独裁官として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 16:20 UTC 版)
「ガイウス・ユリウス・カエサル」の記事における「独裁官として」の解説
多数の軍事的成功によるローマ国境内の安定化(後のパクス・ロマーナに繋がる)。民生の充実、および共和政から帝政への移行のため、政治・経済・社会等、諸制度の全面的な改革を行う。 ガリア・キサルピナ属州(現在の北イタリア地方)の都市計画並びに属州民へのローマ市民権付与。シチリアとガリア・トランサルピナ属州(現在の南フランス地方)住民へのラテン市民権の授与。 元老院議員をスッラ体制下の600人から900人に増員。中西部ガリアの部族長、属州のローマ市民、カエサルのケントゥリオ(百人隊長)などが新たに議席を得る。これによって元老院の権威は著しく低下し、カエサルの権威に対抗する存在はなくなった。新たな属州出身者の元老院入りは人材の多様性をもたらし属州のローマ化に大きな影響を与えた一方で、元来の議員の敵意を招いた。後継者アウグストゥスの時代には、内乱の混乱で1000人以上となっていたのを600人に戻し、属州出身議員の登用は後のクラウディウスの時代まで凍結された。 権力を独占し従来の政治の基本構造であった民会、護民官を有名無実化した。 金銀の換算率の固定化、国立造幣所の開設、利息率の上限を設定。 法務官(プラエトル)、財務官(クァエストル)、按察官(アエディリス)の増員。 同僚執政官(コンスル)の補佐役化。 地方議会の被選挙権の改正、解放奴隷への公職門戸開放。 属州の再編成(スッラ:10州→カエサル:18州)。属州議会の認知、税制の公正化(公営の徴税機関設置)。 ユピテル、ユーノー、ミネルウァをローマの主神とし、この神々を祭る日を休日とした。 センプロニウス法再興による元老院最終勧告の廃止。陪審員資格をパトリキ(貴族)・エクィテス(ローマ騎士)・プレブス(平民)といった「階級別」から、「40万セステルティウス以上の資産を持つローマ市民」へと改正。 小麦の無料給付者を15万人に半減。審査按察官の設置。 失業者と退役兵の植民先を属州に分散。カルタゴとコリントスを再興。 教師と医師へのローマ市民権の授与。 カエサルのフォルム建設、フォルム・ロマヌム、市街地の拡大などの再開発を進めるためにセルウィウス城壁を撤去した。そしてそれは「ローマの平和は国境防衛線で守られるものである以上、首都では防壁など不要である」という宣言でもあった。 干拓・街道の整備延長やほかの公共事業。 ローマ暦(太陰暦)を改正、ユリウス暦(太陽暦)を制定。これはのちにグレゴリオ暦が制定されるまで、1600年以上にわたってヨーロッパ各地で使われ続けることとなった。
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