技術規則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 14:09 UTC 版)
日本自動車連盟(JAF)が発行する国内競技車両規則での分類はJAF-GT300の一種(JAF-GT300MC)に分類されるため、JAF-GT300とマザーシャシーの規則は共通点が多いが、マザーシャシーはモノコック・エンジン・ロールケージ・ディフューザーがワンメイクである点が異なる。エンジンはGTAが販売する「GTA V8」で、製造元は公式には明らかにされていないが、4.5L 自然吸気 V8で93.0 mm x 82.7 mmのボアストローク比であることから日産・VK45DEと見られている。最大馬力は450以上で、GT500やFIA-GTより50〜100馬力ほど劣る。最低重量は性能調整にもよるが1100kg程度で、GT500より100kg近く重く、FIA-GTより100〜200kgほど軽い。 共通モノコックの設計・開発は日本で、生産はタイにある童夢の子会社(その後売却され、2018年現在は東レの関連会社)で行われる。童夢がFIA-F4に供給しているものと同様に、童夢独自のカーボン技術であるUOVA製法が用いられている。UOVAは重量がやや嵩むが、経年劣化が殆ど無く剛性も高く、安価にできるなどのメリットがある。また設計上の想定はフロントエンジンであるが、ベース車両によってはミッドシップへのエンジン搭載も可能となっている。 自由に開発できる部分としては、オーバーハング、空力、ウィンドウ・ドア・ピラー・フラットボトム・サイドシルなどの車体の材質または形状、開口部の設置など外装に関わる部分や、ドライブシャフト・プロペラシャフト、クラッチ、トランスミッションなどの駆動系、冷却、スタビライザー、サスペンションなど多岐にわたる。またベース車両の駆動形式を四輪駆動以外に換装できる。ただし運動エネルギー回生システムは禁止されている。 外装は2012年の構想段階よりトヨタ・86が採用されており、最終的にも86がベースで決定された。意匠権について許可を取れば、他の市販車にも変えることができる。なおベース車両は通常のJAF-GT300の場合「①FIAグループN/A/GT3/GT2/GT1、JAF量産ツーリングカーまたは特殊ツーリングカーとして公認された車両。②JAF登録車両として登録された車両」だが、マザーシャシーでは「③JAFによって認められた車両」という項目が追加されている。 2015年時点の車両代は約5,000万円で、改造費はつちやエンジニアリングの場合は約1,500万円。ホームセンターで材料を調達するなど、工夫次第では近年価格の高騰しているGT3車両より安く仕上げることも可能であるという。
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