エピソード#08 D・N・A
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「岸辺露伴は動かない」の記事における「エピソード#08 D・N・A」の解説
実写映画『ダイヤモンドは砕けない 第1章』の公開記念として、『別冊マーガレット』2017年9月号に掲載された50ページの短編作品。雑誌掲載時は「エピソード#09」となっていたが、単行本では「エピソード#08」に変更されている。英題は『Deoxyribonucleic acid』。 雑誌掲載時のキャッチコピーは「天才漫画家・岸辺露伴のもとに舞い込んだ奇妙な【依頼】とは…」「その恋は、D.N.Aが記憶する運命の証し!!」。カラー表紙は、単行本では雑誌掲載時の宣伝用装飾が減ってかなりシンプル化された。 荒木飛呂彦が少女漫画誌に漫画を掲載するのはこれが初であり、扉絵裏のコラム『岸辺露伴は動かない概論』では掲載を「光栄です」と述べた上で、「めずらしくハッピーエンドにしたよ」とメッセージを記している。また掲載号の裏表紙は荒木による描き下ろしの一枚絵(露伴の一枚絵+「荒木飛呂彦降臨」のコピー)になっており、付録として『岸辺露伴は動かない』シリーズのステッカーが付属されている。 あらすじ 露伴は知人の山岸由花子に彼女の母の知人である片平真依の相談に乗ってほしいと呼び出される。片平が相談したのは精子バンクで授かった娘、真央についてであり、普通の子供とは異なる数々の特徴、特に触れると全身が保護色と化してしまう尻尾が生えている点について思い悩んでいた。 由花子はそれらについて露伴に解決を促すが、「ヘブンズ・ドアー」で真央に関する情報を参照した露伴はそれらについて問題なしと判断して拒否し、一方的に話を打ち切って立ち去る。由花子はその自分勝手な行動に憤るが、彼が「ヘブンズ・ドアー」を使った際に真央の父親に関する情報を見ており、それを真依に伝えた。 真依はその一件により真央の父親に関心を持つが、探すにはあまりにも漠然とした情報しか無く途方に暮れる。そんな時、由花子から聞いた情報に合致した真央と同じ身体的特徴を持つ男性を駅で偶然発見し、彼女はとりあえず彼を尾行する。彼が向かった先は真央の通う幼稚園で、幼稚園に着いた彼は遊具で遊ぶ真央を抱きかかえてタクシーに乗ろうとした。驚いた真依は大声を上げて真央を取り返そうとするが、抱きかかえていたのは彼の息子で、真央と見間違えた訳は彼女の能力である保護色による悪戯であった。男性はひとまず自己紹介するが、内容やその最中の仕草に亡き夫との偶然とは思えないほどの一致点を見出した真依は、彼との交際を始める。 後日、露伴は真依が精子提供者であったその男性と結婚したことを由花子から聞かされると驚きの表情を見せるが、彼女が立ち去ると「確かにビックリだ。そういうこともあるのか………」と感想を述べ、微笑んだ。 登場人物 岸辺 露伴(きしべ ろはん) 演 - 高橋一生 スタンド名:ヘブンズ・ドアー(天国の扉) 杜王町に住む人気漫画家。知人の山岸由花子に呼び出され、彼女の母の知人である片平真依の相談を受けて解決するように頼まれるが、「ヘブンズ・ドアー」で真央に関する情報を参照した上でそれらについて問題なしと判断し、由花子の要請を突っぱねて立ち去った。 今作では『ジョジョリオン』に登場する野球チーム「晴天バーディーズ」のファンとなっており、片平真依を紹介された際にあからさまにやる気のない態度を見せ、相談を聞いている最中もずっとスマートフォンで試合をチェックしていた。 由花子からも野球好きとなっている点や、精子バンクの話をした際に「もう一度言ってみて」などのセクハラ発言をした点などのキャラ変を指摘されている。 山岸 由花子(やまぎし ゆかこ) スタンド名:ラブ・デラックス 露伴の知人の女子高生。