ダニエル・K・イノウエ国際空港とは? わかりやすく解説

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ダニエル・K・イノウエ国際空港

(ダニエル・イノウエ国際空港 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/14 00:28 UTC 版)

ダニエル・K・イノウエ国際空港
Daniel K. Inouye International Airport



IATA: HNL - ICAO: PHNL
概要
国・地域 アメリカ合衆国
所在地  ハワイ州
ホノルル
種類 軍民共用
拠点航空会社
敷地面積 1708 ha
標高 4 m (13 ft)
座標 北緯21度19分07秒 西経157度55分20秒 / 北緯21.31861度 西経157.92222度 / 21.31861; -157.92222座標: 北緯21度19分07秒 西経157度55分20秒 / 北緯21.31861度 西経157.92222度 / 21.31861; -157.92222
公式サイト https://airports.hawaii.gov/hnl/
地図
HNL
HNL
空港の位置
滑走路
方向 ILS 長さ×幅 (m) 表面
8L/26R YES 3,749×46 舗装
8R/26L NO 3,658×61 舗装
4L/22R NO 2,119×46 舗装
4R/22L YES 2,743×46 舗装
統計(2019年)
旅客数 2187万人
出典:ハワイ州統計[1]
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空港の一覧
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ダニエル・K・イノウエ国際空港(ダニエル・ケー・イノウエこくさいくうこう、英語: Daniel K. Inouye International Airport)は、アメリカ合衆国ハワイ州オアフ島ホノルル近郊にある国際空港。

旧名称はホノルル国際空港: Honolulu International Airport)であったが、2017年4月27日よりハワイ州出身で日系アメリカ人初の連邦上院議員となったダニエル・K・イノウエにちなむ現名称に変更された[2][3]

ハワイ州最大の都市であるホノルル、第2の都市であるパール・シティ真珠湾の南東に位置するハワイ州最大の国際空港で、オアフ島のみならずハワイの空の玄関口である。

概要

太平洋地域のハブ

アメリカとアジアオセアニアを結ぶ太平洋航空路の結節点に位置することから、アメリカの航空会社がアメリカ本土やアラスカ州アメリカ領サモアなどとの間の定期便を運航し、日本台湾フィジータヒチフィリピンカナダオーストラリアニュージーランドなど環太平洋地域各国の航空会社も多く乗り入れる太平洋地域のハブ空港的存在である。1日の乗降客数は約6万人である。

ハワイ諸島へのハブ空港

オアフ島に隣接するハワイ諸島へのハブ空港にもなっている。ハワイアン航空、モクレレ航空、サウスウエスト航空と、貨物便専用のアロハ・エアカーゴコーポレート・エアが使用している。

24時間空港

24時間空港で日中夜間を問わず発着数も多く、4つの主要な滑走路と水上飛行機用の滑走エリアを持っている。海側にある08R/26Lは海面を埋め立てて造成された滑走路で「リーフ・ランウェイ」と呼ばれる。かつてスペースシャトルの緊急着陸用滑走路に指定されていた。

ヒッカム空軍基地

隣接地にアメリカ空軍ヒッカム空軍基地(2010年よりパールハーバー・ヒッカム統合基地の一部)があり、滑走路をホノルル国際空港と共有している。太平洋の中心に位置するアメリカ軍の世界戦略における重要拠点の一つである。

歴史

1927年3月21日、ジョン・ロジャース空港(John Rodgers Airport)として開港した[4]第二次世界大戦後の太平洋地域の国際線の増加[5]に伴い、1947年5月2日、ホノルル国際空港(Honolulu International Airport)へ名称が変更された[6]1962年8月には新旅客ターミナルが新設された。

その後日本やアメリカ本土、オセアニアからの便が増えたことに伴い、1970年代に数回にわたる拡張工事が行われ、2006年には本格的な改装工事が行われた。2017年に現在の「ダニエル・K・イノウエ国際空港」に改称された。

