ニホンイノシシ
和名:ニホンイノシシ |
学名:Sus scrofa leucomystax |
ウシ目,イノシシ科 |
分布:本州,四国,九州,淡路島に,リュウキュウイノシシ(S. s. riukiuanus)が奄美大島,徳之島,沖縄島,石垣島,西表島に分布している |
説明 本亜種が属する偶蹄目は,最も繁栄している動物群であり,イノシシ科,ラクダ科およびウシ科などに大別される。地上性で,よく走ることができ,前後肢とも,2または4の偶数本の指があり,第1指がなく,第2,5指が側蹄となっている。体重は第3,4指に均等にかかり,この両指が発達して蹄となっている。ニホンイノシシは,ユーラシアに広く分布するイノシシの亜種として扱われる。積雪の大井地方には生息せず,太平洋側の関東,東海と,比較的温暖な中国,近畿,指置く,九州に広く分布している。がっしりした身体を有し,毛衣は褐色もしくは暗黒色,鼻の先端は円盤状となりいわゆる鼻境を呈する。尾が長く,耳介は小さい。体重は成獣雄で50〜150Kg,雌で35〜110Kgと,地域変異が大きい。タケノコなどへの食害が顕著である。 |
ニホンイノシシ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 13:22 UTC 版)
ニホンイノシシ(日本猪、S. scrofa leucomystax /英語: Japanese wild boar)は、本州、四国、九州とその周辺にあるいくつかの島(淡路島、小豆島、五島列島など)に分布する。足が短く雪が苦手なため、豪雪地帯には分布しないとされてきたが、日本海側では平年値の積雪が2mを超える福井県の山間部にも出没するようになった。長野市、須坂市など長野県北部の市街地でも目撃され、人的な被害も報告されている。また、太平洋側では宮城県南部が分布域の北限とされていたが、近年は北上傾向にあり、同県仙台市の西部にある奥羽山系・泉ヶ岳の裾野での生息や仙台七夕用の竹の被害などが報告されている。 佐渡島には、本州の個体群から遺伝的に数十万年間隔離されていた個体群が存在した。また、伊豆諸島から出土するイノシシの化石には島嶼矮小化したと思わしい特徴が見て取れることから、過去に自然分布していたという指摘もある。 沖島には琵琶湖を泳いで渡ったイノシシが定住しつつあり、特産品のサツマイモを含む農作物への被害が深刻化している。 九州の離島でも本土や他の島から泳いで渡ったとみられるイノシシによる農作物への被害が相次いでいる。対馬においては江戸時代に農業被害に悩んだ対馬藩が9年間で約5千人を動員し約8万頭を駆除した。しかし平成になって、経緯は不明ながら野生イノシシが再定着している。 従来は「絶滅」と判断されてきた奥日光や北東北でも目撃件数が増え、東北では農作物被害も出ている。山形県は2003年発行の『レッドデータブックやまがた』で「絶滅」に区分したが、2017年度時点で、県内に3200頭(推定)生息しているとみられる。秋田県では、2012年2月に県南部の湯沢市内で初めて目撃され、2017年度の目撃は43件だったが、2019年度は1月21日までに69件目撃され目撃現場も北上しており、既に定着していると考えられる(同県自然保護課)。さらに北の青森県でも、西南部の深浦町で2017年8月に初めて確認された。2019年度は目撃情報が12月までに13件に上り、生息域が北上している。 イノシシによる農業被害は、農作物を食い荒らすほか、豚熱(CSF)を媒介することで畜産にも打撃を与えている。 本亜種は狩猟対象獣であり、農業被害の防止と食肉を得るという面がある。イノシシ肉の商品価値は食肉用として高く、他の野生鳥獣と比較しても人気がある。その結果、高い狩猟圧がかかるようになり、局所的な個体群の衰退も見受けられるが、逆に分布を拡大させている地域も多い。 体長は雄110〜170cm、雌100〜150cm、肩高60〜90cm、尾長30〜40cm、体重80〜190kg(岐阜市で約220kgもの雄個体が捕獲されたこともある)で、雌は雄よりも小さく性的二型が見られる。全身茶褐色から黒褐色の剛毛で覆われる。指の数は前後ともに4本で、2個の蹄を持つ。雌雄共に下顎の犬歯が発達して牙状になっており、雄は特に長い。雄の牙は生後1年半ほどで確認できるようになり、半月型に曲がった形で終生成長を続け、最大で15cmほどまでになる。上顎の犬歯も大きく、それが擦り合わさるよう下顎の犬歯が生えているため、常に研磨された状態の牙は非常に鋭い。ただ、この牙は後方に湾曲しているため、攻撃用というよりもむしろ護身用である。湾曲の度合いもブタと比べると緩い。 雑食性で、クズやヤマノイモなどの根やシイ類の堅果(ドングリ)、小動物(昆虫類やミミズ等)を捕食する。繁殖期は年1回(春頃)であるが、年2回出産することもある。
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