エピソード#05 富豪村
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「岸辺露伴は動かない」の記事における「エピソード#05 富豪村」の解説
『週刊少年ジャンプ』2012年45号に、『ジョジョの奇妙な冒険』25周年記念&原画展開催記念読み切りとして掲載された、センターカラー46ページの短編作品。マナー監修は西出ひろ子。雑誌掲載時のキャッチコピーは「ようこそ、奇妙――!!」。英題は『Millionaire village』。 物語の時系列上は『エピソード2:六壁坂』の後になる。原作露伴・作画荒木・作者コメントは荒木となっている。荒木の漫画が『週刊少年ジャンプ』に掲載されるのは、2004年47号の『ウルトラジャンプ』移籍前の『スティール・ボール・ラン』以来であり、コメント欄でも「久しぶりの週刊少年ジャンプ執筆させて頂きお邪魔致しまぁ〜す。嬉しいなぁ」とコメントしている。 2015年に発売された同作者の新書『荒木飛呂彦の漫画術』において、漫画、特に短編の描き方を解説するための分析教材として引用されている。 あらすじ 露伴は漫画編集者の泉京香との読み切りの打ち合わせの際、山奥の別荘を買う話を漫画にしないかと提案される。『六壁坂』の一件で破産している露伴は反対したが、実際に別荘を買うのは泉であり、購入までの過程を取材してアイデアに繋げてはどうかと言う。 その別荘地のある村は杜王町から北西へ80数キロの山奥に位置しているが、そこに向かうための道路は一切なく、住人はヘリコプターを利用している。また、送電線の1本も引かれておらず、周囲の深い森に遮断されている独立した群(むら)になっている。たまたま地図でその特異な村を見つけた泉が興味を持ち調べると、村には11軒の豪邸が建っており、所有者全てが世界屈指の大富豪であることが分かった。彼らはごく普通の一般的な生活を送っていた若者であったが、「25歳の時にこの別荘地を購入したことを転機に、成功を収めて大富豪になっていった」という。 今回、その別荘地の1区画が800坪・300万円という破格の値段で売りに出されたことを知った泉は、自身が25歳ということもあり、11人の大富豪たちが土地を所有することで人生の成功者になれたのか、それとも偶然なのかを立証してみたいと考え、まず購入の意思を示すために売り主に会いに行くという。泉の話を訝しく聞いていた露伴だったが、好奇心と興味に背中を押されて、彼女の付き添いという名目で同行取材することにした。 登場人物 岸辺 露伴(きしべ ろはん) 声 - 櫻井孝宏 / 演 - 高橋一生 スタンド名:ヘブンズ・ドアー(天国の扉) 杜王町に住む人気漫画家。27歳。冒頭で漫画を描く前の準備体操を見せる。『六壁坂』の一件で山を6つ買い、破産している。今回は編集者の泉京香が別荘を購入する話を聞き、その過程を取材するために富豪村に同行する。性格は「自分が一番」で「オレ様」と泉に評価されている(露伴は嫌な顔で否定しているが)。 泉 京香(いずみ きょうか) 声 - 中原麻衣 / 演 - 飯豊まりえ 漫画編集者。25歳。富豪村の別荘の一区画が800坪・300万円で売りに出されていると知り、自分が別荘を購入する過程を取材して読み切り漫画のアイデアにしてはどうかと露伴に提案した。富豪村の主に会って土地の購入をしようとするもマナー違反を理由に断られ、再トライを挑んだためにペナルティとして母親と婚約者を失う。自身も露伴のマナー違反のペナルティとして命を失いかけるが、露伴の機転と再挑戦を成功させたことにより命を取り留めた。 原作では母親と婚約者がその後どうなったかについて言及されなかったが、OVAでは訃報は慌てた親戚による勘違いで、事故は大したことがないものであったということになり、2人の死が無かったことにされている。 原作やアニメ版ではこの『エピソード3:富豪村』と後に発表された『エピソード10:ホットサマー・マーサ』のみの登場だが、ドラマ版では出番が大幅に増え、他のエピソードにも露伴の担当編集者として登場し、ストーリーに関わっている。 荒木は彼女を「ムカつきながら描いた」としているが、キャラとしては大好きで傑作の出来と自負しているという。 一究(いっきゅう) 声 - 水橋かおり / 演 - 柴崎楓雅 富豪村の案内人。別荘地の購入に訪れた客をもてなすが、マナー違反をしないか監視している。主にただ使われているだけの案内人の子どもで、本人は特別な能力はない。 露伴のマナー違反で泉が命を失いかけた際に露伴が「彼女を助けてほしい」と頼んだ際には「マナーに寛容はございません」と冷たく突き放し、再挑戦をするかどうか尋ねる。しかし、露伴から「ヘブンズ・ドアー」で畳のヘリを見えなくされたことで、自分も畳のヘリを踏むマナー違反を三度犯してしまう。それをイカサマと評して神の怒りを買う行為だと露伴を批判するが、露伴は「マナー違反をしたのはあくまで君の方だ」と相手にせず、露伴が制裁されることもなかった。テレビドラマ版では感情性のある所も描写されており、原作では露伴達を玄関先まで見送りをしたのに対し、ドラマ版では多少感情的なところがあり、露伴に嵌められて負けた事に応接間で悔しがり、玄関先までは見送りをすることはなかった。 主(あるじ) 富豪村の別荘の売り主。物語には直接登場しない。富豪村では何よりもマナー(礼儀)を重んじており、それらを守った者のみがこの別荘地に相応しい人間であると見做して売買の契約を交わす。マナー違反をした者の一切の理由には耳を傾けることも受け付けることもなく、一究を通して早々の引き取りを通達する。ただし、再トライは可能であるが、その場合、自身の大切なものを前回違反した回数分失わせる。反面、一究がマナー違反をした場合、その回数分だけ失ったモノを返す。その正体は山の神。テレビドラマ版では富豪村のある土地はかつて山の神を奉る禁足地だった事が語られており、何らかの理由で山の神が村を築いたと推測しており、のちに露伴は村の噂が世間に露呈されて押し寄せられては山の神も大迷惑だと、この出来事に関する記録などをボツにした。 広瀬 康一(ひろせ こういち)、虹村 億泰(にじむら おくやす)、東方仗助(ひがしかた じょうすけ) 声 - 梶裕貴(康一)、高木渉(億泰) Part4の主人公とその友人たち。OVAのみの登場。 OVAオリジナルのエピローグで富豪村のエピソードの聞き手として登場しており、広瀬家に居候し仕事場の無い露伴に億泰が虹村邸の空き部屋への引越しを提案し、露伴は了承するが、ついでに父親をヘブンズ・ドアーで治して欲しいと頼まれるとそちらは断った。
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