略歴

  • 1927年:ジョン・ロジャース空港として開港
  • 1935年:パンアメリカン航空が飛行艇で乗り入れ開始
  • 1941年:日本軍による真珠湾攻撃で被災。第二次世界大戦への参戦に伴いホノルル海軍基地に名称変更
  • 1947年:ホノルル空港へ名称変更
  • 1947年:国際線の増加に伴いホノルル国際空港へ名称変更
  • 1954年:日本航空が日本の航空会社として初の乗り入れ開始
  • 1962年:新旅客ターミナル新設
  • 1970年:ウィキウィキバス運行開始
  • 1970年:ダイヤモンドヘッド・コンコース完成
  • 1972年:セントラル・コンコース完成
  • 1980年:エワ・コンコース完成
  • 2006年:12年かけた空港更新プロジェクトがスタート
  • 2017年:ダニエル・K・イノウエ国際空港に改称
  • 2021年:レンタカー総合ビルがオープン

ターミナル

旅客ターミナルは3つあり、ターミナル1はハワイアン航空専用でそれ以外の航空会社はターミナル2を使用している。ターミナル3は小型機に特化した施設でモクレレ航空が使用している。

ターミナル2は「メインターミナル」と呼ばれ、空港の中心的な施設である。ハワイアン航空の日本線は例外的にここから出発する。ターミナル2と1はエアサイドが連結しており徒歩で移動できる。ただし検問があり手荷物検査を受ける必要がある。ターミナルのエアサイドは区画ごとにアルファベットが割り当てられ、搭乗口はA9、E2のように番号が付けられている。

  • ターミナル1(A、B)
  • ターミナル2(C、D、E、F、G)
  • ターミナル3(H)

各ターミナルは出発カウンターや連絡通路などの空港内の公共スペースの多くがオープンエアとなっている。また、貨物機専用ターミナルは5か所の貨物エリア内に、航空会社所有と州所有の9つのターミナルビルが置かれている。

旅客ターミナル内外施設

ターミナル1(左)、ターミナル2(中、右)
駐機エリア
オープンエア通路
オープンエア通路の夜景
免税店エリア
ジャパン・カルチュアル・ガーデン
旅客ターミナル内のハワイ語英語の2か国語表記

旅客ターミナル内は、貿易風が通り抜けるホノルルの気候を生かした屋根ありのオープンエアスペースが多く、チェックインカウンターやターミナル間通路、セキュリティチェック後のカフェや商店、免税店エリアでさえ冷房が設けられていないオープンエアスペースが多く存在する。

なお出入国を行う税関や荷物検査を行うエリア、商店やラウンジ[7]、乗降口やその前の待合室などは、保安上または空調上の観点からクローズエアスペースとなった室内にある。そのため、迷い込んだ小鳥が、乗降口やその前の待合室などに多数入り込んでいるので注意が必要である。

旅客ターミナル内では、すべてハワイ語英語の2か国語のアナウンスと表記が行われており、他にも日本語韓国語でアナウンスや表記が行われているケースもある。

なお第2ターミナルのセキュリティチェック後エリアには「ハワイ」、「ジャパン」、「チャイニーズ」の各文化の特徴をあしらった庭園がある。また第2ターミナルのセキュリティチェック後エリアには「太平洋航空博物館」があった[8]が、2000年代以降の改装時に撤去されている。

主な施設

  • レストラン(セキュリティチェック後エリアのみ)
  • カフェ、バーコーナー(セキュリティチェック前後。セキュリティチェック前エリアの店は開店時間に制限あり)
    • 到着時や出発客のセキュリティチェック前のエリアには、トイレ自動販売機こそ設けらているものの、飲食や買い物をする店舗はほとんど設けられていないので注意が必要
  • 免税店(セキュリティチェック後エリアのみ)
  • ニューススタンド(セキュリティチェック後エリアのみ)
  • お土産店(セキュリティチェック後エリアのみ)
  • ブティック(ラルフローレン、エルメス、プラダ、コーチなど。セキュリティチェック後エリアのみ)
  • 航空会社ラウンジ(日本航空、ハワイアン航空、アメリカン航空、ユナイテッド航空など。セキュリティチェック後エリアのみ[9]
  • クレジットカード/旅行会社ラウンジ(セキュリティチェック後エリアのみ)
  • ATM(セキュリティチェック前後)
  • 荷物一時預かり所(第2ターミナルセキュリティチェック前エリア)
  • ハワイ、日本、チャイニーズ,各カルチュアルガーデン(第2ターミナルセキュリティチェック後エリア)
  • バスやタクシー乗り場(各ターミナル前)
  • 駐車場(各ターミナル前)
  • レンタカーオフィス:ハーツ、エイビス、バジェット、エンタープライズなど主要レンタカー会社(第2ターミナル駐車場横)
  • レイ専門店(ターミナルビル駐車場料金所出口付近)

