フランス革命の志士たち
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「ナポレオン -獅子の時代-」の記事における「フランス革命の志士たち」の解説
ミラボー ナポレオンが誕生した年、フランス軍コルシカ島攻略部隊の将校として登場。後のフランス革命初期において立憲王政を主張するフイヤン派の指導者として辣腕を振るい、ロベスピエールらの国王処刑には反対する。後の議会で、コルシカ島から亡命していたパオリの恩赦とコルシカ島への帰還を認めさせる。 死の直後、パンテオンに埋葬されるが、8月10日事件の際に国王との密約が明るみに出たため、遺体は民衆の手でゴミ捨て場に投棄された。 別名「疱瘡の虎」。ロベスピエール曰く「ヤリチン」。 ロベスピエール 声 - 銀河万丈 ジャコバン派の領袖で、革命の勃発から恐怖政治期までの期間における、フランス最強の男。特定の人物ではなく市民と革命を愛するが故に、童貞である。エベール派・ダントン派を粛清した後、さらに恐怖政治を加速させるが、他の議員の反感を買い、テルミドールのクーデターで失脚、処刑される。その最期まで私情に囚われず、全ての者が平等に語らう社会の実現を望んでいた。 ルイ16世の戴冠式の帰途、ラテン詩での祝詩を送った少年時代の思い出を懐かしく回想しておきながらその直後に、ルイ16世の処遇を「死刑」と即断で宣言するシーン、サン・ジュストに「私は」「童貞だ」と打ち明けるシーンは、作中の名場面の一つに数えられる。 肖像画では省かれているものの、実際には着用していたという色眼鏡が特徴的な風貌である。この色眼鏡はサン・ジュストを介して、ナポレオンの手に渡ることになる。 15巻でのシェイエスの回想で再登場し、さらにカバー裏には雑誌掲載時の処刑シーンが復刻掲載されている。 ロラン夫妻 ジロンド派。夫は内務大臣。妻であるロラン夫人は「ジロンド派の女王」とまで呼ばれ、実質的なジロンド派の指導者であったが政争により刑死。夫は逃亡先で妻の死を知り自殺した。 クートン ロベスピエールの同志。足が麻痺しているため、常に車椅子に乗っている。公会に反旗を翻したリヨンに派遣されるが、処罰が甘いとしてフーシェに取って代わられる。テルミドールのクーデターの際は大砲や爆弾を装備した車椅子で兵士と戦い、最後はバラスを巻き込んで自爆した(クートンが車椅子に乗っていたことは史実通りだが、武器は仕込まれていない)。 ダントン ジャコバン右派。恐怖政治の停止を求めるが、ロベスピエール一派によって逮捕に追い込まれる。裁判では豪胆な演説で市民を味方につけるが、結局同派のデムーランと共にギロチン送りとなった。 怪力で、さらには愛妻家として描かれており、夜中に妻の死体を掘り起こして抱きしめるシーンがある。 エベール ジャコバン左派。マリー・アントワネット処刑を推進した人物。民衆の食料問題に取り組み(それ以上の問題は理解できていないが)、『デュシェーヌ親父』という新聞を発行し、下層市民の支持を得る。公安委員会・ロベスピエール一派への蜂起を促したが失敗、逮捕に追い込まれ、最後は泣きわめきながら処刑される。罪状はシャツの窃盗。 ラヴォアジェ 酸素を発見した著名な科学者。メートル法を考案し革命政府に貢献したにも関わらず、冤罪で刑死した。 マラー ジャコバン派議員で、元医者。皮膚病を患っており、常に痒みに苦しんでいる。薬湯での治療中、シャルロット・コルデーによって暗殺される。 シャルロット・コルデー ジロンド派に同情し、入浴中のマラーを刺殺した若い女性。殺人犯とは思えぬほどの清楚な美貌の持ち主。彼女の首をひっぱたいたため、ビクトルはサンソンから解雇された。 フーキエ・タンヴィル 革命裁判所検察官。デムーランの縁戚。慈悲のない裁きで多くの市民から恐れられる。テルミドールのクーデター後にジャコバン派が没落すると自身も裁判にかけられ、処刑される。刑場へ向かう途中、家族への手紙を託そうと市民に声をかけるが、誰にも相手にされなかった。 カリエ ナントの派遣議員。ナントで独裁官として振る舞い、多数の住民を虐殺したり(兵士と僧侶を乗せた船を、船ごと沈めて大量処刑する)溺死刑を行うなどの残虐行為を行い、ロベスピエール派に咎められ逮捕される。 本編中ではバラスの話の中でのみ登場するが、彼の逮捕はトゥーロンやリヨンで同様の残虐行為を行ったバラスやフーシェに身の危険を強く意識させ、テルミドールの反動の原因の一つとなる。なお、史実ではカリエはテルミドール反動後に処刑されている。 タリアン 国民公会議員。牢獄に入れられた妻を助けるためにロベスピエールを告発し、クーデターのきっかけを作る。しかしその後は没落し、妻にも見捨てられ、酒に溺れていたところをサン・ジュストによって暗殺されてしまう。史実では死亡しておらず、東方遠征にも同行している。 サンソン パリの死刑執行を担当する死刑執行人(ムッシュ・ド・パリ)。恐怖政治下、数多くの人の処刑を実行するが、本人は心優しい人物でシャルロット・コルデーとの交流時などにその性格の片鱗がうかがえる。しかし、ダントンからは「人間ではなくギロチンの部品」と吐き捨てられている(故に怨みを買うこともなければ、気に病む必要もないという皮肉)。政治的には国王を尊敬している王党派であり、ひそかに国王の追悼ミサを続けていた。 ビクトルは彼の助手を務めていたが、シャルロット・コルデーの切断された首を殴打したため解雇された。しかしその後もたびたびサンソンの世話になっており、ビストロを焼失し、倒れていたところを介抱されている。なお、史実ではテルミドールのクーデター後に息子に処刑人の座を譲り引退しているが、本作ではカトゥーダルを処刑している。 引退後偶然ナポレオンと出会った際、臆することなく質問に答えた。その数ヶ月後世を去った。
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