エピソード#06 密漁海岸
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「岸辺露伴は動かない」の記事における「エピソード#06 密漁海岸」の解説
『週刊少年ジャンプ』(集英社)2013年46号に掲載されたセンターカラー47ページの短編作品。料理監修は森崎友紀。英題は『Poaching seashore』。 雑誌掲載時のキャッチコピーは「好奇心は、漫画家を殺す Curiosity killed the MANGA Artist.」。 本作はこれまでの作品と違って「原作:岸辺露伴」の表記がなされていない。また、スマートフォンなど2000年代以降に普及したアイテムが登場する。さらに登場人物であるトニオ・トラサルディーが、来日し、杜王町で店を出した理由がPart4本編と異なっている。他にも東方家がPart8寄りになっていつつ東方仗助らしき人物が描かれるなど、Part4本編とは差異がみられる。 本作発表と同時に短編集『岸辺露伴は動かない』の発売も発表された。また公式の広告では、2013年のドラマ『あまちゃん』の「じぇじぇ」と「じょじょ」を懸けた上で「露伴があまちゃんに!!??」という宣伝がされた。 あらすじ 露伴は、杜王町のイタリアンレストラン「トラサルディー」にて食事をした際、その店の料理人トニオ・トラサルディーにクロアワビの入手を手伝ってほしいと頼まれる。トニオによると杜王町のヒョウガラ列岩という場所で採れるアワビは世界中のどこにもない特別なアワビであり、それさえあれば自身の生涯で最高の特別料理を作ることができるのだという。 しかし、あまりに貴重であるため地元の漁師からもアワビを売ってもらえず、それでも入手したいトニオは杜王町の歴史書から「芸術」とも評される密漁の手法を発見し、それを露伴とともに実行しようと持ちかける。露伴は好奇心からそれを了承し、トニオと共にヒョウガラ列岩へと密漁に向かう。 登場人物 岸辺 露伴(きしべ ろはん) スタンド名:ヘブンズ・ドアー(天国の扉) 杜王町に住む人気漫画家。冒頭でウォーミングアップNo2を見せる。イタリア料理店「トラサルディー」へと食事に来た際にトニオから密漁の協力を頼まれ、その際に「少年誌で連載している健全な漫画家」と言いながらも、トニオの覚悟を気に入り協力することにした。 トニオ・トラサルディー スタンド名:パール・ジャム 杜王町でイタリア料理店「トラサルディー」を営むイタリア人の男性。29歳。露伴は「本国のイタリアで店を開かないのは気に入らないが、日本の食材でここまで美味しい料理を作るのには感心する」とトニオの腕を高く評価している。自身の生涯で最高の特別料理を作るため、杜王町のヒョウガラ列岩という場所で採れるクロアワビの密漁の手伝いを露伴に持ちかける。 しかし、露伴から単に料理を作るためだけにアワビを求めているのではないことを見抜かれ、本当の目的がここのクロアワビを用いた新しい料理で恋人のヴェルジーナの脳腫瘍を治療するためであり、故郷を離れて杜王町に来たのも彼女の治療に有効な食材を手に入れるためであったことを打ち明けた。 杜王町の歴史書で知った密漁法を実行した結果、海中でアワビが身体に貼りついて露伴ともども溺死しそうになるが、露伴がヘブンズ・ドアーでタコを操ってアワビを剥がしたことにより生還し、アワビを手に入れることにも成功する。 密漁をする際、ウエットスーツを着ていながらもシェフハットを脱がないことを露伴にツッコまれた。 ヴェルジーナ トニオの恋人。脳腫瘍を患っており、グレープフルーツ大まで大きくなった腫瘍はトニオの料理とパールジャムの力をもってしても治すことができず、それを屈辱と感じたトニオはより優れた食材を求め、彼女を故郷のアマルフィーに残して杜王町へとやって来た。 トニオによって日本に連れてこられた時点では立って歩くことすらできない状態に陥っていたが、トニオのアワビ料理によって立ち上がれるまでに回復した。 東方 仗助(ひがしかた じょうすけ)、広瀬 康一(ひろせ こういち)、虹村 億泰(にじむら おくやす) Part4の主人公とその友人たち。露伴とトニオが密漁から生還後、露伴と共に「トラサルディー」でタコのトマトソース煮を食べていた。 用語 ヒョウガラ列岩 杜王町の北西部に位置する岩礁群。東方家の私有地で禁漁区に指定されており、そこから南側の入り江一帯がアワビの漁場となっている。禁漁区な上、潮の影響でアワビの主食である海藻類が豊富で、タコ以外の天敵がいない状況下で生息しているため、25cm前後の大型のアワビが多く生息している。 この地域では年に一度、天気の良い八月のお盆前後の満月の夜に数時間だけ月の引力の影響で潮の流れが変わり、そこに生息しているクロアワビは上下の感覚を失って岩から離れ、潮の流れに乗って海中を漂うようになる。 それを列岩の外で待ち構え、手で捕まえて持ち帰る密漁法が古文書に伝わっているが、実際にはこれは密漁者に対する罠であり、うかつに行えば海中に漂うアワビが体に貼りつき、その重さによって海中に引き込まれて溺死してしまう。
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