ウィキウィキシャトル

ウィキウィキシャトル

ウィキウィキシャトルは1970年から運行している空港内巡回バスである。メインターミナル中心部を使用する便以外の国際線旅客の多くは、ターミナル到着後に到着ゲートからメイン・ターミナルの入国審査場までバスで移動する。このバスは同空港のシンボル的存在となっている。

旧型のバスは車内に空調が装備されておらず、入口に階段がありバリアフリー対応が難しいことから、空調付きの連絡通路を建設して完成後に全廃することになった。だが、2010年の通路完成後もバスの運行は継続しており、2013年には空調付きの新型のバスが導入された。

団体客専用出口

日本をはじめとした周辺諸国から団体ツアー客が多く訪れることもあり、メインターミナルの国際線旅客用出口は、団体ツアー客向けの大型バスの駐車場に直結した団体客専用出口が用意されている。

レイ専門店

ターミナルビルの駐車場料金所出口付近に、レイを売る専門店の集まったエリアがある。なおパンアメリカン航空が飛行艇で乗り入れていた1930年代以降、到着した乗客にレイをかけるのが恒例であった名残である。

ホテル

空港敷地内に「ベストウェスタン・ザ・プラザホテルホノルルエアポート」があり、空港内からシャトルバスがある。またダウンタウンやワイキキ、アラモアナ、パールシティコオリナなどの空港近隣にもホテルモーテルなどがある。

就航路線

ターミナル1

航空会社 就航地
ハワイアン航空 ハワイ諸島: カフルイヒロコナリフエラナイ、モロカイ、カパルア
アメリカ本土: ラスベガスロサンゼルス/LAXロサンゼルス/ロングビーチニューヨーク/JFKオークランド(CA)フェニックスポートランドサクラメントサンディエゴサンフランシスコサンノゼシアトルボストン[10]
ポリネシア: オークランドパゴパゴパペーテ
オーストラリア: ブリスベンシドニー
東アジア: ソウル/仁川

ハワイアン航空の日本線はコードシェアしている日本航空と同じくターミナル2から出発する。

ターミナル2

航空会社 就航地
ハワイアン航空 日本: 東京/羽田東京/成田大阪/関西札幌/新千歳福岡[11][12]
ユナイテッド航空 シカゴ/ORDデンバーヒューストンロサンゼルス/LAXニューアークサンフランシスコワシントン/ダレス
ミクロネシア: マジュロクワジャリンコスラエポンペイチュークグアム
デルタ航空 デトロイトアトランタミネアポリス=セントポールロサンゼルス/LAXソルトレイクシティシアトル
[季節運航]: ニューヨーク/JFK、ポートランド、サンフランシスコ
日本: 東京/羽田
アメリカン航空 ダラス・フォートワースロサンゼルス/LAXフェニックス
[季節運航]:シカゴ/ORD
アラスカ航空 アンカレッジオークランドポートランドサンディエゴサンノゼシアトルサンフランシスコロサンゼルス/LAX
サウスウエスト航空 カフルイコナヒロリフエラスベガスロサンゼルス/LAXオークランドフェニックスサクラメントサンディエゴサンノゼ
サンカントリー航空 ポートランド
[季節運航]:サンフランシスコサンノゼ
エア・カナダ バンクーバー
[季節運航]: トロント
ウエストジェット航空 バンクーバー [季節運航]: カルガリー
日本航空 東京/成田東京/羽田大阪/関西名古屋/中部
ZIPAIR Tokyo 東京/成田
全日本空輸 東京/成田東京/羽田
大韓航空 ソウル/仁川
ジンエアー ソウル/仁川
アシアナ航空 ソウル/仁川
フィリピン航空 マニラ
カンタス航空 シドニー
ジェットスター航空 メルボルンシドニー
ニュージーランド航空 オークランド
フィジー・エアウェイズ アピアクリスマス島ナンディ

