トランスルーセント・ミラーテクノロジー搭載ソニーαシリーズ
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「α (カメラ)」の記事における「トランスルーセント・ミラーテクノロジー搭載ソニーαシリーズ」の解説
全く新しいコンセプトに基づく新シリーズ。従来のクイックリターンミラーの替わりに、固定式透過ミラーを用いている。これにより、ミラー動作にともなう振動による画質劣化がなくなり、オートフォーカスの追従性の向上や連写機能の高速化が技術的に容易となった。また、光学ファインダーの替わりに電子ビューファインダーを搭載している。そのため、この世代からは「一眼レフカメラ」ではなく、「一眼カメラ」と呼称が変わっている。 トランスルーセントミラーは約1/3段(約20%)の光の損失があり、面での乱反射が起こることがある。 α55とα33に搭載されたこの技術は、ヨーロッパで権威のある写真・映像関連の賞“TIPA” (Technical Image Press Association)のBEST IMAGING INNOVATION 2011を受賞している。その他に、オペレーティングシステムが第3世代までのμTRONから、Linuxに変更され、BIONZプロセッサが改良がなされている。新型番にはSLT(Single Lens Translucent )が使われている。 α55 (SLT-A55V)(2010年8月25日発売) - α のメインストリームに位置づけられ、最大毎秒AF追従10コマという当時の高級機を凌ぐ高速連写機能を中級機以下の価格で実現し、ベストセラーとなった。新開発の有効約1620万画素「Exmor(エクスモア)」APS HD CMOSセンサー、電子ビューファインダー、GPSを搭載。メニューが刷新され、Cybershot F828ベースになった。 α33(2010年8月25日発売) - ソニーα55の廉価版。有効画素数が1420万画素に減少、連写能力が最大毎秒7コマに減少、GPSが省略という違いがある。 α560(日本未発売) - ソニーα33と同じセンサーを採用した従来タイプの一眼レフカメラ。 α580(日本未発売) - ソニーα55と同じセンサーを採用した従来タイプの一眼レフカメラ。 α35(日本未発売) - ソニーα33の後継機種。有効約1620万画素に増加したが、LCDが固定になった。また、最大毎秒7コマの連写は中央800万画素のクロップに限定されている。全画素では最大毎秒5.5コマ。 α77(2011年10月14日発売) - ソニーα700の後継機種とされるが実際は1年前に発売されたα55のブラッシュアップ機である。最大毎秒12コマの高速連写が可能。新開発の有効約2430万画素「Exmor」APS HD CMOSセンサー、有機ELを採用したファインダー「XGA OLED Tru-Finder(トゥルーファインダー)」を搭載。AVCHD形式の1920x1080/60p・24pのフルハイビジョン動画撮影も可能。 α65(2012年1月27日発売) - ソニーα77の廉価版。連写能力が最大毎秒10コマに減少、3軸チルト液晶モニターがバリアングルチルト可動式モニターに変更という違いがある。 α57(2012年4月27日発売) -ソニーα55の後継機。有効約1610万画素。「テレコン連続撮影優先AEモード」時に、最大毎秒約13コマの高速連写が可能(全画素有効時毎秒10コマ)。動画撮影能力はα99と同等。 α37(2012年6月15日発売) -ソニーα35の後継機。有効約1610万画素。「テレコン連続撮影優先AEモード」時に、最大毎秒約7コマの連写が可能。 α99(2012年10月26日発売) - ソニーα900の後継機種だが、Aマウントであること・イメージセンサーのサイズ以外共通点はない。最大毎秒6コマの高速連写が可能(最大連続撮影枚数はα900同様25枚だがSD USH-Iに対応し25枚を超えた後の記録時間の低下は少ない)。