解放奴隷
解放奴隷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/06/14 17:19 UTC 版)
『ヤシの葉』の最後の手紙2通はフロリダで新たに開放された奴隷を取り上げている。ストウが慣れているよりも大人しくはない2人の屈強な女性が書かれている。1人は畑の働き手が家庭内労働に変わったミンナという女性であり、ストウが家事はどのようにするか教えようとしても無駄だった。その発言があまりに歯に衣着せないものだったので、ストウは、「民主主義は彼女たち年取った黒人女性のある者よりも凶暴な形を取ると見なすことはない。彼女達は次の瞬間にそのために死ぬのであれば、王座に座る国王に長談義をするだろう。従ってミンナの背中は自由な発言に対する専制君主の答が書かれ、刻まれている。」と記している。ミンナは最後は野良に戻って幸せになった。もう一人はジュディであり、朝も昼もその夫と別れてくることに無頓着で楽しんでもいる。ストウは、彼女たちの労働倫理がお粗末な訓練によるものだとし、「奴隷制度によって取り込まれた怠慢」だとした。真に才能あり懸命に働く黒人労働者は家事労働から製造業に移っており、その労働に対して対価を要求できる、と記した。 ストウはミンナとジュディを幾らか鎮められた怒りを持って表現しているが、コモドア・ローズという川船の客室係は褒めている。ローズは元、船長が所有する奴隷だったが、船の事故が起きた時に船長の命を救ったことで自由の身にされ、解放後も船長のために働き続けていた。彼女はミンナやジュディと同様歯に衣着せないが、川のあらゆる場所に詳しく、岸沿いの家屋や場所、さらにその歴史まで知っていた。船とその客に関する彼女の知識は誰にも負けないものであり、乗組員や客は全て、あらゆる事について彼女の意見に敬意を表していた。 別の話では、ストウと夫のカルビンがマンダリンの港である男と出逢った。その男は政府から与えられた土地の多くを騙し取られていた。年寄りカジョーと呼ばれ、小さな家産で働き、長年綿花を育ててきていた。当初サウスカロライナ州からの元奴隷のコロニーを囲む地区におり、躊躇い勝ちで懐疑的だった年寄りカジョーとその仲間は、勤勉で正直だったので、隣人の白人に勝る者達だった。元は治安判事だった者が自分のために干渉して、年寄りカジョーの土地が彼に戻された。ストウの最後の章は、黒人がフロリダ州を荒野から文明に転換するために、建設を援けるべく雇われるべきという考え方を弁護するために使われている。彼らは暑い太陽の下で働くことに適合でき、マラリアにも強く、信頼に足り、学ぶことに大変熱心である。ストウは彼らの文化について興味ある観察に数ページを割いており、彼らの夜の祭や非公式礼拝の外で座っていることを漏れ聞いて詳述している。
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