ターミナル3

航空会社 就航地
モクレレ航空 カパルア英語版カイルアコナモロカイ英語版カラウパパ英語版

貨物

航空会社 就航地
アロハ・エアカーゴ ハワイ諸島 : ヒロ、カフルイ、カイルア・コナ、リフエ
アメリカ本土 : ラスベガス、ロサンゼルス
アジア・パシフィック・エアラインズ グアム、キリスィマスィ島、クワジャリン、マジュロ、パゴパゴ、ポンペイ
アマゾン・エア オンタリオ
コーポレート・エア モロカイ、カラウパパ、ワイメア・コハラ、カパルア、ラナイ、リフエ
DHL アメリカ本土 : シンシナティ
オセアニア : シドニー
フェデックス・エクスプレス アメリカ本土 : ロサンゼルス、メンフィス、オークランド(カリフォルニア州)、オンタリオ
オセアニア : シドニー、オークランド(ニュージーランド)
東アジア : 大阪/関西
カリッタ・エア 東アジア : 香港
アメリカ本土 : ロサンゼルス
UPS航空 ハワイ諸島 : カフルイ、カイルア・コナ
東アジア : ソウル/仁川、香港
オセアニア : シドニー
ミクロネシア : グアム
アメリカ本土 : ロングビーチルイビル、オンタリオ、サンバーナーディーノ、フェニックス、サンディエゴ

旅客便就航都市一覧

ハワイ州内
アメリカ国内
ポリネシア
ミクロネシア
その他オセアニア
北アメリカ
アジア

廃止された路線

日本

1950年代以前
日本航空のダグラスDC-6(サンフランシスコ国際空港)
日本航空のダグラスDC-8₋53(1969年)
日本航空のボーイング747-400(2010年)

日本-ホノルル線を運航していた航空会社は、古くはノースウェスト航空パンアメリカン航空、中国航空公司が1940年代に、日本航空英国海外航空1950年代[13]、その後レアル航空1960年代に東京国際空港との路線に就航を開始した。当時から今も70年以上運航しているのは日本航空だけである。

日系航空会社

1954年2月2日ダグラスDC-6で、東京国際空港からウェーク島経由での週2便の乗り入れを開始した日本航空は、その後乗り入れ機材をダグラスDC-7にすることで、東京-ホノルル間を直行化した。1960年ジェット旅客機のダグラスDC-8に変更して以降も、機材の航続距離が短い1960年代までは、ロサンゼルス便やサンフランシスコ便、シアトル便、ニューヨーク便、また1966年から1970年代まで日本航空が自社運航していた世界一周路線の経由地として、さらにサンパウロまでの臨時便をホノルル経由で運航していた[14]

ジェット化されて以降も、燃費効率の悪いターボジェットエンジンを装備したダグラスDC-8-30シリーズや一部の-50シリーズの機体で、ホノルルからの帰り便では向かい風成分が時速96km以上になるとノンストップで東京まで届かず、ウェーク島にテクニカルランディングし給油をする必要があった。1970年代初頭になり、これらのアメリカ本土便にダグラスDC-8-62やボーイング747が就航すると直行化し、日本航空のホノルル経由のアメリカ本土便の乗り入れは終了した。

また日本航空は、今就航している国内4空港以外にも、1980年代から2000年代までは新千歳空港仙台空港との間にもボーイング747や同₋300/-400で毎日定期便を運航していたほか、広島空港新潟空港などの地方空港との間にマクドネル・ダグラスDC-10-40で週2往復程度直行便を運航していた。またJALウェイズによって福岡空港との間にも直行便が運航されていたが、2005年10月5日運休となった。

また1990年代には全日本空輸も名古屋空港と関西国際空港からの直行便を運航していた他、日本エアシステムが成田国際空港との直行便を運航していたが、乗客が集まらずいずれも短期で撤退した。

アメリカ系航空会社
パンアメリカン航空のボーイング377(サンフランシスコ国際空港)

開設当初から同路線のアメリカ側航空会社の主力であったパンアメリカン航空は、日本航空同様に、ロサンゼルス便やサンフランシスコ便、シアトル便、ニューヨーク便をウェーク島とホノルル経由で運航していた。またパンアメリカン航空が、日本航空と英国海外航空同様に運航していた世界一周便の寄港地としていた。

