南満洲鉄道の設立とは? わかりやすく解説

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南満洲鉄道の設立

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 15:38 UTC 版)

桂・ハリマン協定」の記事における「南満洲鉄道の設立」の解説

南満洲鉄道」も参照 1906年11月ロシアより委譲された東清鉄道長春旅順線(南満洲支線)の経営に当たる南満洲鉄道株式会社半官半民によって設立され初代総裁には台湾総督府民政長官だった後藤新平任じられた。資本金は2億円であった。しかし、政府日露戦争戦費の処理と軍拡財源捻出苦しんでおり、巨額資金を出すことはできなかった。 政府は、1億円をロシアから引き継いだ鉄道とその附属財源および撫順炭田煙台炭田などの現物出資となった残り1億円は、日清両国出資とされたが、満鉄設立不当とする清国参加せず民間からの投資日本での株式募集2000万円、のこり8000万円外資による社債賄うこととした。当時日本人満鉄寄せた期待大きく第1回株式募集では99,000募集に対して1億余り応募殺到し倍率は1,000倍を超えた一方外債募集は、1907年から1908年にかけて3回にわたり、もっぱらイギリス市場求められた。イギリス調達したのは600ポンド(約6000万円)であり、フランス市場ではフランス政府支援があったにもかかわらず条件合わず外債募集不成立終わった政府による事業資金日本興業銀行から社債などのかたちで投資され南満洲鉄道への投資は同銀行対外投資総額の約7割を占めていた。ところが実は、興業銀行関係対外投資74パーセント輸入外資頼っており、その主たる資金調達先は英米両国であった。その点では英米金融資本への従属生じており、一見資本輸入による資本輸出」というべき逆説的な状況みられる一方清国満洲善後条約日本獲得した利権無力化を図って行動したため、日清間では次々と紛争生じた具体的には、 清国側が新奉鉄道新民屯 - 奉天)の奉天停車場奉天付近に移し途中で満鉄線を横断する計画満鉄打診したが、日本貨物流通ルート変わり満鉄打撃を受けるとしてこれを拒否したアメリカ奉天総領事ウィラード・ディッカーマン・ストレイトが奉天巡撫唐紹儀促してイギリスポーリング商会新法鉄道新民屯 - 法庫門(中国語版))の工事請負契約結んだことに対し日本側が抗議した撤去予定大石橋中国語版)・営口鉄道について貿易港である営口満鉄連絡線として重要であるため、清側にその存続認めさせる日本経営していた撫順煙台炭坑権利不明確であるとして、経営をつづけるために権利確固としたものに改める件 安奉鉄道沿線鉱山採掘について日清両国人の合同事業とする件 などであった。この件は第1次西園寺内閣においては解決をみず、第2次桂内閣へと持ち越された。 後藤新平満鉄総裁推挙したのは、台湾総督在任のまま満洲軍総参謀長1906年4月11日より陸軍参謀総長となった児玉源太郎であった後藤は、当初満鉄総裁就任固辞していたが、後藤にとっては恩人であった児玉1906年7月急逝したので、これを天命考え児玉遺志引き継ぐ決心をして総裁職引き受けたといわれる後藤台湾経営での辣腕ぶりが評価され低コストでの満洲経営山縣伊藤らの元老立憲政友会西園寺公望原敬ら)といった人びとからも期待された。日露戦争後満洲は、いわゆる三頭政治」(関東都督府奉天総領事館南満洲鉄道)と称される状況のもとで経営主導権争われていたが、日本の領土ではない純然たる清国主権のもとで植民地経営をおこなおうとすることにそもそもの要因があった。後藤には「三頭政治」の解消と「自営自立」の実現期待されのである総裁となった後藤は、さっそく積極的な経営展開し部下中村是公とともに戦争中狭軌直したレール改築をともなう満鉄全線国際標準軌化や大連奉天間の複線工事撫順線と安奉線改築工事急ピッチで進め一方あわせて撫順炭坑拡張大連港拡張上海航路開設鉄道附属地内各都市社会資本整備などを強力に推し進めた。 こうして、満鉄国策遂行する株式会社位置づけられ、その機軸においては文飾武備」が唱えられた。すなわち、満鉄単なる鉄道会社ではなく満洲の地で教育衛生学術など広義文化的諸施設駆使して植民地統治おこない、緊急の事態には武断行動援助する便を講じることができるということ方針としたのであり、このようなことから創業当初から満鉄調査部組織され調査活動重視されたのであった

※この「南満洲鉄道の設立」の解説は、「桂・ハリマン協定」の解説の一部です。
「南満洲鉄道の設立」を含む「桂・ハリマン協定」の記事については、「桂・ハリマン協定」の概要を参照ください。

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