pesticide
「pesticide」とは、殺虫剤・農薬を意味する英語表現である。
「pesticide」の基本的な意味
「pesticide」とは、主に「殺虫剤」「駆除剤」「農薬」「除草剤」「殺鼠剤」「殺菌剤」などを意味する英語表現。品詞は名詞である。派生語に形容詞「pesticidal(殺虫剤に関する)」、副詞「pesticidally(殺虫剤によって)」がある。「pesticide」の語源
「pesticide」は、英語の「pest(有害生物)」とラテン語の「-cide(殺害者)」を合わせた単語で、「害虫や、作物にはびこる昆虫を駆除するための物質」という意味がある。「pest」の語源は、フランス語の「peste」、ラテン語の「pestis(致命的な伝染病、呪い)」で、「有害な、または厄介な人やもの」という意味。「-cide」の語源は、フランス語の「-cide」、ラテン語の「-cida(切断者、殺人者)」、「caedere(打ち落とす、切る、落ちる)」である。「pesticide」の発音・読み方
「pesticide」の発音記号は、イギリス英語で「pes.tɪ.saɪd」、アメリカ英語で「pes.tə.saɪd」、始めの「pe-」にアクセントが置かれる。カタカナで表記する場合、イギリス英語で「ペェスタァサァィドゥ」、アメリカ英語で「ペェスティサァィドゥ」のような音になる。「pesticide」の覚え方
「pesticide(殺虫剤)」は、「pest」と「-cide」から成る単語である。「pest(害虫、厄介者)」から派生した単語は、「pester(悩ませる)」「pestilence(悪疫)」がある。接尾辞「-cide(殺人者)」が付く単語は、「homicide(殺人行為)」「herbicide(除草剤)」「libricide(焚書、本を廃棄すること)」「fungicide(防カビ剤)」がある。こうした関連語を合わせて認識することで、「pesticide」も覚えやすくなる。「insecticide」と「pesticide」の違い
「insecticide」と「pesticide」は、どちらも「殺虫剤」を意味する単語である。「insecticide」は、その名の通り「insect(昆虫)」を対象にした駆除剤であるのに対し、「pesticide」は、害虫やネズミなど「pest(有害生物)」全体を対象にした薬剤全般を指すという違いがある。「pesticide」を含む英熟語・英語表現
「pesticide-free」とは
「pesticide-free」とは、「無農薬」を意味する英語表現である。例えば以下のような表現がある。「Himalayan grown pesticide-free hemp fabric.(ヒマラヤ産の無農薬麻生地)」「It will boost soil fertility and enable them to produce pesticide-free food products.(土壌の肥沃度を高め、無農薬の食品を生産することが可能になる)」
「The road map to regreening includes organic, pesticide-free and more precision farming to combat the impact of shorter growing seasons on yields.(再生へのロードマップとなる、有機栽培や無農薬栽培、生育期間の短縮による収量への影響に対抗するための精密農業)」
「fertilizer and pesticide」とは
「fertilizer and pesticide」とは、「肥料と農薬」を意味する英語表現であり、次のように用いられる。「The Fertilizer and Pesticide Authority is a technical regulatory agency mandated to assure the public of safe and adequate supply of fertilizer and pesticide.(肥料農薬庁は、肥料と農薬の安全かつ適切な供給を国民に保証することを義務付けられた技術規制機関である)」
「Transformative actions to strengthen pesticide and fertilizer management.(農薬と肥料の管理を強化するための変革アクション)」「This intervention may involve reducing or ceasing applications of herbicides, fertilizers and pesticides.(この介入には、除草剤、肥料、農薬の散布を減らすか、中止することが含まれる)」
「pesticide」の使い方・例文
「農薬使用量の削減」は、「pesticide use reduction」のように表現できる。「Farmers without off-farm employment might have time to manage their systems intensively in order to achieve pesticide use reduction.(農閑期の雇用を持たない農家は、農薬使用量の削減を達成するために、システムを集中的に管理する時間があるかもしれない)」「農薬の開発」は、「development of pesticides」という言い回しになる。「The cost of purpose-built manufacturing facilities and chemical synthesis are a critical barrier to the commercial development of many potential pesticides.(多くの潜在的な農薬の商業的開発には、専用の製造施設や化学合成のコストが決定的な障壁となっている)」