同様にまた機材もダグラスDC-4/6/7、ロッキードコンステレーション、ボーイング377/707/747と多彩な機材で乗り入れていたが、1985年に同社の経営状況悪化により路線をユナイテッド航空に譲渡した[15]

しかし引き継いだユナイテッド航空(成田国際空港や関西国際空港)やコンチネンタル・ミクロネシア(成田国際空港と中部国際空港)、ノースウエスト航空(名古屋空港(当時)などの直行便も相次いで運休となった。 過去にノースウエスト航空(運航開始当初はハワイアン航空名義)によって福岡空港との間にも直行便が運航されていたが、1990年代後半に運休となった。また、トランスワールド航空の世界一周便が沖縄とサンフランシスコ経由でヨーロッパを結ぶ便を乗り入れていたが1970年代に廃止された。

アジア系航空会社
チャイナエアラインのボーイング747

日本-ホノルル線を就航していたものの撤退した航空会社は、給油拠点と以遠権の関係からアジアに多く、タイエア・サイアムが1970年代に東京国際空港経由の便を運航していたが短期間で廃止した[16]。またチャイナエアラインは同時期より台北から東京国際空港/成田国際空港経由の路線を運航していたが、2010年代に廃止した。最近では2019年5月に格安航空会社スクートが関西国際空港経由の路線を短期で廃止した。

大韓航空のKE001/002便(ソウル/仁川 - 東京/成田 - ロサンゼルス)も、かつてはホノルル寄航を行っていた。1989年の747-400導入に伴う再編で直行化、寄航中止となったが、2013年3月31日から同便の行先をホノルルに変更し、KE001/002便が再度ホノルルに就航していた[17]が、2020年初頭に廃止された。

その他

途中経由地のグアムに駐機するパンアメリカン航空のマーチン M130「チャイナクリッパー」
シンガポール航空や大韓航空のボーイング747が並ぶ(1981年)

その他、1935年にパンアメリカン航空がサンフランシスコ - ホノルル - マニラ - 香港(サンフランシスコ - ホノルル - ミッドウェイ島 - ウェーク島 - グアム - マニラに変更)を結ぶ世界最初の太平洋横断航空便をマーチン M130「チャイナ・クリッパー」飛行艇で開設したものの、第二次世界大戦の勃発により廃止された[18]。飛行艇による太平洋横断便はその後現在に至るまで運航されていない。

かつてカナディアン航空が運航し、その後同社を買収したエア・カナダが路線を引き継ぎ運航していた同社の バンクーバー国際空港-ホノルル-シドニー便も運休となった[注釈 1]

1946年にオランダ領インド航空バタビア-グアム-ホノルル-ロサンゼルス便の運航を開始したが翌年で運行を停止した。またエバー航空も台北から直行便を運航していたが短い期間で運休となったほか、ジャカルタ - マニラ - ホノルル - ロサンゼルス線を運航していたガルーダ・インドネシア航空は、アジア通貨危機による理由などで北米線を廃止して同時に撤退した。2010年代には、アメリカを仮想敵国とみなす中華人民共和国の航空会社である中国国際航空の乗り入れがあったが、外交上の問題から同国の航空会社の乗り入れは現在はない。

他のアジアの航空会社も、アメリカ本土路線を直行化させ、ホノルルから撤収した航空会社も少なくない。シンガポール - 香港 - ホノルル - サンフランシスコ線を運航していたシンガポール航空は、DC-10-30から747-200B、航続距離が長い747-400にスケールアップしてアメリカ本土に直行が可能となり、路線再編で直行化して撤退[注釈 2] した。クアラルンプール - 台北 - ホノルル - ロサンゼルス線を運航していたマレーシア航空も、同じ理由で撤退した[注釈 3]

ヨーロッパ南アメリカ発着の便については、過去の英国海外航空とパンアメリカン航空、日本航空とトランスワールドの世界一周便の経由地としてと、レアル航空のブラジル行きの経由便として以外の乗り入れはない。

ハワイ諸島とアメリカ本土

アロハ航空のボーイング737-200

日本航空機製造YS-11を使用していたこともあるミッドパシフィックエアが、1988年にハワイ諸島内の運航を停止した。なお同型機材はハワイアン航空も使用していた。

またハワイ諸島内とアメリカ本土を結ぶ便をハワイアン航空とともに運航していたアロハ航空が2008年4月1日に運航を停止し、数日後にアメリカ西海岸複数都市とホノルルを結んでいた格安航空会社ATA航空が相次いで運航を休止した。原油価格の高騰もあり、一時ハワイ諸島間やアメリカ本土との間の航空運賃が高騰する原因となった。

