JR電話サービス(JRほっとライン)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 07:06 UTC 版)
「鉄道電話」の記事における「JR電話サービス(JRほっとライン)」の解説
国鉄分割民営化以降、JRグループの鉄道電話業務はJR通信(鉄道通信株式会社)が行っていた。JR通信は日本テレコムとの合併、固定通信部門のソフトバンクテレコムへの分離、ソフトバンクグループの再編を経て、現在はソフトバンクが基幹通信網の業務を行っている。 現在のJR電話サービスは、ソフトバンクがJRグループおよびその関連企業向けに提供している、定額制の電話サービスであり、JRほっとラインとも呼ばれる。 ソフトバンクの電話交換機に加入者負担で専用線を接続することで、JR以外の企業でも申し込むことができるが、申し込みができるのは国鉄の承継法人等相互間および承継法人等の業務に関連する業務を取り扱う者との間に限られている。例えば、JR各社と取引が多い工事会社や車両メーカー、旅行代理店、ホテル等がそれに当たり、珍しいところでは鉄道雑誌出版社の交友社や鉄道ジャーナル社、電気車研究会、ネコ・パブリッシングのRail Magazine編集部、JR東日本が出資しているジェフユナイテッド株式会社(日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)のジェフユナイテッド市原・千葉の運営会社)も導入している。専用の電話帳(JRダイヤル帳)も発行されている。導入している企業、もしくは部署の社員の名刺には電話番号がJRとNTTで二段書きされているケースが多い。 また、JRと直通運転をしている会社のほとんどが導入している。関連会社では、NTT回線と異なるルートによる二重化の意味合いもある(旅行会社などは、通常はNTT回線を使用するように指導されている)。 指令回線はJR本体が運用しているが、東京から福岡への通信など基幹回線網はソフトバンクが運用業務を行っている。 国鉄のマイクロ回線設備は、(那須や鈴鹿などの山脈越えを除き)できる限り国鉄用地内に設置する方針で建設され、基本的には駅周辺での利用となるが、JR線から離れたところに引き込む場合、NTTの専用線を最寄の接続点(POI)まで敷設することにより利用できる。全国の日本交通公社の支店が典型的な例であった。 電話番号は7桁で、1桁目はNTT等など公衆回線同様にゼロであり、最初の3桁は地域を表す。音声周波数帯域を用いたアナログ回線であるから、市販の電話機が使えるだけでなく、FAXを利用することもできる。 番号は「0XY-ZZZZ」のようになる。先頭の3桁(0XY)は局番号、続く4桁は加入番号と呼ばれ、同一局番号内であれば局番号なしに架電することができる。Xは2 - 9が割り当てられており、Yは地域の拠点に1が割り当てられている。NTTの市外局番とは連動せず、03地域でも東京、新宿、田端と別の局番号が割り当てられている。 市外局番が相似しているのは、昭和20年代、一般公衆通報は、電電公社と国鉄が拮抗しており、どちらも基盤インフラをめざして、同様の市外局番を導入したことにある。市外番号をダイヤルすると、ピー音が鳴り、途中のクロスバ交換機が段階的に接続し、音が止まると接続が完了する。平成に入り電子交換機へ更新が進み、この音は聞かれなくなった。 特殊なJR電話として、VHF帯を使用した国鉄(JR)自動車電話があり、手動交換により、全国のJR電話と通話できるシステムが1993年(平成5年)頃まで使用されていた。 新幹線では、UHF空間波を使い手動交換で接続していたが、LCX化以降はダイヤル即時通話が可能である。電話番号は、固有番号に列車番号を加えた番号である。 駅間ごとに電話番号を割り振った沿線電話があり、保線作業や非常時に、開通させて使用する。 局番号の例。 021:札幌 022:室蘭 023:函館 024:旭川 025:名寄 026:北見 027:釧路 031:仙台 032:郡山 033:盛岡 034:一ノ関 035:青森 036:秋田 037:山形 041:新潟 042:長岡 043:高崎 044:宇都宮 051:東京 052:横浜 053:八王子 053-7:国立 054:田端 055:水戸 056:千葉 057:東京 058:新宿 061:名古屋 062:岐阜 063:静岡 064:豊橋 065:金沢 066:敦賀 067:長野 068:松本 071:大阪 072:神戸 073:姫路 074:天王寺 075:松阪 076:和歌山 077:福知山 078:京都 081:広島 083:下関(NTTの市外局番も083) 084:岡山 085:米子 086:高松 087:松山 091:門司 092:博多(NTTの市外局番も092) 093:早岐 094:熊本 095:鹿児島 096:大分 JRグループ企業においても、IPセントレックスを導入して契約数を減少させる動きもある。 2006年(平成18年)3月1日には、トランスネットとの提携により携帯電話機にJR電話番号を付与し、携帯電話からJRほっとラインにかけることができる「JR携帯電話サービス」を開始している。このサービスは公式には明らかにされていなかったが、2009年3月11日付『交通新聞』でその存在が明らかになった。
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