電気自動車用モーター
クルマのエンジンの代わりに使用される、電気自動車の駆動用モーター。エンジンと同じく、クルマに要求される走行性能を満たすとともに(1)車載用に小型、軽量であること(2)限られたエネルギーを有効に使うため高効率であること(3)内燃機関のクルマと同様、信頼性が高く、保守性に優れていること(4)低コストであること、などが要求される。長く、歴史の古い産業用モーターをベースに改造使用されてきたが、1970年代からしだいに専用のモーターが開発されるようになってきた。80年代前半までは、比較的簡易なシステムの直流モーターが主流であったが、整流子とブラシを要するため保守性に難があることもあり、80年代後半から大容量半導体やインバーターなど、制御技術の進展とともに小型、軽量で大出力、高速化が可能な、交流モーターが使用されるようになった。エンジンに匹敵するような最高速や出力も発揮できるようになって、現在ではハイブリッド用も含め主流になってきた。なかでも日本では、小型、高性能のPM同期モーターが新型EVの多くに用いられているが、アメリカでは比較的安価で使用実績が長く、性能調整の容易性などから誘導モーターが今もなお多用されている。
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