ダッシュダイエットの内容
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/09 07:30 UTC 版)
「ダッシュダイエット」の記事における「ダッシュダイエットの内容」の解説
ダッシュダイエットでは、果物、野菜、全粒穀物、無脂肪または低脂肪の乳製品、魚、家禽、豆、ナッツ、および植物油を充分に摂取する。制限するのは食塩、砂糖で甘くした食品や飲料、獣肉の脂身、全脂肪乳製品、ココナッツオイル、パーム核油、パーム油などの熱帯油など、飽和脂肪が多い食品である。ダッシュダイエットは、血圧を下げる効果がある他に、バランスの取れた栄養素を摂取できるように考えられ、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、たんぱく質、食物繊維を充分に含むこととなる。肥満とナトリウムは血圧上昇因子であるため、食事要因の血圧上昇因子を減らす事を考慮した「低ナトリウム」「高カリウム」「豊富な食物繊維」な食事体系である。 要旨は、 適正体重(BMI 25未満)を維持するため摂取総カロリーを適正範囲に抑える。 高カロリーな脂肪摂取を減らす。 摂取する脂肪の質を飽和脂肪酸(獣肉脂身)から魚油にする。 ナトリウムの摂取量を減らし、ナトリウム排出作用のあるカリウム、マグネシウムを野菜と果物から積極的に摂取する。 カリウムは、3510mg/日、以上 食物繊維を積極的に摂取する。 アメリカの国立心肺血液研究所(NHLBI)によれば、1日に必要なカロリーの目安は、次の表の通りである。1日に必要なカロリー数が変わると、各食品グループの単位数が変わる。 毎日のカロリー必要量(kcal)性年齢活動量が少ない場合中等度の場合活動量が多い場合女性19 - 30 2000 2000 - 2200 2400 31 - 50 1800 2000 2200 51+ 1600 1800 2000 - 2200 男性19 - 30 2400 2600 - 2800 3000 31 - 50 2200 2400 - 2600 2800 - 3000 51+ 2000 2200 - 2400 2400 - 2800 1日に2000kcalを摂取する人の場合の食物配分は、次の表の通りである。 2000kcalを摂取する場合の食品配分食品グループ1日の分量1単位の分量栄養上の意味穀類7 - 8単位 全粒の食パン1枚または玄米のご飯0.5カップ エネルギー源、食物繊維 野菜4 - 5単位 生の葉物野菜1カップまたは刻んだ生野菜0.5カップまたは調理後の野菜0.5カップ カリウム、マグネシウム、食物繊維 果物4 - 5単位 中くらいの果物1個 カリウム、食物繊維 低脂肪乳、低脂肪の乳製品2 - 3単位 低脂肪の牛乳1カップまたはチーズ40グラムまたは低脂肪のヨーグルト1カップ カルシウム、蛋白質 赤身の肉、鶏肉、魚2単位以下 調理後の肉80グラム マグネシウム、蛋白質 ナッツ、種、豆0.7単位 ナッツ3分の1カップ マグネシウム、蛋白質、食物繊維 脂肪2 - 3単位 植物油小さじ1杯またはサラダドレッシング大さじ2杯 カロリー源 穀類 全粒穀物という点が重要である。日本で売られている全粒粉パンやライ麦パンには、全粒の成分がわずかに含まれるだけである。最低でも半分は必要である。加工食品の原材料名は、多い順に書いてあるので、最初に「小麦粉」と書いてある「全粒粉パン」は、不適当である。 野菜 通常の人の平均的な摂取量よりもかなり多い量の野菜である。冷凍の野菜を使っても良い。もし塩がかけてあれば、水にさらして塩抜きをすると良い。 果物 通常の人の平均的な摂取量よりもかなり多い量の果物である。缶詰の果物を使っても良い。もし砂糖水に浸けてあれば、水にさらして砂糖抜きをすると良い。 乳製品 これも平均的な人の摂取量より多い。無糖及び無脂肪という点が重要である。低脂肪の乳製品(牛乳やヨーグルト)が良い。ヨーグルトは、無糖のものに果物を加えて食べるのが良い。チーズは、ナトリウム(食塩)を多く含む場合がある。 ナッツ、種、豆 ナッツには、良い油が含まれるが、カロリーが高いので、多量に食べない方が良い。大豆の代わりに豆腐でも良い。 脂肪 悪い油(飽和脂肪)を減らす必要がある。このために、獣肉の脂身、バター、チーズ、全乳、クリーム、卵黄、ラード、パーム油を減らす必要がある。また、悪い油(トランス脂肪)を減らす目的で、クラッカーなどの小麦粉加工食品、マーガリン、ショートニング、揚げ物を減らす必要がある。良い油(不飽和脂肪)は、魚の油と植物油である。ただし植物油は高温にすると劣化して悪い油となる。 お菓子 1日に約15グラムの砂糖しか摂ることができない。これは非常に少ない量である。甘い物をほんのわずかしか摂ることができない。世界保健機構WHOの新しい基準(1日に25グラムの砂糖)より少ない。 果物に糖分は、計10%から15%ほど含まれるが、和菓子や洋菓子には、通常、重量の30%から50%の砂糖が含まれる。果物には食物繊維が多く含まれるが、お菓子にはわずかしか含まれない。果物には、ナトリウムと拮抗するミネラルが多く含まれるが、お菓子には食塩が含まれる。果物は血糖値をあまり上げないが、お菓子は大きく上げる。
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