エピソード#09 ザ・ラン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 04:37 UTC 版)
「岸辺露伴は動かない」の記事における「エピソード#09 ザ・ラン」の解説
少年ジャンプ50周年記念として『週刊少年ジャンプ』2018年13号に掲載された48ページの短編作品。雑誌掲載時は「エピソード10」となっていたが、単行本では「エピソード#09」に変更されている。英題は『The run』。 本エピソードの発表に合わせ、短編集『岸辺露伴は動かない』第2巻の発売も発表された。単行本2巻表紙。 雑誌掲載時のキャッチコピーは「これぞ「伝説」!!これこそ「漫画」!!」「目を逸らすな「奇妙」からは逃げられない」。 OVA化された作品では唯一、露伴以外のPart4の登場人物が登場しない。絵コンテの段階では陽馬がランニングをするシーンで噴上裕也とガールフレンド3人を通行人として登場させる案もあったというが、採用されなかったことがブックレットで明かされている。 あらすじ 右手を骨折した岸辺露伴。彼はその結果に至る経緯について珍しく自らの行いを反省しており、後悔の表情を浮かべながらその時の出来事を語りだす。 露伴はスポーツジムで俳優志望の男、橋本陽馬にトレッドミルを用いた勝負の再戦を持ち掛けた。その内容は徐々に加速するトレッドミルの走行スピードが時速25kmに達した時点で両者の間に置かれたリモコンを取り合い、リモコンを奪取して緊急停止ボタンを押したら勝ちというもので、露伴は一度彼に勝利していた。 陽馬は再戦に応じ勝負が開始されたが、前回の勝負に関する分析や公正に異常なほどこだわる彼の言動に露伴は次第に異様なものを感じ始める。 登場人物 岸辺 露伴(きしべ ろはん) 声 - 櫻井孝宏 / 演 - 高橋一生 スタンド名:ヘブンズ・ドアー(天国の扉) 杜王町に住む人気漫画家。右手を骨折しており、その件について「超えてはいけないレッドラインを見落として余計な所へ首を突っ込んでしまった」「自分は人の性格を見抜けるとうぬぼれていたからで本当に甘かった」と珍しく反省の言葉を口にし、スポーツクラブで巻き込まれたとある事件について語りだす。 橋本 陽馬(はしもと ようま) 声 - 内山昂輝 / 演 - 笠松将 俳優志望の男性。21歳で身長178cm、座右の銘は「美とは有酸素。なめらかな動作」。新幹線で原宿まで遊びに行った時にモデル・プロダクションにスカウトされ、担当者に勧められたのをきっかけに肉体を鍛えることに没頭するようになる。 最初のうちは彼女の早村の部屋でトレーニングをしたり、ボディビルダーと同様の生活を送る程度だったが、次第にエスカレートして早村の部屋の内外にボルダリングの設備を設置したり、トレーニングのために早村の貯金を勝手に使いこむようになり、最終的にはたとえ些細なことであろうと自分が体を鍛えることを邪魔した人間には殺害すら辞さないようになる。 杜王グランドホテル8階のトレーニングジムでトレッドミルを使った勝負の再戦を露伴に申し込まれると、前回の勝負はリモコンを引き寄せるために露伴がリモコンのテーブルを叩いたことを指摘し、勝負を公正なものにするという名目のもとにトレッドミルの背後にあるガラス窓をダンベルで破壊したり、時速25kmに達する前にリモコンを取ろうとした露伴の指をリモコンのスイッチを押すのに必要な2本を残して折るといった行動に出る。 露伴が「ヘブンズ・ドアー」で見た彼の記憶によれば、彼は元彼女のミカの他、就寝時間に配達に訪れた配達員の沢木、自分がトレーナーに指示を仰いだ時にたまたま指導を受けていたジムの客などを体を鍛える邪魔をしたとみなして殺害しており、露伴についても今回の勝負で彼が敗北した場合、トレッドミルによって割った窓から転落死させるつもりのようだったが、リモコンを取って緊急停止ボタンを押すことで勝負に勝ちはしたものの、露伴に「ヘブンズ・ドアー」で「停止ボタンは露伴のマシンに向けて押す」と書き込まれていたことで、自分のマシンを止めることができず自ら開けた窓の穴から転落する。 露伴は勝負の最中に彼の肉体に浮かび上がった翼のような模様から彼の正体を筋肉の神ヘルメスの化身と推測しており、窓の外に落ちた彼の生存を確信していたが、もし上から見下すように窓の外を覗けば彼に殺されると考え、その場から逃走した。 ドラマ版では、『怪異である「六壁坂に潜むもの」に憑りつかれた者』として設定が改変されている。 早村 ミカ(はやむら ミカ) 声 - 赤﨑千夏 / 演 - 真凛 橋本陽馬の彼女。25歳。陽馬が体を鍛え始めた最初の頃は鍛えられた陽馬の肉体を称賛していたが、肉体を鍛えることに熱中する陽馬に次第についていけなくなり、貯金の27万円を無断で使われたことを機に彼に別れを告げ部屋から追い出す。 その後、同棲中に言われた小言や自分の指示した食事を出さなかったことへの恨みから彼に首の骨を折られて殺害され、遺体はボルダリング部屋の壁の裏にセメントで埋め込まれたことが「ヘブンズ・ドアー」によって判明している。
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