ロイヤリティ
英語:royalty
ロイヤリティとは、特許権・商標権・著作権などの使用料のことである。
英語のroyaltyは、形容詞のroyal(王権の下にある)に接尾辞-tyがついた名詞で「王室」「王権」といった用法が第一義である。日本語における「ロイヤリティ」の語には、「王室」「王権」といった用法はほぼ見当たらず、むしろ「特許権使用料」や「著作権使用料」を指す意味で用いられる。
ロイヤリティとは、最初に発明・発案・創作した人に対して支払う対価である。ロイヤリティは名詞的用法で用いられる。具体的には「ロイヤリティを支払う」や「ロイヤリティが発生する」といった使われ方がある。特許権や商標権、著作権などがかからないことを「ロイヤリティフリー」という。
ロイヤリティの意味の中には「印税」も含まれるが、ロイヤリティが著作権等の権利を使用する個人・法人が著作権等の権利を持っている個人・法人に支払うのに対し、「印税」は書籍や音楽などを管理する出版社や音楽会社が作者に報酬の一部として支払うものである。
ロイヤリティは、「ロイヤリティー」や「ローヤリティー」と表記される場合もある。ロイヤリティと綴りも発音もよく似ているロイヤルティ(英: loyalty)は「忠実」や「誠実」といった意味合いで「彼は会社へのロイヤリティが高い」といった使われ方をする。
「ロイヤリティ/ロイヤルティ」のカタカナ表記にはしばしば揺れがある。例えば、店舗に対する信頼や愛着の度合いを「ストアロイヤリティ(英: store-loyalty)」というが、この場合は「loyalty」の意味合いで「ロイヤリティ」とも「ロイヤルティ」とも表記される。
カタカナ表記における「ロイヤリティ/ロイヤルティ」が「royalty/loyalty」のどちらを指すのかという定義は明確には決まっておらず、意味合いも文脈で判断することが多い。
ロイヤリティ
英語:royalty
「権利の使用料」を意味する英語。もっぱら、特許や著作物を利用する者が権利の所有者へ支払う使用料を指す。たとえば音楽業界においてレコード会社が歌手や作詞作曲者へ支払う印税などはロイヤリティに該当する。
権利者の指定した範囲内に限りロイヤリティの支払いを免れる仕組みを「ロイヤリティフリー」という。また、フランチャイズ形式の店舗運営において、本部が店名や運営ノウハウを利用する見返りとして加盟店から徴収する対価を「ロイヤリティ収入」と呼ぶことがある。
英語には「ロイヤリティ」あるいは「ロイヤルティ」のように発音する単語が「royalty」と「loyalty」と2つある。マーケティングの分野などで用いられる「顧客ロイヤリティ」のような用語の「ロイヤリティ」は「loyalty」ある。「royalty」ではない。
ロイヤリティ(royalty)と似たものごとを指す語として「ライセンス」あるいは「ライセンス料」(ライセンスフィー)が挙げられる。ライセンスは「使用許諾」を特許で生じる使用料に対し、ロイヤリティ料は特許を含む様々な権利を包括した使用料を指す。
ロイヤリティー【loyalty】
ロイヤリティー【royalty】
ロイヤルティ(ロイヤリティー)
ロイヤルティー
(ロイヤリティー から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/05 01:40 UTC 版)
ロイヤルティー(英: royalty)とは、特定の権利を利用する利用者が、権利を持つ者に支払う対価のことで、主に特許権、商標権、著作権などの知的財産権の利用に対する対価をいう。特に、著作権に対する対価は印税ともいう。実施料やライセンス料とも呼ばれる。日本語では本来の綴り・発音から離れたロイヤリティーということも多い。
語源
ロイヤルティー(英: royalty)の語は、もともと王位または王の権利の意である。英語では、権利を持つ者に支払う対価の意味で用いる場合には、複数形(英: royalties)にすることが多い。
具体例
特許権
通常は、特許権者から特許の専用実施権の設定(特許法第77条)、または、通常実施権の許諾(特許法第78条)を受けた者が、その対価として特許権者に対して支払う実施料を指す。
例:
- 実施許諾を受け製品化した企業(実施権者) → 発明家(特許権者)
商標権
通常は、商標権者から商標の専用使用権の設定(商標法第30条)、または、通常使用権の許諾(商標法第31条)を受けた者が、その対価として商標権者に対して支払う使用料を指す。
例:
- フランチャイズオーナー(フランチャイジー) → 商標管理企業(フランチャイザー)
著作権
通常は、著作権者から著作物の利用の許諾を得た者(著作権法第63条)が、その対価として著作権者に対して支払う利用料(いわゆる印税)を指す。一方、著作者が著作権を譲渡する際の対価は、一般にはロイヤルティーとは呼ばれない。
例:
- 音楽(楽曲): レコード会社、テレビ局、ラジオ局、公演主催者、カラオケ事業者 → 著作者・著作権者(作詞家、作曲家、音楽出版社)
- 音楽(原盤): レコード会社、テレビ局、ラジオ局 → 著作隣接権者(レコード会社、音楽出版社、芸能プロダクション、アーティストなど)
- 出版物:出版社 → 著者(作家、小説家、著述家など)
日本の場合、著作物の利用料は、著作権者自身が徴収するのではなく、集中管理事業を行う団体によって徴収されることも多い。代表的な団体としては、日本音楽著作権協会(JASRAC)や実演家著作隣接権センター等があるが、このような団体が中間に入ると、手数料を名目とした金銭の中間搾取が発生し、著作権者の取り分が減ることになるため、著作権者によってはJASRACなどいかなる法人や団体も介さず、自ら著作権を管理するケースもある。
脚注
関連項目
ロイヤリティー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 02:48 UTC 版)
「コンビニエンスストア」の記事における「ロイヤリティー」の解説
店舗経営者から本部に支払われるものはロイヤリティーのみが原則で、本部は商品提供(仕入代行)、会計代行、店舗什器、POSシステム・レジスター端末などの機器の提供(レンタル)、各種システムの構築、企画、宣伝、店舗運営指導などを受け持つ。ロイヤリティーはいくつかの名目(店舗数など)で減額されるが、粗利の50%と、かなり高額である。粗利とは売上額からその名目上の仕入原価を除いたものであり、利益とは異なる。ファーストフードなど店内調理品の場合は本来の原価よりかなり低い額が原価として設定される。 ロイヤリティーの率はチェーンによって違いがあり、店舗物件の所有形態、導入機器の違いなどによって率はさらに大きく異なる。店舗経営者が店舗や内装を所有する場合は大手チェーンの場合で粗利の35%ないし45%であり、特別に低い条件でも30%程度である。リース機材が多いチェーンでは機材レンタル費などの形ではあっても実質的に本部に払う金額がより高くなることも見られる。 近年は[いつ?]新規開業者の多くは店舗などを所有していない場合が普通だが、この場合ロイヤリティーの率も高くなり、50%を大きく超えることが多い。このようにコンビニエンスストアの場合、粗利の大きな部分がロイヤリティーとして支払われるため、単純な売上のみで店舗の経営状態は判断できない。フランチャイズ・ビジネスが日本にあまり定着していない時代において、共同経営にも似たこのロイヤリティー率は「共存共栄」という言葉で説明されていた。 2009年、セブン-イレブンは、公正取引委員会から本部担当者が期限前の値引きを行う「見切り販売」を不当に制限したとして独占禁止法違反(優越的地位の乱用)で排除措置命令を受け、廃棄ロス原価のうち15%を本部が負担する支援策を発表した。
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