初編
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/28 21:49 UTC 版)
[朝湯の光景]中風の豚七がまわらぬ口で湯屋の戸を叩く。額を抜いた22、3の男と楊枝をつかいながらやって来る若者がいる。彼らはよいよいをからかう。湯屋の戸が開く。豚七は石榴口から入って鼻歌を歌う。70くらいの隠居がやって来る。浴客のぴんすけと昨夜の地震の話をする。客がだんだん入ってきて混んでくる。子供連れの40男がいる。徳蔵と金兵衛は昨夜はどこに行ったなどと語り合う。隠居と医者が話す。八兵衛と松右衛門が地主の零落した話をする。田舎出の三助が十能に火を入れてやって来て、ヤマノイモがウナギになったことを田舎言葉で話す。風呂のなかで豚七が湯気にのぼせて目を回し、大騒ぎ。 [昼時の光景]風呂のなかで羽目を叩いて、「うめろ」という。老人がぶつぶつ小言を言う。江戸の風呂をまだ知らない西国者が、たらいに浸してある人のふんどしで顔を洗う。上方者がそれを見て笑う。 [午後の光景]子供などおおぜいが手習いから下ってわいわい騒いだあとに喧嘩になる。一方では芝居のうわさをしている子供たちがいて、歌川豊国の絵を褒めている子供たちもいる。生酔いがやって来て番頭を困らせる。階上では5、6人で将棋をしている。風呂の中で仙台浄瑠璃をやっている座頭連中がいる。生酔いがやって来て、座頭の小桶を隠してからかう。勇みが見かねて生酔いを追い出すなど騒々しい。
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