地域変異とは? わかりやすく解説

地域変異

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/19 01:10 UTC 版)

ニオイシュロラン」の記事における「地域変異」の解説

ニュージーランド産センネンボク属は、現在より温暖だった1500万年前頃(中新世)に熱帯域から流入して定着したのである地域気候地質に応じて、本種は場所によって異なった形質獲得している。この差異によって木全体の外見や、枝・葉・色・強靭さなどが異なるものとなっている。また、疫病昆虫攻撃対抗する生化学的な変異見られる北島マオリ語ではこれらの差異によって、本種は北部ではTītī・中央高地ではtī manu東部ではtarariki・西部ではwharanuiという4つ異なる名で呼ばれるノースランド地方個体遺伝的多様性大きく、古い系統残存示唆している。最も北の個体群細く柔らかな持ち植物学者Philip SimpsonはCordyline pumilio との雑種であるとしている。東部では、本種は細く真っ直ぐな暗緑色を持つ。だが、通常より幅広いを持つ個体もあり、これはノース岬とその近隣の島々に生育するCordyline obtecta との雑種であると考えられる。このタイプカリカリ半島からコロマンデル半島までの海岸見られるノースランド地方西部オークランド地方分布する tītī 型は、若いうちは非常に細く新しいカウリマツの森林一般的に見られる開けた場所では大型になり、細長い比較短く広いを持つ。 tī manu型は北島火山高原で見られ、背が高く頑丈比較分岐少なと、大きく真っ直ぐで強靭なを持つ。大きく放射状広がり高原の寒い冬に適応していることが示唆される成長した個体では、はより幅広くなる傾向がある。ワンガヌイ川上流沿って、状態の良い個体生育している。tī manu型は元々、溶岩火山灰軽石でできた開けた地域由来する可能性がある。タラナキ地方北部King Countryベイ・オブ・プレンティ地方低地でも見られる。 Tarariki型は北島東部イースト岬からワイララパで見られるマオリ人は特に、細く尖ったを丈夫で耐久性のある繊維として用いていた。この強靭な繊維はおそらく、この地域暑く乾燥した夏への適応である。ワイララパの一部では、は特に尖って頑丈で、葉身内側向かって巻いている。イースト近くではこれと対照的に柔らか垂れ下がるホーク湾では緑色幅広いを持つ個体見られ、マナワツ渓谷通じて東側にWharanui型が進入していると考えられる。 Wharanui型は北島西部見られる。これは長く幅広い柔らかい持ち、おそらく年中吹き続け西風適応している。 ウェリントン・ホロフェヌア・ワンガヌイで見られるタラナキ地方南部沿岸では少し形態異なり縮小した樹冠幅広く真っ直ぐなを持つ。Wharanui型は南島で最もよく見られる型でもあるが、多少変異はある。北島のものと同等の型は、キャンベル岬からキャットリンズ北部の、海岸から南アルプス山脈東側斜面見られるマールボロ地方のワイラウ渓谷では古いをつけたままにする傾向見られ乱雑な外見となる。この地域気候端で、夏は暑く乾燥し、冬は寒い。 南島タスマン地方では、気候土壌によって3つの生態型分けられる石灰岩断崖生育する型は、強靭な青緑を持つ。川岸平野生育する型は、背が高く樹冠の高さに変動があり、細く垂れ下がった暗緑色持ち北島イースト岬で見られるものに似ている。最も西側沿岸見られる型は、頑丈な幹と、幅広く青みがかったを持つ。この内2つの型ウェスト・コースト地方でも見られ垂れ下がったを持つタイプ湿潤肥沃な谷筋に、青みがかったを持つタイプ海風さらされた岩の斜面を好む。 南島オタゴ地方では、南に向かうほど個体数減少していき、キャットリンズ北部では見られなくなる。ワイカワからフィヨルドランド沿岸では再び見られるうになるが、これはWharanui型ではなく幅広い緑色大きく広がった樹冠を持つタイプである。このタイプ内陸の、氷河から流れ出す湛えた湖の周辺まで広がっている。若木成長は非常に早く、非常に寒い冬によく適応している。 28地点から集めた種子より育てた個体によって、葉の形状や寸法変化傾向調査されている。苗木成長とともに消失する赤褐色色素を持つが、この色素は南の個体ほど見られる頻度が高い。北から南に、低地から山地に向かうほど細く頑丈になる傾向示し、これは寒冷な気候への適応であると考えられる

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