新開発の超高感度有効約2430万画素「Exmor」35mmフルサイズ HD CMOSセンサー(α900に対して集光率1.5倍、ダイナミックレンジ・S/N比率は2倍)、有機ELを採用したファインダー「XGA OLED Tru-Finder(トゥルーファインダー)」、クロスセンサーを11点配置した19点位相差AFセンサーに加え、イメージセンサー上に位相差AFセンサーを埋めこんだ102点像面位相差センサー・デュアルAFを搭載。AVCHD形式の1920x1080/60p・24pのフルハイビジョン動画撮影も可能(動画撮影中のAFもデュアルAFにより追従し続ける)。アクセサリーシューにハンディカムと共通のマルチインターフェースシューを採用。α57以降削除されたGPS機能が復活。その他、過去モデルに搭載された機能・カメラ内アプリは全て盛り込まれ、デュアルコアBIONZプロセッサに画像処理の前処理を行うフロントエンドLSIを搭載、ノイズリダクション処理等の処理にかかる時間を短縮している。USB端子がサイバーショット時代のmini B端子に戻されている(それまでの最新モデルはmicro USB端子)。データ信号と映像信号は明確に分離され、映像はmini HDMI、データはmini USBで通信を行う(PCに接続する事でリモートコマンダー的な操作やタイムラプス撮影が行える)。HDMI信号はファームウエアアップデートにより常時同時出力が可能となっており、外部のHDMIレコーダー・クリップオンモニターに対応する。オーディオ入出力等は本体側面の端子以外にマルチインターフェースシュー経由で行う事も可能(オートロックシュー変換アダプタ同梱によりミノルタ時代のストロボも装着可)。Aマウントシリーズ最上位モデルとして細部に拘っており、防塵防滴設計、全ての開閉部にヒンジを設けるなど配慮されている。地域によってGPS内蔵モデルSLT-A99V、GPS非搭載モデルSLT-A99の2種類がある。 α58(2013年8月9日発売) -ソニーα57の後継機。有効約2010万画素、ソニーα65同様の有機ELファインダーを採用や、AF性能など向上したが、連続撮影が約5コマ/秒(テレコン連続撮影優先時最高約8コマ/秒)、液晶画面が2.7インチ46万ドット、マウントのプラスチック素材化、動画撮影機能からプログレッシブ記録が削除されるなど劣化した点も見られる。ソニーα99同様マルチインターフェースシューを採用。 α77 II(2014年6月6日発売) - ソニーα77の後継機。世界最多となる79点位相差AFセンサーを搭載し、画像処理には従来比で3倍の高速処理を行うBIONZ Xを採用。またAマウント機で初めてNFCとWi-Fiを搭載している。有効約2430万画素「Exmor」APS HD CMOSセンサー、有機ELを採用したファインダー「XGA OLED Tru-Finder(トゥルーファインダー)」を搭載。AVCHD形式の1920x1080/60p・24pのフルハイビジョン動画撮影も可能。2014年12月のアップデートで、XAVC S記録にも対応した。 α68(2016年4月発売 日本未発売) - 2015年11月5日に発表されたソニーα65の後継機。但し、2.7インチ46万ドットのチルト液晶や0.39インチ電子ファインダーなど随所の形状にソニーα58の名残も見られる一方、79点位相差AFセンサーを搭載した有効約2400万画素「Exmor」APS HD CMOSセンサーが搭載され、XAVC S記録にも対応したフルハイビジョン動画撮影も可能となっており、さらにはボディ右肩にサブ液晶が搭載されるなどソニーα77 IIに相当するスペックが搭載されている。 ソニーα99Ⅱ(2016年11月25日発売) - 2016年9月19日にフォトキナ2016(開催地ドイツ・ケルン)の開催前日、ソニー・カンファレンスにて発表。α7RⅡと同じく、4240万画素・最大ISO102400、裏面照射型フルサイズExmor R CMOSセンサー(ローパスフィルタレス)を搭載。AF/AE追従で12コマ/秒の連写が可能。AF79点で、像面位相差の399点AFセンサーと共同で動作するハイブリッド位相差AF。AFは-4EV対応。5軸手ブレ補正が搭載され、CIPA規格で4.5段分の効果がある。また、縦位置グリップはα77Ⅱ用のVG-C77AMが使用できる。
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