母の知人である片平真依の悩みを解決すべく露伴に彼女を紹介し、真央の普通の子供とは異なる数々の特徴に関して「治してあげたい」「普通にしてあげて!」と露伴に訴える。 Part4では自身の髪を操る能力「ラブ・デラックス」を持つスタンド使いであり、本作でもスタンド使いの設定は引き継がれている。スタンドを使用することはないが、ヘブンズ・ドアーで本に変えられた真央の情報を見ることができたため、覗き見て知った真央のもととなった精子の情報(真央の父親の情報)を真依に伝えた。 デザインはPart4や『The Book』の挿絵の頃から大きく変わっており、「由」の形のブローチを付けている。 テレビドラマ版には登場せず、彼女の登場シーンは『富豪村』の泉京香(前述)が兼任しているほか、片平親子との出会いについては「露伴と京香、平井太郎(後述)が立ち話をしているところを、片平親子が偶然通り掛かる」形に変更されている。 片平 真依(かたひら まい) 演 - 瀧内公美 山岸由花子の母の知人。新婚の23歳の時に自動車事故で夫を亡くし、周囲からは再婚を勧められるも夫以外の男性を愛することができずに15年間独り身で過ごしていた。しかし再婚はできなくとも子供は欲しいと考えたことから38歳の時に精子バンクを利用して真央を授かる。 しかし、真央に普通の子供とは異なる数々の特徴があることが心配になり、由花子を通じて露伴に相談を持ち掛ける。 片平 真央(かたひら まお) 演 - 北平妃璃愛 片平真依の娘。3歳の保育園児。「はちにんこ(こんにちは)」や、「なくしろよ(よろしくな)」などの逆さ言葉しか喋らず、足音を立てず歩き、立っている足元がじっとりと濡れる、目の下側にしか生えず量も普通より多いまつげ、顎まであるもみあげ、触れると衣服を含めた全身が保護色と化してしまう尻尾が生えているなど、普通の子供とは明らかに異なる特徴が数多くあり、真依の心配事の種となっている。 「ヘブンズ・ドアー」で真央に関する情報を参照した露伴によると、尻尾は「真央の『心の形』であり、見えるスタンド能力と考えていいもの」とのことであり、身体的特徴も含めて「何一つ悪くない…問題はどこにも見当たらない」と判断された。 その後、保育園に尾花沢が訪れた際に保護色を使った悪戯で真依と引き合わせており、それを由花子は「真央ちゃんの陰謀」「真央ちゃんの無意識が呼び寄せた」と推測している。 真依の夫 演 - 奥野瑛太 真依の夫で故人。新婚から間もなくトラックとの衝突事故で死亡している。事故にあった車の中で同乗していた真依に対し「司法試験より先に結婚式をやっておくべきだった」と後悔の言葉を口にしていた。 口癖は「君は何も怖がらなくていいんだ。君は大丈夫だから」「きっといいやつ」で、失敗をごまかそうとするときに上唇をなめたり、缶ジュースのプルトップを開けたり額を掻く時に小指のみを使う癖がある。 テレビドラマ版では片平央という名前がつけられている。 尾花沢(おばなざわ) 真依が駅で出会った、真央と同じ身体的特徴を持つ男性。山形市在住で、バツ1。息子の友弥に会うために週に1・2回ほどS市を訪れており、保育園で真央の悪戯により真依に引き留められる。 15年以上前の高校生の時に登山中の滑落事故で一度死んだが蘇生したとして、その反省から危険なことは車の運転すらしないと語っており、それ以外にも上唇をなめる癖やプルトップを開けたり額を掻く時に小指のみを使う癖など、真依の夫と偶然とは思えないほどの共通点がある。 その後、彼が真央の実の父親であったことと3か月の交際を経て真依と再婚したことが由花子の口から語られている。 テレビドラマ版ではオリジナルキャラクターの平井太郎(演 - 中村倫也)に置き換えられており、事故死した真依の夫から臓器移植を受けている。
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