技術規制
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/16 03:55 UTC 版)
「ル・マン・ハイパーカー」の記事における「技術規制」の解説
2019年6月にフランス西部自動車クラブ (ACO) が発表したハイパーカーのレギュレーションは以下の通り。その半年後のFIAカウンシルで、『ル・マン・ハイパーカー (LMH)』と命名されている。 全長5,000 mm以下、全幅2,000 mm以下、全高1,150 mm以下。 エンジン形式・最大排気量は自由。4ストロークガソリンエンジンのみの使用が許可されている。また規則上ロータリーエンジンも選択可能。生産ベースのエンジンの場合、ブロックとヘッドの鋳造はベースエンジンからのものである必要があり(ただし、機械加工または材料の追加によって多少変更できる)、クランクシャフトは最大10%軽くできるが、バルブの角度、数はカムシャフト、およびカムシャフトの位置も、元のエンジンに取り付けられているため、そのままにしておく必要がある。 エネルギー回生システムを利用するマシンの場合、 MGU-Kのモーター出力は270馬力(200kW)を超えてはならない。およびピットレーンを除いて、MGU-Kは、次の条件が満たされた場合にのみ前輪にパワーが伝達される。車の速度が120km/h以上の場合で、スリックタイヤを装着した場合。 車の速度が140〜160km/h以上の場合で、レインタイヤが装着されている場合。 車の速度が120km/h未満の場合、120km/h未満で車がピットに到着するまで。 2022年からの新要素として、ハイブリッドシステムを搭載するマシンに「フロントパワー・デプロイメント・スピード」という項目が追加された。これはBoPの対象となり、レースごとに数値が変動する可能性がある。トヨタは2022年第1戦セブリングにて、これがドライ・ウェット共に190km/h以上と規定された。190km/h未満の車速では、エンジンのみによる後輪駆動の状態となる。また、第4戦から参戦しているプジョーは、ドライ・ウェット共に150km/h以上と規定された。これは、トヨタとプジョーで前後輪のタイヤサイズの違いにより規定速度が異なるため(トヨタは前輪12.5インチ、後輪14インチ。プジョーは前後輪共に13インチ)。 システム出力(エンジン+モーター)は最高680馬力 (500 kW) に制限され、モーターの回生能力は最大200 kW。サルト・サーキットのラップタイムは3分30秒前後になる見込み。エンジン出力は後輪の駆動にのみ使用される。 ハイブリッドモーターの搭載は任意。またモーターは前輪駆動にのみ用いられる(つまりハイブリッド車両は必然的に四輪駆動となる一方で、非ハイブリッド車両は二輪駆動となる)。 燃料搭載量は90L。 市販車として参戦する場合、2年間で20台以上の車両を生産しホモロゲーションを得る必要がある。プロトタイプとして参戦する場合はこの制限を受けない。 最小全面投影面積は1.6m2 を下回ってはいけない、上から、横から、そして正面から見た場合、現在の規則で明示的に許可されていない限り、または元の車のデザインを尊重している場合を除き、車体は機械部品が見えないようにする必要がある。可動式の空力要素は禁止されている 。 車重は最低1,030 kgで両規定共通。 現行のLM-GTEクラスにも採用されている、人間性を排除したアルゴリズムを採用するBoP (Balance of Performance) により、車種間の性能調整が随時行われる。 また4つの主要エリアで性能を調整することにより、両規定の2023年からのWEC、IMSAの相互乗り入れを実現する。 タイヤ=LMDh車両は、LMH規定の後輪駆動車と同じサイズのタイヤを装着する。すなわち、タイヤ幅34センチをリヤに、29センチをフロントに装着する。トヨタ・GR010 HYBRIDのように、フロントアクスルにハイブリッドシステムを備えたLMH車両(AWD:4輪駆動)ついては2022年より、フロント・リアともに31センチか、どちらかのタイヤサイズを選択する。 加速プロファイル=AWD車両の加速プロファイルは、技術規則の一部ではなくBoP(性能調整)によってコントロールされるようになる。各サーキットにおいてドライとウェット、2種類の(フロント駆動)アクティベーション速度が120〜160km/hの範囲で設定される。一方LMDhにおいては、リアに搭載されるeモーターのトラクションコントロール機能への寄与を制限するための、制御ソフトウェアが導入される。 