反対運動とその反響とは? わかりやすく解説

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反対運動とその反響

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/08 13:59 UTC 版)

FUTURE WAR 198X年」の記事における「反対運動とその反響」の解説

制作準備段階だった1981年2月東映動画労働組合本作準備台本1冊を入手し、これがコピーされ職場回覧される。現場従業員からは「戦争カッコよくしかもリアルに描かれ危険」という意見出され組合教職員組合PTAにも呼びかける形で反対運動開始した。この運動同年4月3日朝日新聞に「組合本作一切製作協力拒否会社側に通告」という形で掲載され、この記事関心寄せた団体日本母親大会」が反対運動参加5月15日には日本母親大会東京都教職員組合、「日本子どもを守る会」など38団体日本教育会館集会開いて戦争アニメを作らせないようにしよう」というアピール採択し7月17日に「『198X』に反対する会」が結成された。 アニメ雑誌アニメージュ』は本作完成が近づいた1982年4月号で「FUTURE WAR198X年きみたちはどう見るか!?」という記事掲載したその内容は、本作最高責任者製作総指揮)である東映渡邊亮徳常務芸能評論家加東康一質問する形での対談と、アニメ監督勝間田具治東映動画労組副委員長、子ども調査研究所長高山英男日本母親大会事務局長談話並べた「私はこう思う!」と題したコメント集からなっていた。対談の中で渡邊は「”動くゲルニカ”を作ってやろうと思った」「第三次世界大戦起こったらどうなるのかを観客提示することが、ほんとうの意味で平和へ示唆になる」と製作理由述べている。また、アニメリアリティが出るのかという加東質問には「生頼範義イラストへの起用とコンピューター・アニメ(原文ママ)でリアリティ出そうとした」と答えている。渡邊はそれらも含めた制作費を6億円と明かし、フルオーケストラ音楽使用フランスの有名デザイナーへの衣装デザイン発注などもおこなった述べている。当時の「右傾化傾向延長ではないか現実の世界大戦想定した作品中高生という「子ども」に見せるのは危険ではないかという加東問いに対して渡邊戦争映画右傾化ではない、悲劇描いており、なぜ未来を描いて右傾化」になるのかと答え、「絶対好戦映画にはしてありません」と述べた。 「私はこう思う!」では勝間田自分にも戦争体験があり好戦的作品絶対に作らない発言する一方組合副委員長作品に平和へ尊厳がない、スタッフ中にも生活のために「いやいややっている」人がたくさんいると述べ高山英男は「台本には平和の志がないが、組合側も平和を望むなら実力行使でもして止めるべき」と両者批判するとともに作ること自体には反対ではないが自分の子どもには見せないコメントした監督舛田利雄は、組合ボイコット受けて作品内容をより平和を希求する方向修正した後年回想しており、上記記事で「日本母親大会」の事務局長自分たちが反対の声を上げたことで、シナリオ内容がどんどん変わった述べている。 当時、『アニメージュ』にエッセイ「月づきの雑記帳」を連載していた安彦良和は、次の5月号でこの話題触れ、「まじめな反戦映画になるだろうなどとは全然思わないそういうものを目指し企画されたとも思っていない」と述べた上で、「大変月並み通俗マト得ていない(原文ママ政治認識あたかも最もシビア現実あるかのように錯覚してその上に物語築いてしまったこと」を「(本作が)犯してしまった最大間違い」と批判した。さらに、アニメリアリズムは「ウソかたまり」であるアニメをそれらしく見せるための手段に過ぎず戦争を真剣に考えるためのフィルムとしてはアニメ不適であると指摘している。また、衣装デザイナー生頼範義イラスト起用などを「大ゲサ趣味」と評し、「百歩譲って現実政治素材としてリアリズム反戦謳うというモチーフがありえたとしても、その作品は多分6億円などという法外な製作費は必要とはしないはずだ」と述べている。渡邊の「アニメゲルニカ発言には「偽善ニオイ」を嗅ぎつけて反感おぼえたという。安彦はこのエッセイ最終回で、この回の内容対す反響多くが「あなたの言うことはわかったからそれが正しかどうか自分考えてみる」という真摯なのだったことが嬉しかった記した

※この「反対運動とその反響」の解説は、「FUTURE WAR 198X年」の解説の一部です。
「反対運動とその反響」を含む「FUTURE WAR 198X年」の記事については、「FUTURE WAR 198X年」の概要を参照ください。

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