現在はハワイアン航空とモクレレ航空。格安航空会社のサウスウエスト航空がハワイ諸島間とアメリカ本土の便を運航している。

空港へのアクセス

公共交通機関

TheBus
州間高速道路H-1号線

その他

各ターミナルごとに駐車場がある。自家用車で市内道路または州間高速道路ハワイ1号線を使い、パール・シティまで5-10分。25 -30分程度でホノルルのダウンタウンワイキキに、30-40分程度でカハラ、州間高速道路ハワイ2号線と市内道路を使い、1時間-15分程度でハレイワに行くことができる。

  • タクシー:各ターミナル1階に乗り場が設けられている。
  • 乗合タクシー/小型バス (空港認定業者):各ターミナル1階に乗り場が設けられている。ダウンタウン、ワイキキ、アラモアナ、カハラ、パールシティ、コオリナ行きなど。
  • レンタカー:ハーツ、エイビス、エンタープライズ、バジェットなど10社以上の大手レンタカー会社は、第2ターミナル駐車場に隣接した総合レンタカーオフィスで雨にぬれずに借りることができる。
  • ライドシェア:各ターミナル2階にピックアップポイントが設けられている。

脚注

注釈

  1. ^ ACによるホノルル - バンクーバー国際空港間は継続運航。ホノルル - シドニー間の路線はジェットスター航空ハワイアン航空が運航中
  2. ^ 成田経由のSQ011/012は開設当初から寄航していなかった
  3. ^ 2008年のサムプライム問題及びリーマンブラザーズショック以降北米線は、このほかにもストックホルム・アーランダ空港経由ニューアーク・リバティ空港便もあったが消滅した

出典

  1. ^ Airport Activity Statistics by Calendar Year”. 2022年1月22日閲覧。
  2. ^ Honolulu airport renamed after late Sen. Daniel Inouye - khon2 April 28, 2017
  3. ^ “ハワイ・ホノルル空港、「イノウエ」空港に改名 日系議員にちなみ”. 産経新聞. (2017年5月2日). https://web.archive.org/web/20170502074608/http://www.sankei.com/world/news/170502/wor1705020036-n1.html 
  4. ^ John Rodgers Airport - ハワイ州政府
  5. ^ 「エアライン」P.164 アンソニー・サンプソン著 大谷内一夫訳 早川書房
  6. ^ Honolulu International Airport - ハワイ州政府
  7. ^ 日本航空 ダニエル.K.イノウエ国際空港〔ホノルル〕 ラウンジ
  8. ^ 「パンアメリカン航空物語」P.155 帆足考治著 イカロス出版
  9. ^ 日本航空 ダニエル.K.イノウエ国際空港〔ホノルル〕 ラウンジ
  10. ^ ハワイアン航空、4月にホノルル/ボストン線を開設へ A330で週5便 FlyTeam 2018年9月18日
  11. ^ a b デルタ航空、福岡〜ホノルル線から5月撤退 「日本は引き続き重要な市場」 Traicy 2019年1月17日付
  12. ^ a b ハワイアン航空、福岡-ホノルル線の新規就航計画を決定
  13. ^ 「エアライン」P.164 アンソニー・サンプソン著 大谷内一夫訳 早川書房
  14. ^ Hawaii Route History”. 日本航空. 2015年3月12日閲覧。
  15. ^ 「パンアメリカン航空物語」P.145 帆足考治著 イカロス出版
  16. ^ 「Classic Airlinerin Japan 2」P.119 イカロス出版
  17. ^ “大韓航空、成田/ホノルル線開設、LAX線振替で-13年3月末から”. 旅行業界 最新情報 トラベルビジョン (トラベルビジョン). (2012年12月26日). http://www.travelvision.jp/news/detail.php?id=56125 2015年3月12日閲覧。 
  18. ^ 「パンアメリカン航空物語」P.102 帆足考治著 イカロス出版
  19. ^ The Bus - Daniel K. Inouye International Airport

関連項目

外部リンク




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