ブレーキ性能=どちらのタイプのパワートレインも同じコースト性能を備えているが、AWD車両においてはフロントアクスル、リアアクスル双方のトルクレベルが考慮に入れられる。さらに、AWD車両のフロントディファレンシャルについては、潜在的なパフォーマンス上の利点を防ぐため、コースト時に「ゼロ・ロックメカニズム」がアクティブになる。 空力=LMH車両は引き続きスイスのザウバーの風洞試験によってホモロゲートされる。IMSAのレースに出場する場合は、アメリカ・ノースカロライナ州のウインドシア社で風洞特性評価にかけられる。LMDh車両の場合は、上記の反対のパターンとなり、ウインドシア社の風洞によりホモロゲートされ、WECに出場する場合はザウバーの風洞特性評価を受けることとなる。
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技術規制
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「ル・マン・デイトナ・h」の記事における「技術規制」の解説
2020年9月にACOとIMSAが発表した『LMDh』のレギュレーションは以下の通り。 内燃エンジン出力は最高630hp。ハイブリッドの場合、これにボッシュ製の50kW (67hp) の電気モーターを搭載する。システム出力は680馬力 (500kw)、モーターの回生能力は最大200kW。 内燃エンジンの最低重量は180kg。 バッテリーはウイリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングのワンメイク。またハイブリッドシステム全体に30万ユーロのプライスキャップが定められる。さらにハイブリッドシステムのソフトウェアは主催者によってロックされる。 LMDh車両はダウンフォース:ドラッグの比が4:1と定められる。ホイールベースは全車共通の3150mm、全長は5100mm以下、全幅2000mm以下。 シャシーコンストラクターは認可を受けた4社(オレカ、リジェ、マルチマティック、ダラーラ)のみ。ギアボックスはエクストラックが一括して供給する。 LMP2ベースのシャシーの関係するコストは最大34万5000ユーロに制限されるが、これにはエクストラックが供給するギアボックスは含まれない。エンジン部分を除くコストは約100万ユーロを想定。 車重は最低1030kgで、両規定共通となる。 現行のLM-GTEクラスにも採用されている、人間性を排除したアルゴリズムを採用するBoP (Balance of Performance) により、車種間の性能調整が随時行われる。 また4つの主要エリアで性能を調整することにより、両規定の2023年からのWEC、IMSAの相互乗り入れを実現する。 タイヤ=LMDh車両は、LMH規定の後輪駆動車と同じサイズのタイヤを装着する。すなわち、タイヤ幅34センチをリアに、29センチをフロントに装着する。トヨタ・GR010 HYBRIDのように、フロントアクスルにハイブリッドシステムを備えたLMH車両(AWD:4輪駆動)については2022年より、フロント・リアともに31センチか、どちらかのタイヤサイズを選択する。 加速プロファイル=AWD車両の加速プロファイルは、技術規則の一部ではなくBoP(性能調整)によってコントロールされるようになる。各サーキットにおいてドライとウェット、2種類の(フロント駆動)アクティベーション速度が120〜160km/hの範囲で設定される。一方LMDhにおいては、リアに搭載されるeモーターのトラクションコントロール機能への寄与を制限するための、制御ソフトウェアが導入される。 ブレーキ性能=どちらのタイプのパワートレインも同じコースト性能を備えているが、AWD車両においてはフロントアクスル、リアアクスル双方のトルクレベルが考慮に入れられる。さらに、AWD車両のフロントディファレンシャルについては、潜在的なパフォーマンス上の利点を防ぐため、コースト時に「ゼロ・ロックメカニズム」がアクティブになる。 空力=LMH車両は引き続きスイスのザウバーの風洞試験によってホモロゲートされる。IMSAのレースに出場する場合は、アメリカ・ノースカロライナ州のウインドシア社で風洞特性評価にかけられる。LMDh車両の場合は、上記の反対のパターンとなり、ウインドシア社の風洞によりホモロゲートされ、WECに出場する場合はザウバーの風洞特性評価を受けることとなる。
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