9月20日の誕生花

実用日本語表現辞典

9月20日の誕生花

9月20日の誕生花で代表的なものは「ヒガンバナ（彼岸花）」だ。別名を「曼殊沙華（マンジュシャゲ）」という。ちょうど9月の彼岸の頃が花の盛りである。変わった形の花弁と真っ赤な花の色が印象的だが、墓地に咲く花というイメージを持たれることも多い。そのためあまり良いイメージが持たれにくい傾向もあるが、なぜか北は北海道から南は沖縄まで気温に関係なく一斉に同じ時期に花が咲くという神秘性、また花そのものの美しさからその価値は見直されてきている。

9月20日の誕生花一覧

9月20日生まれの誕生花は「ヒガンバナ」「ヤブラン」「ローズマリー」である。

#ヒガンバナ
ヒガンバナはヒガンバナ科・ヒガンバナ属の多年生植物で、中国を原産地とする帰化植物である。球根から育ち、種を付けることはない。つまり元々は人が人為的に株分けをすることで増えた植物なのである。自力で増える方法としては球根の株別れしかなく、そのため1カ所に固まって群生するのが特徴だ。こうした増え方をするので、日本のヒガンバナはすべて同じ遺伝子を持ついわばクローンとなっており、全国で一斉に花が開くのはそのためである。

ヒガンバナは墓地に咲くものと思われがちだが、実は多く群生しているのは田畑の周りだ。ヒガンバナの球根にはリコリスという毒性の強い物質が含まれており、これがモグラやネズミを駆除するのに役立つのである。先人が農作物を守るために植えたヒガンバナが、後に里山の秋の風物詩となったわけだ。その個性的な花の形や神秘性に加え、毒性があるというのもヒガンバナに不思議な魅力を与えているといえるだろう。

なお、ヒガンバナといえば赤のイメージが強いが、実際には黄色や白のものも存在する。別名も非常に多いのが特徴で、幽霊花や狐の松明など数百から一千に上るといわれており、白い彼岸花は「シロバナマンジュシャゲ」、黄色いヒガンバナは「ショウキズイセン」とも呼ばれる。ヒガンバナの名所としては宮城県の羽黒山公園、埼玉県の県営権現堂公園、滋賀県の桂浜園地などが有名だ。

●ヒガンバナの花言葉
・悲しい思い出
・諦め
・独立
・情熱（赤）
・また会う日を楽しみに（白）
・深い思いやりの心（黄）

#ヤブラン
ヤブラン（藪蘭）はキジカクシ科ヤブラン属の多年草である。藪に生える蘭のような形の葉、ということでヤブランと呼ばれている。実際ヤブランが多く自生するのは林床、すなわち森の木々の根元に当たる地面であり、その葉は細長く濃い緑色が特徴だ。日本ではほぼ全土に分布するが、特に関東以西に多い。夏から秋にかけて薄紫色の小さな花が穂のように連なって咲く。暑さ寒さに強く日陰でも元気に育つ病気知らずの丈夫な植物で、一年中青々としているため庭のグランドカバーや縁取りなどに利用されることも多い。土質も選ばず、育てやすいのでガーデニング初心者でも扱いやすい植物だ。

●ヤブランの花言葉
・隠された心
・忍耐

#ローズマリー
毎年冬から春にかけて淡いブルーや紫、あるいはピンクの可憐な花を咲かせるローズマリー。地中海原産のシソ科の常緑樹で、暑さにも寒さにも風にも強く、乾燥にも耐えられるため育てやすく、成長するとその高さは1.8メートルにも達する。古くから薬効が認められ、消臭・抗菌作用や抗酸化作用があることが知られている。

爽やかな香りも特徴的で、料理に用いるハーブとしても人気だ。肉や魚の生臭さを消す一方、淡泊な料理には香りづけとして利用される等、臭い消しと香りづけの両方に使えるのがユニークな点だ。また、花や葉から抽出した精油はアロマテラピーにもよく用いられる。ハーブらしいややツンとしたクリアな香りは気分をスッキリさせ、眠気覚ましや集中力アップに効果があるといわれている。抗菌効果や虫よけ効果もあるとされているほか、肌の代謝促進や育毛といった美容効果も期待されている。

●ローズマリーの花言葉
・変わらぬ愛
・幸福な結婚
・静かな力強さ
・記憶

（2022年5月23日更新）