「農薬の残留基準値」は「residue limits for pesticides」で表現できる。「The government does not have maximum residue limits for pesticides used on coffee beans.(コーヒー豆に使用される農薬について、政府は最大残留基準値を定めていない)」
「anti-pesticide」は、無農薬や殺虫剤禁止という意味で用いられる。「She is cited as an inspiration across the environmental spectrum, by endangered-species advocates and anti-pesticide groups.(彼女は、絶滅危惧種擁護団体や反農薬団体など、環境保護に関わるあらゆる分野でインスピレーションを与えてくれる存在として引用されている)」「An international anti-pesticide treaty makes an exception for the use of DDT in malarial areas.(国際的な殺虫剤防止条約では、マラリア地域でDDTを使用することは例外とされている)」
農薬
る薬剤や、成長促進や発芽抑制により商品価値を高めるために使われる薬剤を「農薬」といいます。農薬は、農薬取締法によって登録制度が設けられ、製造、販売、 使用などについて規制されています。
用途別に見ると、
1.農作物を害する害虫を防除*する殺虫剤、農作物等にとって有害な菌(細菌やカビ) を防除する殺菌剤
2.農作物を害する雑草を防除する除草剤
3.種なしぶどうなど農作物の成長を調整する際に用いられるいわゆる植物成長調整剤が代表的なものです。また、害虫を食べるハチなどの「天敵」や微生物を利用した農薬(生物農薬)は薬剤ではありませんが、農薬として扱われています。
*防除:農薬等の使用により、病害虫や雑草等による農作物への被害を抑えることをいいます。現在栽培されている農作物の中には、農薬を使用しなければ、ほとんど収穫できないもの(例:りんご、もも)もあることから、病気や害虫、雑草の害を食い止め、品質のよい農作物等を安定的に供給するために農薬が使われています。 また、真夏の草取りなど、生産者の作業軽減にも役立っています。
農薬
(pesticide から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/05 20:10 UTC 版)
農薬(のうやく、英: agricultural chemical[注釈 1])とは、農業の効率化、あるいは農作物の保存に使用される薬剤の総称。殺菌剤、防黴剤(ぼうばいざい)、殺虫剤、除草剤、殺鼠剤(さっそざい)、植物成長調整剤(通称「植調」:植物ホルモン剤など)等をいう。また、害虫や雑草の駆除に利用される天敵や捕食者は「生物農薬」と呼ばれる。
注釈
出典
- ^ a b c d e f g 後藤哲雄、上遠野富士夫『応用昆虫学の基礎』 <農学基礎シリーズ> 農文協 2019年 ISBN 978-4-540-17121-5 pp.100-101,116-119.
- ^ a b “FAOSTAT”. www.fao.org. 2024年5月21日閲覧。
- ^ あるのは探究心 (2023年8月15日). “【検証】#12 日本の農作物は「農薬まみれ」なのでしょうか。極限まで妥協しない農薬調査⑥”. あるのは探究心. 2024年5月21日閲覧。
- ^ “「国産が一番安全だ」と妄信する日本人の大誤解 日本は世界トップレベルの農薬大国”. PRESIDENT ONLINE (2020/01/21 9:00). 2024年3月26日閲覧。
- ^ スリーエム研究会『林業薬剤の知識』28-30頁 昭和54年12月20日刊
- ^ a b c d e f g h Q.「農薬」が無い時代は、どの様に防除していたのですか。農薬工業会(2017年5月16日閲覧)
- ^ 植村振作ら『農薬毒性の事典』(三省堂)の「サリン」の項
- ^ “国内最古の農薬使用 島根”. 中国新聞. (2013年1月26日). オリジナルの2013年2月9日時点におけるアーカイブ。 2013年1月26日閲覧。
- ^ 残留農薬から食卓守る 四食品に許容量『朝日新聞』1968年(昭和48年)3月21日夕刊 3版 11面
- ^ 「農薬再評価制度始まる 価格上昇、登録変更も」『日本農業新聞』2021年10月4日3面
- ^ 農薬の基礎知識 詳細 農林水産省(2017年5月16日閲覧)
- ^ a b c d 諸外国・国際機関等におけるPBT基準の考え方 (PDF) 環境省(2021年1月27日閲覧)
- ^ 殺虫剤の現地輸入規則および留意点:米国向け輸出 日本貿易振興機構(2017年5月16日閲覧)
- ^ 農林水産省「特定農薬とは?」
- ^ 農林水産省「農業資材審議会農薬分科会特定農薬小委員会及び中央環境審議会土壌農薬部会農薬小委員会第6回合同会合」(2005年8月31日)
- pesticideのページへのリンク