタル映像伝送(第二世代システム)ディジタル方式により映像の伝送を行う ディジタル準動画伝送64kbps又は384kbpsの情報速度による画像の伝送を行う パケット型データ伝送各都道府県内通信専用に固定割付けされる回線によりパケット型データの伝送を行う 即時系IP型データ伝送(第二世代システム)毎秒32キロビットから毎秒8,192キロビットまでの情報速度のIP型データ伝送 予約系IP型データ伝送(第二世代システム)予約により毎秒32キロビットから毎秒8,192キロビットまでの範囲内で特定の情報速度でのIP型データ伝送 帯域保証型IP型データ伝送(第二世代システム)毎秒32キロビットから毎秒8,192キロビットまでの範囲内で帯域保証(Quality of Service)された特定の情報速度でのIP型データ伝送 ヘリサット映像伝送ヘリコプター局からヘリサット受信設備を有する地球局に対する映像の伝送及びヘリコプター局とヘリサット基地局との間において音声通信を行う 直通通信・パケット型データ伝送・帯域保証型データ伝送・予約系IP型データ伝送以外の利用料金は、無料。ただし別途、山口管制局設備利用料(年間定額制)が、また東京局を使用する場合は東京局設備使用料(従量制)が必要。
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