ほくさいまんが〔ホクサイマングワ〕【北斎漫画】
北斎漫画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2024/03/10 16:54 UTC 版)
『北斎漫画』（ほくさいまんが、旧字体：北齋漫畫）は江戸時代後期の浮世絵師、葛飾北斎による画集である[2]。文化11年（1814年）から北斎没後の明治11年（1878年）まで、全十五編[注釈 1]が断続的に刊行された[2]。人物、動植物、風俗、職業、市井の人々、建築物、生活用具、名所、名勝、天候、故事、説話、歴史上の人物、妖怪、幽霊など4,000点[注釈 2]を超える様々な主題の図版が絵手本の用途で収録され、総頁数は970を数える[5]。『冨嶽三十六景』とともに北斎の代表作のひとつに挙げられ[6]、欧州を中心とした日本国外でも『ホクサイ・スケッチ』の名で親しまれており、多くの芸術家に影響を与えた[7]。
注釈
- ^ 日本人最初の北斎研究家と言える飯島虚心は、北斎没後に編集・版行された『漫画』十四・十五編は、正規なものと認めていない[3]
- ^ 絵図の数え方により揺らぎ有り。例えば尾崎周道は3,191点としている[4]。
- ^ 和装本の単位で、表裏の2ページで1丁とする[11]。
- ^ 『北斎漫画3』[23]では刊行年不明とされているため、永田の『『北斎漫画』の研究 』の記述に倣う[24]。
- ^ 牧墨僊は北斎の門人とされるが、その時期がいつだったかについては井上和雄らによる文化9年の逗留によって初めて入門したとする説と、相見香雨らによる逗留前より門人であったとする説などで見解が分かれており、確定していない[33]。
- ^ 現代の名古屋市中区栄にあたる[34]。
- ^ 儒学者細井平洲に師事した尾張の藩士で、牧墨僊と深い親交があったとされる[36]。
- ^ 複数の版元が共同で出版するシステムで、主体となる版元が資本を出し、版権を持つ[46]。二編以降は角丸屋と永楽屋で共同出版した[42]。
- ^ 十一編と十四編の刊行年は不明[24]。
- ^ 永田は十四編の明治刊行説は否定的な立場を取っており、紙質が幕末期のものであるなどのいくつかの根拠より明治以前ではないかと指摘している[54]。
出典
- ^ a b 江戸東京博物館. “北斎漫画 初編”. 江戸東京博物館デジタルアーカイブス. 東京都歴史文化財団. 2023年12月27日閲覧。
- ^ a b 『北斎漫画』 - コトバンク
- ^ 飯島(鈴木校注版) 1999, pp. 128-129、246-247.
- ^ a b c d e f g 尾崎 1968, p. 101.
- ^ a b 北斎漫画1 2010, p. 6.
- ^ 『葛飾北斎』 - コトバンク
- ^ 榎本 2005, pp. 42–43.
- ^ 北斎漫画1 2010, p. 5.
- ^ 永田 1976, p. 15.
- ^ 永田 2010, p. 329.
- ^ 『丁』 - コトバンク
- ^ a b c 北斎漫画3 2011, p. 246.
- ^ 北斎漫画3 2011, p. 249.
- ^ 北斎漫画3 2011, p. 255.
- ^ 北斎漫画3 2011, p. 259.
- ^ 北斎漫画3 2011, p. 262.
- ^ a b 北斎漫画3 2011, p. 266.
- ^ 北斎漫画3 2011, p. 274.
- ^ 北斎漫画3 2011, p. 278.
- ^ 北斎漫画3 2011, p. 282.
- ^ 北斎漫画3 2011, p. 286.
- ^ 北斎漫画3 2011, p. 291.
- ^ a b 北斎漫画3 2011, p. 295.
- ^ a b c d 永田 1976, p. 24.
- ^ 北斎漫画3 2011, p. 299.
- ^ 北斎漫画3 2011, p. 303.
- ^ 永田 2000, pp. 77–78.
- ^ a b 尾崎 1968, p. 102.
- ^ 尾崎 1968, p. 103.
- ^ 尾崎 1968, p. 104.
- ^ 永田 2017, pp. 65–66.
- ^ a b c 永田 1976, p. 3.
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- ^ 永田 2000, p. 73.
- ^ 磯崎 2021, p. 90.
- ^ a b 永田 1976, p. 7.
- ^ 永田 1976, p. 4.
- ^ a b 永田 2010, p. 325.
- ^ a b 内藤 2017, p. 25.
- ^ 練馬区立石神井公園ふるさと文化館 2020.
- ^ 永田 2000, p. 72.
- ^ a b c 磯崎 2021, p. 88.
- ^ a b c 永田 1976, p. 8.
- ^ 永田 2000, p. 74.
- ^ 永田 2010, p. 321.
- ^ 永田 2010, p. 326.
- ^ 永田 2000, p. 77.
- ^ 永田 2010, pp. 326–327.
- ^ a b 永田 2010, p. 327.
- ^ 永田 1976, p. 25.
- ^ a b 永田 1976, p. 26.
- ^ 永田 1976, p. 27.
- ^ a b c 永田 1976, p. 29.
- ^ a b 永田 1976, p. 30.
- ^ 永田 2010, p. 328.
- ^ a b 永田 1976, p. 11.
- ^ 永田 2010, p. 330.
- ^ a b 小川敦生 (2017年11月4日). “世界の画家の手本になった『北斎漫画』”. 日経ビジネス. Nikkei Business Publications. 2023年3月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月3日閲覧。
- ^ 鈴木 2020, p. 242.
- ^ 永田 1990, p. 152.
- ^ 津田 2008, p. 445.
- ^ a b 永田 2011b, p. 316.
- ^ 永田 2011b, p. 317.
- ^ 永田 2017, pp. 9–11.
- ^ 永田 2011b, pp. 317–318.
- ^ 横尾 2011, p. 322.
- ^ 横尾 2011, p. 325.
- ^ しりあがり 2011, p. 342.
- ^ 浦上 2011, p. 333.
- ^ 稲賀 2000, p. 122.
- ^ 鈴木 2020, p. 250.
- ^ 鈴木 2020, p. 273.
- ^ “横山裕が葛飾北斎役に挑む主演舞台「北齋漫畫」上演決定、演出は宮田慶子”. ステージナタリー. ナターシャ. (2019年3月11日) 2023年9月30日(UTC)閲覧。
- ^ “緒形拳、田中裕子、西田敏行がユーモラスな演技を見せる映画「北斎漫画」”. ホミニス. スカパーJSAT. (2023年9月22日) 2023年9月30日(UTC)閲覧。
- ^ “映画 北斎漫画 (1981)について”. allcinema. スティングレイ. 2023年9月30日(UTC)閲覧。
[続きの解説]
北斎漫画
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詳細は「北斎漫画」を参照 全15編。図数は約4,000とされる版本（彩色摺絵本）。北斎54歳、画号・戴斗の頃（1814年〈文化11年〉）に初編。初めは絵手本（絵師見習いや職人の意匠手引書）として発表されたものであったが、一般にも広く受け入れ、当初は続きものではなかったが、都合第十五編まで版行された。職人や道具類、ふざけた顔、妖怪、さらには遠近法まで、多岐にわたる内容が含まれる。「#作品画像の10」も参照。
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