性能調整とは? わかりやすく解説

性能調整

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 08:56 UTC 版)

自動車競技」の記事における「性能調整」の解説

現代レース多く用いられている規則として、性能調整(Balance of PerformanceBoPとも)が存在する。これは各メーカー自由に開発しホモロゲーション取得した競技車両たちに、運営側が共通のテストアルゴリズムの下に計算した上でウェイト重量物)やリストリクター装着燃料タンク容量増減などを行い戦闘力均一にするものである。これにより参戦車種バラエティ増やし参加者ファン楽しませることが可能となるが、一方で100%正確に戦闘力均一にするのは不可能であるため、どうしても異なサーキットコンディションにおける有利・不利が出てしまう。そのため参加者ファン勝敗の原因実力ではなく性能調整のせいにし、喧嘩に近い議論を呼ぶこともある。また有利な性能調整を受けられるように、参加者が公式練習予選でわざと本気を出さないで性能調整のやり直し求めるという駆け引きもあり、これもよく議論対象となっている。 同じよう概念で、GTツーリングカーレースでよく用いられるものにサクセスバラストやウェイトハンデがある。性能調整はレース本番前だが、これらはレース後の結果に対して課せられるウェイトリストリクターハンデで、性能調整に比べる事後的ではあるため効果が出るのは遅いが、その分公平性期しやすいメリットがある。しかしこちらも「勝ったチームペナルティ課せられているみたいだ」「強いチームほど勝てなくなるのはおかしい」などの批判事あるごとに沸き起こっている。またポイントシステム残りレース数など計算した上で、わざとライバル前に行かせて後のレース有利にするような駆け引きが行われることがあり、複数参加者が同じことを考えていると、速さ競うレースなのに前を譲り合うような、ともすると情けない光景繰り広げられることもある。そのためSUPER GTでは、最終2戦でハンデ軽減あるいはゼロにすることで、そうした事態避けている。 上記の手法はすべての自動車競技用いられているわけではなく例えフォーミュラカーレースラリー競技などではあまり見られない。しかしそれらでも異なエンジン気筒数や排気量駆動レイアウトなどが混在している場合、それらの勢力均衡させるために開発前配られるレギュレーション段階異な参加条件エンジン回転数や最低重量など)が設定されたことはあり、そのバランスめぐってやはり議論何度も繰り返されてきた。このためF1、WRCエンジン気筒数と排気量を完全に統一した上で開発競争行っている。 突き詰めると全員が同じ車体・同じ部品を使う「ワンメイク」が最も平等で簡単な解決策見えるが、それでは車種技術バラエティ無く開発競争興味を持つ企業エンジニアファン惹きつけられないという別方向問題浮上する。なるべく多く参加者ファン納得できるようなレギュレーション作りは、自動車競技運営永遠課題である。

※この「性能調整」の解説は、「自動車競技」の解説の一部です。
「性能調整」を含む「自動車競技」の記事については、「自動車競技」の概要を参照ください。

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